ファイアーエムブレムエンゲージ 遭遇戦マップの育成有用度評価

ファイアーエムブレムの新作「エンゲージ」では、キャラ育成を自由に行える遭遇戦が実装されています。しかし、全ての敵が一斉に突撃してくるという遭遇戦の仕様上、低レベルキャラの育成をじっくり行うような余裕はありません。結果、遭遇戦に挑んでもエースキャラばかり育ち、育成したかったキャラは一軍からさらに置いて行かれる、という負のループに。

そこで、どのマップの遭遇戦を選べば、育成の遅れたキャラのレベリングという目的が達成できるのかを評価し、各マップをSABCDの5段階で採点していきます。

  • S:育成の遅れたユニットが、容易に育成可能な優良マップ。
  • A:育成の遅れたユニットを、複数の介護ユニットを使って育成可能なマップ。
  • B:育成は可能だが、面倒な手順やアイテムの消耗を求められるマップ。
  • C:強ユニットで突破するだけになる、育成に使わない方が良いマップ。
  • D:強ユニットでも突破自体が困難な、存在意義の分からぬマップ。

なお、弱ユニットを一軍に追い付かせたくなるタイミングは中盤までかと思いますので*1、20章開始まででも挑戦しやすい、元々の推奨レベルが上級Lv7以下のマップに限定して評価します。

また、育成したい弱ユニットが複数人おり、一軍と力を合わせれば毎ターン3〜4体の敵は撃破可能、といった戦力具合を想定します。

 

フルルの風車村 : S

川に分断された区画に、5人ずつユニットが初期配置されるマップ。右上の島に篭ることができれば、唯一の侵入経路である橋を壁役で塞ぎながら、落ち着いて育成が行えます。

橋を塞ぐユニットは、武器を外した回避壁がベスト。特に、竜脈「霧」+ゼルコバが頼りになります。育成対象のユニットは、その後ろの茂みから間接武器で敵を攻撃。リュールを添えてダメージをアップさせたり、セアダスで再行動させたりと、サポートユニットも欠かせません。

但し、右上の島の初期配置は5人のみのため、サポートに回せる人員は不足しがち。飛行ユニットを右下の初期配置に置いておき、川を越えて合流させ、手数を増やしたいところです。

非常に優秀なマップなのですが、遭遇戦発生率がどういうわけか低く*2、必然的に他の優良マップを開拓する必要が出てきます。

 

フィレネ城 : C

初期配置は広間の中央であり、敵の包囲突撃を受けてしまうマップ。本編では扉や壊れる壁のお陰で敵の分断が図りやすかったのですが、遭遇戦では障害物が全て破壊された状態からスタートし、工夫の余地がありません。

脆いユニットを守り切るのが難しく、育成には適していません。

 

茶畑の里 : S 

初期位置は右上の茶畑の内部で、出撃枠は8人。茶畑への侵入経路は下・左・左上の3箇所に限定され、守りやすい地形です。かつ、左上から入ってくる敵は1,2体程度のため、残り2箇所の防御に専念すれば、安定して戦えます。

左の1マス通路を壁役で堰き止めれば、落ち着いて育成が可能。もしくは、下の侵入経路には茂みがあるため、ここにユニットを乗せて育成してもOK。

 

峠の集落 : A

初期配置は、本編でボスが鎮座していた地点。下の3マス通路と、右の塀から来る1マス通路を塞げば、引きこもり態勢が出来上がります。この状態であれば、安定して経験値稼ぎが可能。下から迫ってくるエルサンダー持ちセイジは危険なので、リンの流星群など遠隔攻撃で処分しておきたいところ。

一定確率で金の異形兵が出現し、暗闇マップ化します。遭遇戦の暗闇マップの中では戦いやすい部類なので、金策のために挑戦するのも悪くありません。

 

盗賊団のアジト : A

初期位置から上に移動し、本編でボスが鎮座していた小部屋に入り込めば、籠城の態勢を取れます。入り口の3マス通路を壁役で防げば、基本的には安全。

引きこもり態勢の構築はスムーズですが、敵に重装兵が出現しやすいため、物理系兵種の育成には難儀します。

 

グランスール大橋 : D

空中だらけの地形で、一斉にドラゴンナイトグリフォンナイトが突撃してくるという、阿鼻叫喚のマップ。斧持ちのドラゴンナイトは攻撃力が非常に高く、しっかり育成した前衛職ですら複数回受けるのは危険。当然、弱いユニットが狙われれば即死です。敵の進軍を阻止できる障害物や防御地形も乏しく、育成には全然向きません。ISのレベルデザイナーは、何を考えてこのマップを作成したのでしょうか?

 

ロディア城 : C

開けた大広間に立たされ、敵の全軍突撃を受けるマップ。左右に狭い通路はありますが、後衛ユニットを十分に格納できるだけのスペースが無く、窮屈な戦いに。低レベルユニットを満足に稼がせることは困難です。

 

国境の砦 : A

マップ右上角の茂み付近で敵を迎撃する態勢に入れば、落ち着いて戦闘が行えます。前衛ユニットを茂みの上に立たせて敵を堰き止め、その隙に育てたいユニットで敵を撃破。

岩を飛び越えて襲って来る敵の飛行兵が危険なので、長弓や流星群を撃てるユニットを迎撃用に用意しておきたいところ。

 

デスタン大教会 : B

難易度の高いマップですが、頑張れば育成は一応可能。

まず、初期位置は敵に包囲されていて危険ですので、戦闘開始とともに上の敵を全滅させます。そのまま、最上部に篭り、長椅子の間の3マス通路を壁役で封鎖。カムイの龍脈で霧や土柱を張りつつ、敵の攻撃に耐えます。敵の飛行兵とエルサンダー持ちは、危険なので優先的に排除。その隙に、育成したいユニットで後衛から敵を倒したり、ミカヤやベレトのエンゲージ技で経験値を稼いだり、という算段。

金の異形兵が出現しやすいマップであり、金策にも使えなくはありません。

 

影の原野 : B

敵が全員飛行兵という、難易度の高いマップ。一方で、点在する茂みが防御に使いやすいため、コツを掴めば安定して突破できるようになります。

初期配置は縦に長く分散していますが、最北のユニットは敵に集中攻撃されやすく危険なため、上1〜2個の出撃枠は使わない方が無難。戦闘開始直後は、全員で右下か左下の森に入り、迎撃体制を整えます。後は、前衛に回避盾を置いて敵の攻撃を受け止め、後衛から育成したいユニットで倒す、の繰り返し。敵は間接攻撃を持たないユニットが多いため、後衛を守りやすいマップです。

 

トゥーラ砂漠 : A

本編では味方の初期配置が分散していましたが、遭遇戦では左下に固まっているという、有難いマップ。壁役で敵を流砂に嵌め、移動力が落ちた所を弱ユニットで複数ターンかけて嬲る、といった作戦が可能です。

但し、流砂に囚われない飛行兵や、機動力のあるウルフナイトなどの敵兵種が出現しやすく、クリア難易度は高め。まずは、危険な敵兵種を先んじて処理することが重要です。

 

オアシスの里 : C

本編では障害物が多く防御に適したマップでしたが、遭遇戦では障害物が全て破壊された焼け野原からスタート。だだっ広い地形で大量の飛行兵に包囲されるという、難マップに変貌しています。

ここの遭遇戦はスルーした方が無難でしょう。

 

ソルム城 : S

スタート位置が玉座の間であり、入り口の3マス通路を塞げば籠城体制がスムーズに構築可能。かつ、マップが広大であるため、突撃型の敵兵が徐々に玉座の間に集結する構図となりやすく、比較的ゆっくり敵を迎撃できます。出撃人数も12人と豊富なため、一気に複数人の育成ができ、ユニット同士の支援レベル稼ぎにも有用。

また、このマップでの遭遇戦は「訓練」扱いであるため、マップクリア後に一律経験値30と2000Gが与えられるのも美味しい点。

 

北の城塞 : D

初期位置が4人小隊×3箇所に分断されている上、そのほとんどが瘴気の真っただ中とという、正気を疑うマップ。1つの小隊にカムイを持たせれば、龍脈で瘴気を掃除して生き残れはしますが、他の小隊は全滅必至。当然、弱ユニットを育成する余裕などありません。ISは本当にテストプレイをしたんでしょうか

 

紺碧海岸 : C

開けた海のど真ん中に立たされ、敵兵の一斉突撃に晒されるマップ。本編では少なかった飛行兵が、遭遇戦では多めに配置されており、海を越えて襲ってくるのが嫌らしい点。

マップ中央で戦い続けるのは危険なため、右か左に軍を寄せたい所ですが、移動中に潮が満ちると自軍が分断されてピンチに。安定した勝ちパターンを作りづらい難マップです。

 

フルルの港 : B

防御に適した狭い通路や回避地形に乏しく、初期位置に瘴気まである難マップ。但し、マップが広大であるゆえに敵が分散しているため、稼ぎが行えなくもありません。

まずは初期位置付近の瘴気をカムイで撤去し、壁役を並べて迎撃体制を敷きます。敵が毎ターン3〜4人の割合で襲ってくるため、その人数を毎ターン捌くだけの火力があれば、安定してクリアが可能です。余裕があるときに敵を削り残して、弱ユニット用のエサを作るのも忘れずに。

時々、敵がダンゴになって6〜7体一気に突撃してくる場合があり、捌き切れなくなることも。そういった場合は、カムイの竜穿砲+呪縛で動きを止め、次のターンまでにゆっくり対処すると良いでしょう。

 

ルシオン航路 : C

左右の船に自軍が分断され、かつ両方の初期配置が敵に包囲されているという、嫌がらせとしか思えないマップ。海上から突撃してくる敵の飛行兵や、中央の船から飛んでくる火炎砲も脅威。

 

ジーヴル港 : D

初期配置が3箇所に分断されており、かつ瘴気のど真ん中。その上、周りは開けた広場であり、防御に役立つ地形も無いという、鬼畜マップ。突破させる気が一切感じられない、狂気のマップです。

 

神々の闘技場 : D

一切の障害物が存在しないだだっ広い空間で、敵の全軍突撃を受けるマップ。その上、自軍は4人×2部隊に分断されてスタート。この少人数では、弱いユニットを守るための肉壁を作ることもできません。育成には微塵も向かないマップです。

 

疾風の草原 : A

自軍の初期位置は3部隊に分けられてスタート。一見戦いづらそうに見えますが、それぞれの初期位置は10マス程度しか離れていないため、合流は簡単です。また、突撃してくる飛行系を処理してしまえば、あとは壁役で橋を堰き止めて、敵の騎兵を詰まらせることが可能。騎兵は、育成対象の弱いユニットでゆっくり料理しましょう。

飛行兵撃破要員と騎兵撃破要員の両方をレベリングできるマップと考えれば、有用度は高めです。

 

希望の砦 : C

南北5人ずつに自軍が分断された状態でスタート。特に北側は、身を守りやすい地形が存在せず、生存が困難です。南側の5人だけ出撃させ、右下角の小部屋に籠るのが一番安定しますが、少人数ゆえ育成対象ユニットの介護に人員を割けないのが難点。レベリングには不向きなマップです。

 

聖なる墓所 : A

初期位置の左右の2マス通路を塞げば籠城体制が完成するという、優秀なマップ。最初に飛来する飛行兵さえ処理してしまえば、あとは安定して戦いを続けることができます。2マス通路を塞ぐキャラは猛攻に晒されてしまうため、育成の進んだアーマーや回避壁を4人用意するのを忘れずに。

 

光と闇の大河 : D

敵が全員飛行兵である上、身を隠せる障害物や地形もほとんど無い、気の狂ったマップ。初期位置付近で穴熊の陣形を組もうにも、裏には飛行兵しか進入できない岩場があるため、敵に陣形の裏側を容易に突かれる形に。弱いユニットを守り切る余裕はとてもありません。

定期的に、このような遭遇戦の存在意義と逆行する無理ゲーマップが登場する本作。ISも悪ふざけが過ぎると思います

 

運命の別れ道 : C

浅瀬で区切られたエリア同士が橋で繋がっているマップ。一見、橋を塞げば敵の進軍を食い止められそうに見えますが、敵は浅瀬を回り込んで自軍の後衛を狙いに来ます。その上、敵の飛行兵も6~7体出現し、浅瀬を飛び越えて襲ってくるため、戦いは熾烈を極めます。犠牲者を出さないためには、襲来する敵を同じ速度で処理するしかありません。

結果として、5ターンほどで決着がつく短期決戦となり、弱ユニットを育成している余裕はありません。

 

まとめ

FEエンゲージの遭遇戦には、「フルルの風車村」「茶畑の里」「ソルム城」などの育成に適した優良マップもあれば、「グランスール大橋」「ジーヴル港」「光と闇の大河」といった育成させる気の感じられないマップもあります。使いやすいマップを見分けて挑戦していきたい所です。

*1:終盤は、今いる一軍のメンバー内で戦い抜いた方が良い

*2:筆者のROMでは、フルルの風車村の遭遇戦が発生したのは、この3か月でたった1度でした。運が悪いんでしょうか?