ファイアーエムブレムエンゲージ 紋章士評価

ファイアーエムブレム エンゲージは、様々な能力を持つ紋章士の使い分けが楽しいゲームです。しかし、マップによっては出撃人数が限られ、紋章士の選出枠もそれに合わせて絞られることも。また、絆の指輪にも有益なものがあり、紋章士との取捨選択となります。限られた枠の中で、なるべく強力な紋章士をチョイスすることが、勝利への鍵となるでしょう。

そこで、DLC無しのルナティックにおいて、13人の紋章士の強さを、下記5段階で評価しました。

  • D:運用上のデメリットがあり、選択しづらい紋章士。
  • C:有用な紋章士だが、他に上位互換的な選択肢があり、枠争いに敗れやすい。
  • B:他に換えの効かない能力を有する、強力な紋章士。
  • A:独自の強力な能力を数多く有し、スタメンは固い紋章士。
  • S:一人で戦局を覆す能力を持つ、最強クラスの紋章士。

 

マルスC

性能
シンクロ補正 力+3、技+4、速さ+4
シンクロスキル 見切り:自分から攻撃した時、回避+(15+速さ/4)
たたみかけ:相手をブレイクさせた時、ダメージ50%の追撃が発生
など
エンゲージスキル 神速:攻撃時にダメージ50%の追撃が発生
エンゲージ技 スターラッシュ:ダメージ30%の7連続攻撃
エンゲージ武器 メリクルソード:威力12、獲得経験値2倍
など

 

回避と火力アップに貢献してくれる紋章士。

シンクロ補正による速さアップと、攻め時の回避アップにより、反撃を避けて一方的に相手を殴れます。また、スキル「たたみかけ」「神速」のダメージ上乗せ効果と、シンクロ補正の力アップにより、与ダメの向上にも寄与。近接物理アタッカーには有難い能力です。

ただ、「見切り」の回避アップ効果は受け時には発動せず、回避壁の助けにはあまりなりません。また、目玉の速さアップ効果についても、リンやルキナといった強力なライバルが存在。加えて、「たたみかけ」「神速」の追撃は、ルナティックの異常に硬い敵に対しては雀の涙ほどしか効かないことも。全ての性能が小粒で、ライバルとの差別化が難しい紋章士です。

相性が良いと言えるのは、回避型のブレイブヒーローでしょう。ブレイブヒーローは、耐久力を活かして前線で敵を殴りながらも、兵種スキル「助太刀」発動のためにHP満タンを維持したい、という悩ましい兵種です。無傷で敵を殴るために、マルスの「見切り」や、反撃不可の「スターラッシュ」が役立ってくれます。また、チェインアタックで味方に撃破経験値を持っていかれやすいブレイブヒーローにとって、メリクルソードで経験値稼ぎができるのも有難い点です。

 

セリカC

性能
シンクロ補正 力+3、魔力+4、魔防+4
シンクロスキル 共鳴の黒魔法+:魔道書で攻撃時、HPを1消費してダメージ+3
異形リベンジ++:異形兵から攻撃を受けた時、受けたダメージの50%を相手に与える
など
エンゲージスキル 重唱:ダメージ50%の魔法攻撃による戦闘を2回行える「重唱」コマンドが使用できる
エンゲージ技 ワープライナ:10マス以内の敵を攻撃可能な位置にワープし攻撃
エンゲージ武器 エンジェル:威力6、異形特効
ライナロック:威力15 など

 

魔道士の攻撃面を底上げしてくれる紋章士。

シンクロ補正と「共鳴の黒魔法+」で、魔法威力を7アップしてくれるのは嬉しい点です。また、「重唱」によりチェインアタックを2回発生させたり、必殺の抽選を2回行ったりし、火力の確保に役立ちます。また、終盤はほとんどの敵が異形兵であるため、エンゲージ武器のエンジェルで常時威力18の攻撃が可能。

しかし、その他のスキルは、魔道士との噛み合いがイマイチ。「異形リベンジ++」は被ダメの半分を反射するスキルですが、そもそも柔らかい魔道士に被弾させるのは即死リスクが高い上、運良く生き延びても低HPゆえ反射ダメージは稼げません。「ワープライナ」も、低耐久の魔道士を敵陣に投入するという狂気じみた技。敵をワンパンできる火力も出ず、装備も無防備なライナロックに固定されるため、倒し損ねた敵に返り討ちにされるのが関の山です。

加えて、魔道士向きの紋章士には、他に優秀なライバルが多いのも厳しい所。同じく魔力補正効果を持つ紋章士としては、魔道書の射程を伸ばしてくれるベレトや、杖射程を広げてくれるミカヤ、エンゲージ武器で魔力依存4連撃が可能なリュールなど、凶悪な面々が揃います。彼らを採用した後の3〜4番手というのが、セリカの立場になりがちです。

 

シグルド:A

性能
シンクロ補正 技+4、守備+4、体格+3、移動+1
シンクロスキル 再移動+:行動後、3マス移動できる
猛進:フリーズ状態にならなくなる
など
エンゲージスキル 迅走:移動+5
エンゲージ技 オーバードライヴ:並んでいる敵全体に攻撃し、その先のマスに移動
エンゲージ武器 ナイトキラー:威力10、騎馬特効
ティルフィング:威力15 など

 

希少な移動アップ効果と、エンゲージ技による範囲攻撃が秀逸な紋章士。

特に、エンゲージ時は累積で移動+6と、圧巻の移動範囲を誇ります。単騎駆けで村や宝箱を守りに行ったり、遠距離魔法持ちや遠距離杖持ちをアウトレンジから撃破したり、離れた場所から戦線に合流したりと、戦略上欠かせない活躍をしてくれます。

機動力を活かして単独行動が多くなりやすいため、孤立状態でも死なない耐久力のあるユニットに付けるとベター。特に、守備+4のシンクロ補正があるため、ジェネラルなど物理壁に適します。壁役であれば、攻撃後に「再移動+」で狭い通路を塞いだり、最前線で「猛進」で敵のフリーズの避雷針になったり、といった挙動も可能。

範囲攻撃のオーバードライヴも便利であり、チェインガードを使う敵のマスターモンクをまとめて削ったり、ナイトキラー装備で敵の騎兵を一網打尽にしたりと、広く活躍できます。便利な能力の揃った優秀な紋章士です。

 

リーフ:D

性能
シンクロ補正 HP+7、守備+3、体格+5
シンクロスキル 急所ずらし++:武器相性が有利な場合、受けるダメージ-7
待ち伏せ++:敵から攻撃された時、自HPが75%以下なら先制攻撃
など
エンゲージスキル 即応:敵から攻撃された時、射程・相性・与ダメの面で有利な武器に持ち替える
エンゲージ技 テトラトリック:剣、槍、斧、弓で連続攻撃
エンゲージ武器 マスターランス:威力7、射程1-2、自分から攻撃した時2回攻撃
ひかりの剣:威力15、射程1-2、幸運+10、魔法武器
など

 

シンクロでHPと守備が上がる、受けユニット向きの紋章士。

受け時にエンゲージスキル「即応」で相性有利な武器に持ち替えてブレイクを防ぎつつ、「急所ずらし++」でダメージを7軽減、というのがデザイナーズコンボ。グレートナイトやドラゴンナイトなど、戦闘スタイルでブレイクを防げない兵種に付けておくと、物理壁として安定感が増します。

しかし、このコンボの根幹を担う「即応」がポンコツなのが困り所。特に、武器相性や射程で有利というだけで、威力の低い「マスターランス」や物理兵種に向かない「ひかりの剣」といったエンゲージ武器に持ち替えてしまい、反撃威力がまともに出ないことも多数。また、敵が弓・魔法・暗器・体術を使う場合は、基本的には上記コンボは成立しません。更に、強力な錬成や刻印を施した武器を持たせていたとしても、即応で勝手に装備変更されることも。特に、回避刻印ありの武器を外されると、一気に生存力がガタ落ちになります。

加えて、エンゲージ技「テトラトリック」も、攻撃が4回に分散される点が残念。敵が硬いルナティックにおいては、かすり傷を4回与えるだけに終わってしまいがちです。何を取っても今一つな、最弱の紋章士と言えるでしょう。

 

ロイ:C

性能
シンクロ補正 HP+10、力+6、魔防+3
シンクロスキル 踏み込み:2マス先の敵に1マス近づいて攻撃する「踏み込み」コマンドが使用できる
踏ん張り+++:戦闘開始時にHPが2以上だった場合、その戦闘でどれだけダメージを受けてもHPが1残る
エンゲージスキル 超越:ユニットのレベル+5
エンゲージ技 獅子紅蓮焔舞:前方横3マスを攻撃し、攻撃マスから2マス先まで炎上状態にする
エンゲージ武器 封印の剣:威力15、重さ8、射程1-2、守備・魔防+5
など

 

攻速守の全ての能力が伸びる、バランス重視の紋章士。

シンクロ補正の力+6が物理アタッカーにとっては嬉しく、エンゲージ武器「封印の剣」の高威力を活かしてどんどん敵を殴れます。封印の剣は威力の割に軽く、間接攻撃にも対応しており、耐久力も向上させてくれる、破格の性能を持っています。

また、エンゲージスキルの「超越」は、ユニットのレベルを一時的に上昇させます。火力・速さ・耐久力の全てが底上げされるため、単なるアタッカーではなく、受けも担当できるユニットなら最大限に恩恵を受けられます。カゲツやミスティラといったユニットで、攻めつつ受けさせるのが良いでしょう。受け時は「踏ん張り+++」の効果で事故に強いのも有難い所。

このように高速守バランス型のロイですが、裏を返せば、1つ1つの項目は中途半端で役割が持ちづらいです。彼の対抗馬として挙げられる紋章士は、火力を30以上盛るエイリーク、速さを20高めるリン、被ダメを半減させるアイクなど、化け物揃い。各項目を5~10上げる程度のロイでは、到底太刀打ちできません。

特化した強みを持たず、地味な紋章士となってしまっています。

 

リン:A

性能
シンクロ補正 技+4、速さ+5、魔防+3
シンクロスキル 速さの吸収:自分から攻撃して敵を倒すごとに、速さ+2(最大+10、戦闘マップ終了まで)
攻め立て++:自分から攻撃した時に、追撃が発生する場合、かつ速さが相手より5以上高い場合、相手の反撃より前に追撃を行う
エンゲージスキル 残像:自分のみチェインアタック可能な残像を4体生み出す「残像」コマンドが使用できる
エンゲージ技 流星群:射程10、ダメージ30%の5連続攻撃
エンゲージ武器 ミュルグレ:威力16、重さ9、速さ+5、飛行・竜特効
など

 

速さを超強化するという、希少な個性を持った紋章士。

シンクロ補正で速さ+5、「速さの吸収」所持で敵を5体倒せば速さ+10、ミュルグレを持てば速さ+5。合計で速さ+20にまで加速できる、破格の性能を持ちます。ここまでのバフを受ければ、内部レベル40時点で速さ25程度の中速帯ユニットであっても、速さ40を誇る敵ソードマスターにすら追撃を取れます。食事や装備による速さ補強の幅が小さい本作においては、リンは高速帯の敵に対抗する貴重な手段となってくれます。

また、規格外の射程を持つエンゲージ技「流星群」も強力。遠距離魔法や遠距離杖を持つ敵を狙い撃ちしたり、盗賊を遠くから排除したり、と使い所は様々。ボスを小突いて移動スイッチをオンにするのにも使えます。

その他、「攻め立て++」で、敵の厄介なトロン持ち魔道士を、反撃を受けずに倒すことも可能。また、残像を盾にして味方を守るなど、守備的な運用もできるため、仕事に困りません。強力なバフ効果と充実の小技で、どのユニットにも付けたい紋章士です。

 

エイリーク:S

性能
シンクロ補正 魔力+3、技+4、幸運+10
シンクロスキル 月の腕輪+:自分から物理攻撃をした時、ダメージ+(相手の守備の30%)
勇空+:与えるダメージ+5
など
エンゲージスキル 双聖:味方全員の「月の腕輪」を「日月の腕輪」に、「優風」を「蒼穹」に変化させる
エンゲージ技 ツインストライク:エフラムと共に連続攻撃(エフラムは威力13の槍攻撃・異形特効を持つ)
エンゲージ武器 ジークリンデ:威力12、異形特効
など

 

爆発的な物理火力を持つ紋章士。

まず、エンゲージ武器「ジークリンデ」が、特効武器なのに威力が12もあるという驚異の性能。難易度の激化してくる21章以降は、出現する敵がほぼ全て異形兵であり、常に攻撃力+24の特効補正が受けられることになります。

また、敵の守備がインフレしているルナティックにおいては、守備を30%貫通する「月の腕輪+」が非常に有効。例えば、守備30の敵に攻撃した場合、攻撃力+9の補正を受けているのと同じことになります。更に、「勇空+」のダメージ+5効果も累積させると、合計で攻撃力+36相当の補正を受けていることに。

高速ユニットに持たせれば、追撃込みで補正値は更に2倍相当。グリフォンナイト、ウルフナイト、ソードマスターなど、高速物理アタッカー兵種に持たせたい紋章士です。

これだけの補正値があれば、大抵の敵は一撃KO。守備自慢の異形竜すら粉砕してくれる超火力です。仮に倒せない敵が居ても、更なる隠し玉である「ツインストライク」をぶち込めば良いだけのこと。他の追随を許さない、自軍最強クラスの物理アタッカーと言えます。

 

アイク:B

性能
シンクロ補正 HP+7、力+4、守備+5
シンクロスキル 怒り:HP減少分、必殺がアップ(最大+30)
勇将+:HPが75%以下の時、守備・魔防+7
など
エンゲージスキル 不動:回避が0になる代わりに、受けるダメージが-50%
エンゲージ技 覇克・天空:反撃を捨て守備・魔防+5/次ターンに周囲2マス範囲攻撃/ダメージの30%HP回復
エンゲージ武器 ラグネル:威力16、重さ15、射程1-2
など

 

耐久と反撃性能に特化した紋章士で、運用法は大きく分けて2通り。

第一に、シンクロ補正と「勇将+」「不動」の重ね掛けにより、壁役の耐久力を大幅に引き上げることができます。そして、受け止めた敵を、エンゲージ技「覇克・天空」で一網打尽に。ルイ、アルフレッド、ディアマンドなど、物理壁ユニットに向きます。

但し、壁役運用の場合、「不動」で回避ゼロになるデメリットや、「勇将+」がHP満タン時は発動しない点が気になる所。「覇克・天空」もチェインアタックやスマッシュ武器で崩されて不発に終わりやすく、安定運用するにはアイク装備者の移動阻止や敵の足止めといったサポートが必須。壁としての単体完結性の面で比較すると、カムイを使った回避壁戦法や、シグルドを使った機動要塞戦法に軍配が上がります。

対して、「怒り」を活用して必殺アタッカーを強化するという、第二の運用法も存在。最大で必殺率が+30%されるため、パネトネなど高必殺率ユニットに持たせ、紋章刻印も駆使すれば、驚異の必殺率100%達成も可能。超火力で敵を木端微塵にしてくれる、自軍の秘密兵器となり得ます。但し、アタッカーとして必要な速さや命中率はアイクでは賄えず、別でサポートする必要があります。

壁運用もアタッカー運用も間違いなく強力ですが、サポートがない場合の不発リスクを踏まえ、評価は中程度に落ち着きます。

 

ミカヤA

性能
シンクロ補正 魔力+4、魔防+5、幸運+6
シンクロスキル 杖使い++:レベルAまでの杖を使用可能になる
など
エンゲージスキル 増幅:杖の射程、または転移などの距離+5。杖の効果範囲+1
エンゲージ技 大いなる癒しの手:自軍・友軍の味方全員のHPを全回復。使用後、自分のHPが1になる
エンゲージ武器 セイニー:威力11、重装・騎馬特効
など

 

杖振りに特化した紋章士。

その神髄は、特殊杖を使ったインチキ戦法にあります。スキル「増幅」は、単体対象の杖を十字方向5マス対象に広げる効果があり、転移の移動距離が+5。ワープ、レスキュー、ドローなどの転移杖の使い勝手が大幅に向上します。転移杖の中でも最も気軽に使えるのが、ゲーム中で使用回数全10回のリワープ。これを使えば、自身とその周囲の計5人を、10マス先まで転移させられます。これにより、壁抜け移動、トラップ無視、強敵無視など様々な悪さが可能に。終盤のターン制限マップや城攻め系マップにおいて、猛威を振るってくれます。

また、「杖使い++」により杖が装備可能になるのも有難い点。マージナイト、邪竜ノ娘、クピードーなど、魔力が高い兵種に回復役を兼ねさせることができます。

他に、敵の攻撃が激化する終盤では、「大いなる癒しの手」による全体回復が光ります。エンゲージ武器も、重装・騎馬に対しては特効威力33となる「セイニー」など、まずまずの性能。

転移能力と便利なサブ技で、難関マップ攻略に欠かせない紋章士です。

 

ルキナB

性能
シンクロ補正 技+5、速さ+4、幸運+6
シンクロスキル デュアルアタック:自身の戦闘スタイルが「連携」でなくともチェインアタックに参加可能
デュアルアシスト+: 自分が攻撃可能な範囲にいる敵に味方が攻撃した時、70%の確率でチェインアタックに参加
デュアルサポート:隣接する味方との支援レベルが高いほど回避アップ
エンゲージスキル 絆盾:隣接する味方への敵の初撃を80%の確率で無効化する「絆盾」コマンドが使用できる
エンゲージ技 オールフォーワン:自分の周囲2マス以内の味方がチェインアタックに参加
エンゲージ武器 パルティア:威力17、飛行特効、獲得経験値2倍
など

 

味方のダメージカットや火力補助など、サポートに長けた紋章士。

独自の性能として光るのは、隣接する味方への初撃をカットする「絆盾」。戦闘の激化する終盤では、乱戦から味方を守るのに重宝します。絆盾で守った高火力紙耐久アタッカーに、反撃で敵を一掃させる地雷戦法は非常に有効。発動率は80%と心許ないですが、騎馬同士・飛行同士で守ると発動率100%となって安定します。絆盾では自身は守れないものの、「デュアルサポート」で隣接ユニットから支援を受けて回避が狙える、と合理的な性能をしています。

火力サポートの面では、スキル「デュアルアタック」で、連携スタイル以外でもチェインアタックが可能になるのが便利。長弓装備スナイパーやトロン装備セイジに持たせての広範囲チェインアタックや、ナイフ装備ウルフナイトに持たせて毒ばら撒きチェインアタックなどで、敵のHP削りに貢献します。「デュアルアシスト+」があれば、更に広範囲のチェインアタックに参加可能に。

サポートばかりではルキナ装備者の育成が遅れがちですが、経験値2倍効果を持つ「パルティア」使用でリカバリーも可能。パルティアは飛行相手には破格の威力51となり、厄介なグリフォンナイト対策として有用です。

このように補助に長けた紋章士ですが、絆盾の信頼性がイマイチなのが欠点。初撃無効化という仕様上、追撃、チェインアタック、勇者系2回攻撃、スリップダメージ等はガードし切れず、味方を守り抜けない場合も多いです。絆盾が使えないと、残りの能力は小粒なものが多く、活躍は地味なものに。これらを加味し、紋章士の中で中堅どころという評価となります。

 

カムイ:S

性能
シンクロ補正 HP+15、魔力+4、魔防+3
シンクロスキル

竜脈:マスに対して特殊効果を付与する「竜脈」コマンドが使用できる(隠密スタイルなら霧、魔道スタイルなら炎、...などを付与)
スキンシップ+:行動終了・待機時に隣接する味方のHPを10回復し、支援値が少し上昇
竜呪:自分から攻撃した時、戦闘後、相手の全基本能力-4(効果は1ターンに1ずつ回復)
防陣:敵のチェインアタック無効

エンゲージスキル 呪縛:自分から攻撃した時、戦闘後に相手とその周囲1マスの敵を1ターン移動できなくする
エンゲージ技 竜穿砲:威力20の物理攻撃。水の力で直線3マスを攻撃し、それ等のマスを「水たまり」にする
エンゲージ武器 夜刀神:威力16
など

 

希少なデバフ能力を持つ紋章士。

「竜呪」による攻速守デバフ、「竜穿砲」による回避デバフ、「呪縛」による移動デバフなど、弱体化のラインナップは多様。堅牢なボス敵を崩したり、回避地形上の敵を狙ったり、といった場面で大活躍してくれます。その中でも強力なのが移動デバフ。竜穿砲+呪縛により、配置次第で最大10体の敵を移動阻止できるため、敵の大群を堰き止め、乱戦の戦局を一手で覆すことが可能です。また、「竜脈」で毎ターン出せる炎や水の地形にも移動阻害効果があるため、敵の誘導や移動型ボスのハメ殺しが可能です。

また、カムイは回避壁戦術の補助にも有用。隠密スタイルのユニットが竜脈を使うと、回避+30%効果の地形である霧を周囲に張れます。隠密の戦闘スタイル効果で地形効果は2倍となり、これだけで回避+60%に。ユナカやゼルコバといったシーフにこの戦術を取らせれば、ナイフで遠近反撃可能な壁がお手軽に完成します。回避壁の天敵と言えば、命中率一定のチェインアタックですが、カムイならこれすら「防陣」で防げてしまうという隙の無さ。回避失敗時の保険として、HP+15のシンクロ補正も有益です。

その他、味方を小回復する「スキンシップ+」も優秀。スリップダメージやレベルアップで微妙にHP満タンでない味方を回復し、チェインガードや助太刀を再発動可能にするのに役立ってくれます。

唯一の弱点と言えば、自身の火力を大きく盛るスキルやエンゲージ武器が無く、装備者も霧の張り替えで忙しくなるため、経験値稼ぎに手が回りづらくなる点でしょう。意識的に装備者のレベリングさえできていれば、最強の紋章士の一人となります。

 

ベレト:S

性能
シンクロ補正 魔力+3、速さ+3、幸運+12
シンクロスキル 天刻の拍動+:(50+幸運)%の確率で外れた攻撃が命中する
師の導き:自分と自分に隣接する味方の入手経験値120%
など
エンゲージスキル 指導:周囲2マスの味方に、1ターンの間スタイルに応じた能力アップを与える「指導」コマンドが使用できる
エンゲージ技 女神の舞:隣接4マスの味方を再行動させる
エンゲージ武器 テュルソスの杖:魔法射程+2、稀にダメージ半減
など

 

戦闘スタイルによって様々な恩恵を発揮する紋章士。

特に強力なのは、戦闘スタイル「魔道」のユニットが使用可能なエンゲージ武器「テュルソスの杖」。魔法射程を+2する装備品であり、エクスカリバーが射程4、トロンが射程5になるといった規格外の性能を有します。敵にちょっかいを出して移動スイッチを起動したり、壁越しに難敵を排除したり、宝箱を狙うシーフを遠方からスナイプしたりと、活躍の幅は多種多様。射程3のブレスが初期装備である厄介な異形竜も、射程4の「ノヴァ」の4連撃を打てば、アウトレンジから抹殺できます。

加えて、エンゲージ技「女神の舞」は、自軍の行動を差し引き3手番増やせるという驚異の効果。敵に包囲されたり制限時間が迫っていたり、といった難局を一手で打開してくれるポテンシャルを秘めています。ダンサーすら再行動させられるという柔軟性が魅力で、エースを最大で1ターン4回行動させることも可能。

その他、「師の導き」による経験値ブーストや、「女神の舞」使用時の経験値獲得で、ベレト装備者のレベリングが捗るのも有難い点。装備者を魔法エース兼再行動サポート要員にしてくれる、最強クラスの紋章士と言えます。

 

リュール:A

FEエンゲージ】リュール(紋章士)の加入時期(入手方法)と継承スキル【ファイアーエムブレム エンゲージ】 | AppMedia

性能
シンクロ補正 力+3、技+4、速さ+4
シンクロスキル 絆を繋和ぐもの+:自分と、周囲2マス以内にいるシンクロ・エンゲージ中の味方の命中・回避+30
神竜の加護:自分に対する特効効果をすべて無効化する
など
エンゲージスキル 以心:自分から攻撃し敵を撃破した時、エンゲージ終了まで、エンゲージ相手の全基本能力+4
エンゲージ技 神竜破:剣とビーム(魔法威力20)の2回攻撃
絆・神竜破:剣×2とビーム(魔法威力20)の3回攻撃。エンゲージ相手と隣接時限定
エンゲージ武器 神竜の体術:威力10、自分から攻撃した時2回攻撃(攻撃力は魔力のみ参照する)
オリゴルディア:威力8、異形特効
など

 

物理・魔法両方のアタッカー性能を引き上げ、敵陣で大暴れさせてくれる紋章士。

目を見張るのは、エンゲージ武器の優秀さ。特に「オリゴルディア」は、異形兵だらけの終盤では、ほぼ常に特攻威力24を発揮できる剣であり、物理アタッカーに最適。それ以上に強力なのが「神竜の体術」で、神器ノヴァの射程を短くした代わりに、高威力化&軽量化したような性能となっています。この4連撃に「以心」の効果が乗れば更に威力が+16され、ほとんどの敵を一撃粉砕できる魔法アタッカーが誕生します。

また、リュール1人のシンクロゲージ消費で2人分エンゲージでき、エンゲージ技も2回撃てるという仕様がコスパ良好。殆どの敵を屠れる「絆・神竜破」を2連発できるため、制圧力はかなりのもの。

加えて、積極的に前線に切り込んでいくアタッカーの守備面についても、「絆を繋和ぐもの+」の回避効果や「神竜の加護」の特効無効効果でフォロー可能。守りを気にせず敵陣に2人で突撃できる点が非常に強力です。オルテンシアなど、特効さえ消えれば回避率の高さを活かせる高速魔法アタッカーとエンゲージすれば、この恩恵を最大限得られます。

弱点は、主人公単騎ではエンゲージできない点と、主人公が紋章士の指輪を付けていると腐りやすい点。主人公とエンゲージ相手に絆の指輪を持たせてさえいれば、大立ち回りできる性能です。

 

まとめ

以上の評価をまとめると、次のようになります。

物理エースのエイリーク、魔法エースのベレト、メイン壁のカムイが、紋章士として最強の3人でしょう。

本作の紋章士システムは、戦略の幅を広げつつ戦闘を派手にしてくれる良システムと感じました。一方で、紋章士間の格差は広いように思います。このシステムが次回作以降も続いていくなら、格差は是正されていくことでしょう。実際、本作の開発初期案では、オリジナルキャラ12人を紋章士にする案もあったとのこと。本作の戦闘システムの好評を受けて、次回作以降もオリジナルキャラで紋章士システムが続いていく可能性は十分にあり得るでしょう。

今後どのようなシステム改良が加えられていくか、次回作に期待が高まります。