「ピクミン4」には個性豊かな能力を持ったピクミンたちが登場します。今作では、地上で同時に連れ歩けるピクミンが3種類に制限されたため、8種のピクミンからどれを選出すべきかが悩ましい所です。「おすすめピクミン」という形で大まかに選出の方針は示されるものの、これに従うのが必ずしも最適とは限りません。アタッカーや運搬役など、それぞれに担わせたい役割をしっかり考慮した上で、隊列の編成を考えたいものです。
そこで、各ピクミンのゲーム中の有用度を、S・A・B・C・Dの5段階で評価しました。評価が高いほど、他のピクミンより優先して隊列に採用する価値が高いと言えます。
なお、評価を決定する際は、ピクミンの下記3観点の性能を考慮しています。
- 攻撃面:原生生物やオブジェクトの耐久力を削る上で役立つ能力
- 移動面:自分の移動、他ピクミンの移動補助、オタカラの運搬に役立つ能力
- 守備面:敵の攻撃を凌いだり阻止したりするのに役立つ能力
赤ピクミン:B
性能 | |
攻撃面 | DPS=30 |
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移動面 | 種火を持って移動可能 |
守備面 | 火耐性 |
火に強く攻撃力も高い、基本的なピクミン。
入手が容易で攻撃力も高いのが有難い所。DPS*1は黄ピクミンの1.5倍と高く、全ピクミン中トップタイ。かつ、死者が出ても容易に補充できるため、多少の犠牲は前提で原生生物にトツゲキさせることができ、敵の速攻排除に貢献してくれます。
また、火耐性も要所要所で役立ちます。カジオコシやヤキチャッピーといった原生生物には、平地だと他のピクミンでは触れることすらできないため、赤ピクミンに一定の需要があります。
また今作では、火種の持ち運びという、新たな役目も増えました。パーティの鉄砲玉として、安定的な活躍が期待できるピクミンです。
黄ピクミン:C
性能 | |
攻撃面 | DPS=20、発掘速度が高い |
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移動面 | 投げ時の高度が高い |
守備面 | 電気耐性 |
シリーズ作品ごとに様々な個性を与えられているものの、今作では活躍機会の乏しいピクミン。
まず、電気耐性という能力は、火・水・毒・氷などの他の属性耐性に比べ必要性が薄め。というのも、黄でしか触れられない原生生物というのが存在しないからです。今作の電気系原生生物であるビリー・シビレオオバン・エレキムシ等は、電気を纏っていないタイミングなら他のピクミンでも攻撃できてしまいます。加えて、電気系ギミックの存在感も薄め。「3」で登場した電球は本作では削除され、電気ゲートは低耐久のためオッチンのトッシンで破壊可能で、電気トラップもほとんど出現しません。
高く飛ぶという能力も、羽ピクミンが居れば代替可能。羽は空中戦闘や運搬の面で優れるため、枠争いでは黄は不利となります。
結果として、黄ピクミンが必須となる状況が少なく、出番のあまりないピクミンとなりがち。ピクミンの種類の揃わない序盤や、ダンドリチャレンジで力を振るってもらいましょう。
青ピクミン:B
性能 | |
攻撃面 | DPS=20 |
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移動面 | 水中移動可能 |
守備面 | 水耐性 |
水場対策用ピクミン。作品を追うごとにライバルが増えているものの、独自の役割を保ち続けているピクミンです。
本作での水場対策要員は、水面を移動可能な氷ピクミンや、水上を移動可能な羽ピクミンとの選択になります。そういったライバルに対する青ピクミンの強みは、水中に潜れること。特に、ウオノコやトビハゼといった水中の敵を排除したり、水底に沈んだオタカラを回収したりできるのは青ピクミン特有の強みです。本作では遭難者が海底に吐き出される場合もあり、回収には青ピクミンが必須です。
また、水場の無いステージでも、放水のギミックがある場合があり、青ピクミン以外では突破できません。根強い需要の残るピクミンです。
紫ピクミン:A
性能 | |
攻撃面 | DPS=30、着地時衝撃波発生 |
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移動面 | 他ピクミンの約0.9倍の移動速度、運搬力10倍 |
守備面 | ー |
隊列の攻撃面を下支えしてくれるピクミン。
「2」では着地時に敵をスタンさせる能力がありましたが、今作では衝撃波で周囲にダメージを与える能力に変更。大型の原生生物1体を相手にするケースでは死に能力であるため、この変更はナーフと言えるでしょう。
一方で、トップタイの高いDPSは健在。タフな敵を相手にする際には頼もしいピクミンです。
また、運搬力はピクミン10体分あり、大概のオタカラは2〜3体で運んでくれます。今作の探索では、マップを進みながら、見つけたオタカラに運搬役を割り当て、残りのピクミンで先に進む、という流れになりなりがち。この際、オタカラ発見ごとに隊列のピクミンが削がれ、徐々に隊列全体の攻撃性能が低下していきます。こんな時、紫ピクミンが居れば、攻撃性能の低下幅を1/10に抑制できるという魅力があります。
このように、パーティのアタッカーとして採用の価値が高いピクミンと言えます。但し、耐性はゼロかつ、鈍重で逃げ遅れやすいため、運用には注意が必要です。
白ピクミン:D
性能 | |
攻撃面 | DPS=10、捕食時にダメージ |
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移動面 | 他ピクミンの1.2倍の移動速度 |
守備面 | 毒耐性 |
毒を扱うという面白い性能を持っているものの、使い所の難しいピクミン。
捕食された際に敵に毒ダメージを与えるという能力が最大の特色なのですが、これがかなり死にスキル気味。というのも、そもそも白ピクミン自体の入手タイミングが限定的で、入手数も少なめだからです。折角手に入れた貴重品をわざわざ死なせてまで、捕食時ダメージを発動させたいケースは稀です。その上、
- 敵の捕食を待つ戦法は時間がかかりがち
- 強敵ほど、捕食させる必要のある白ピクミンの数が多く、準備が大変
- 毒系の敵には、捕食ダメージを無効化されてしまう
- 捕食以外の方法で攻撃してくる敵には無力
- 捕食されたぶん隊列の運搬力が落ち、他の仕事に悪影響
といった数多の弱点もあり、運用は困難を極めます。
また、毒耐性という能力も魅力ですが、他の属性への耐性より優先度は低め。というのも、カビコチャッピーやカビフラシといった毒系の敵は耐久が低めであり、ポイズン・クリーナを付けたオッチンのトッシンで十分対策できる場合が多いからです。
その上、攻撃力が黄の半分というデメリットまであるため、救いようがありません。運搬速度は他の1.2倍と早いものの、空路で運搬経路をショートカット可能な羽ピクミンには敵いません。こんなに不遇なのに、「2」での登場時と比べ、地中のオタカラを発見するという能力を失うナーフまで受けている、悲しきピクミンです。
岩ピクミン:C
性能 | |
攻撃面 | DPS=15 |
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移動面 | ー |
守備面 | 物理耐性(刺突・圧迫) |
鉄壁の物理耐性を有するピクミン。
岩ピクミンの攻撃はやや特殊で、投擲時の単発ダメージは40と強力であるものの、敵に張り付くことができないため継続ダメージはたったの15、というものです。ピクミンの数が少ない序盤は投擲が有効ですが、大軍を率いる終盤は投擲している時間でトツゲキやトッシンをした方が効果的。結果として、攻撃面はパッとしません。
守備面では独自の耐性を有しています。特に、ダマグモやフタクチドックリ等の広範囲踏み潰し攻撃に耐性があるのがポイント。しかし、敵に踏み潰されてから、地面に埋まった岩ピクミンを回収し、再度投擲・・・、といった持久戦法は時間が非常にかかるのが難点。安全に敵を撃破できても、他の作業の時間が減ってしまいます。
総評すると、少数精鋭で持久戦に持ち込むのが得意なピクミン。大群で電撃戦を仕掛けてダンドリアップ、という本作のコンセプトに今一つマッチしていないピクミンです。
羽ピクミン:S
性能 | |
攻撃面 | DPS=10、高所にトツゲキ可能 |
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移動面 | 空中移動可能(羽専用の空中運搬経路あり) |
守備面 | 落下耐性 |
空飛ぶ非力な軽量級ピクミン・・・、と見せかけ、実は攻速守に優れた万能選手。
攻撃面では、高所にトツゲキ可能という長所が光ります。今作の強敵は、ダマグモキャノン、デメジャコ、ヘビガラスなど、攻撃部位が高所にある敵が多数存在。こういった敵には、赤ピクミンや紫ピクミンをチマチマ投げるより、羽をトツゲキさせた方が有効です。実際、紫は1体投げるごとにDPSは30ですが、その間に羽50体をトツゲキさせればDPSは500。ゲキカラスプレー*2を使用するのであれば、ダメージの伸び率も大きいため、敵を一瞬で粉砕できます。
また、オタカラ運搬においては、羽ピクミンのみが使用可能な空路が設定されているのも嬉しい点。コンベアなどの妨害地形も無視でき、最速で運搬が可能です。空路なら地上の敵の攻撃も受けづらく、安心して運搬を任せられます。
その他、落下耐性があるのも有り難く、地下洞窟では奈落への誤投や敵による振り払いにも怯えなくて済みます。総合的に見て、他のおすすめピクミンを押し除けてでも選出する価値があるピクミンです。
氷ピクミン:A
性能 | |
攻撃面 | DPS=10、水こんにゃく破壊可能 |
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移動面 | 水上移動可能、水場凍結可能 |
守備面 | 氷耐性、敵に凍結付与 |
サポート能力を中心に、公式から多くの仕事を割り当てられている、今作の優遇ピクミン。
攻撃時や被捕食時に敵を凍結させられる能力が強く、相手の動きを止めて味方の安全を保障できます。また、オオマンマンなど空中の敵は、凍結させると落下して即死させられるのも強力。
また、水こんにゃくを凍らせるのも重要な仕事。今作のギミックは、対策用ピクミンが居なくても、オッチンやバクダンで破壊できるものが大半です。そんな中、水こんにゃくだけは氷ピクミンでしか対策できまないため、隊列から外せない必須の存在となります。
他に、水場を凍らせてオタカラ運搬をサポートしたり、氷系の敵に安全に攻撃したりと、役割は多様。隊列に入れておいて腐ることはありません。
(特別枠)ヒカリピクミン
性能 | |
攻撃面 | DPS=20、フラッシュバースト使用可能 |
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移動面 | 仕事終了時に隊列に自動ワープ帰還 |
守備面 | 火・電気・水・毒・氷耐性 |
全属性耐性に自動ワープ能力持ちと、破格の性能を有するピクミン。
夜探索と洞窟でしか使用できないため、今回は評価の対象外です。
まとめ
以上をまとめると、ピクミンの評価は下記の通りです。
- S:羽
- A:紫、氷
- B:赤、青
- C:黄、岩
- D:白
色とりどりのピクミンの使い分けが楽しい本作。ダンドリチャレンジや地下洞窟では特定のピクミンがクローズアップされ、色々な個性に深く触れることができます。
一方で、シリーズが進んでピクミンの種類が増えるごとに、性能の格差も拡大しているように感じられます。次回作以降では徐々に調整が進んでいくのか、今後もチェックを続けたい所です。