カルドセプト ビギンズの高Lvチャレンジステージ攻略

カードとダイスで戦うゲーム「カルドセプト」の最新作、「ビギンズ」。ストーリークリア後は、敵のブックが強化された「チャレンジ」モードが解禁されます。チャレンジLv2以上では、敵にハンデが付いた状態の戦いに挑むことに。骨のある難易度で、これぞカルドセプトの醍醐味とも言えます。

この時、敵に付与されるハンデは下記の通り。

  • 初期配置クリーターを有した状態でスタート
  • 周回ボーナスが一定倍される
  • 通行量が一定倍される

敵は総魔力の初期値と成長率がともに高く、正攻法の戦略では押し負けること必至。そこで、本記事では、私が実践している、高Lvチャレンジステージの攻略方法をまとめてみました。

 

 

ブック構成:侵略ブックを組む

総魔力の初期値と成長率がともに高い敵に勝利するには、何らかの方法で総魔力にダメージを与える必要があります。

代表的な方法として、①敵から通行料を奪うことが挙げられます。ケルピーやオールドウィロウといった足止めクリーチャーを使えば、効率的に通行料を奪うことができます。但し、これらのクリーチャーの通行料を上げつつ、安定して守り切れる防御体制を整えるには手数が必要であり、その間に敵に逃げ切られやすいのが難点です。

そこで、②侵略で敵の高レベル領地を奪う、という方法が重要になってきます。こちらであれば、元手となる魔力や防御カードの必要数が少なく、汎用的に実行可能です。

本記事では、侵略ブックで敵の領地を奪って勝利する戦法を記載していきます。

 

火ブックを採用する

侵略力の高いクリーチャーが豊富な属性は、火と風です。両者を比較すると、「高い基本ATで押し切る火属性」「侵略向きの能力で攻める風属性」という違いがあります。下記の点から、安定して戦いやすいのは火ブックと言えるでしょう。

  • 能力発動のお膳立てが不要
  • 基本ATを参照する全体スペルやアイテムと相性が良い

 

火ブックで特に採用したい侵略要員クリーチャーは下記の通りです。

 

キングバラン / ヘルハウンド

キングバランはHP50&AT60、ヘルハウンドはHP40&AT50と、優秀なスタッツ。高ATに加え、侵略成功後もある程度の防衛は可能なHPを有しており、信頼が置けます。

但し、キングバランには「防具不可」、ヘルハウンドには「水クリーチャーに弱打」という弱点があるため、敵の動向に合わせて使い分けたいところ。

 

アベンジャー

HP&AT=30+順位×10となるクリーチャー。総魔力で負けている状態からスタートとなるチャレンジステージとは相性が良く、特に4人戦の序盤ではHP/AT=70/70という四王並みの化け物に。そのまま敵の領地を踏み潰してくれます。

あくまで基本ATは30であるため、敵ハンデレベル4で初期配置されるケットシーに強く、そのまま火領地を奪って防衛までこなせるのが便利です。

高額地を奪った後の防衛は一時的にはこなせますが、穴も存在。イビルブラストで即死し、スケアストームでマヒする上、プレイヤー優勢時にはミノタウロス並のスタッツに縮小します。防衛役は、他のクリーチャーに交代したいところ。

 

グラディエーター

AT40からの強打[火水地風]が強力な侵略クリチャー。ブーメランがあれば安定的にAT90が出せ、バラマキ駆除に活躍。コローシブスピアで防具破壊AT105、ドリルランスで貫通AT90など、拠点攻めにも貢献してくれます。

防御面は手薄のため、侵略成功次第、リリーフで防御向けクリーチャーと交代したいところ。一応、ファルコンソードがあれば最低限の敵迎撃は可能です。

 

ジャガーノート

防御型クリーチャーを即死させる能力が強力。敵AIは高HPクリーチャーから優先的にレベルアップしてくる傾向があるため、高HPの防御型クリーチャー拠点が乱立しやすいです。特に、アンゴスツーラやバーナックルなど、高HPで防具も着れる防御型クリーチャーは厄介。それらを一撃で木端微塵にしてくれるジャガーノートは、頼もしい限りです。

受けに回ると、防具不可かつ周回回復不可という弱点はあるものの、HP60というタフさは魅力。高額地を奪った後の一時的な防衛は問題なくこなせます。

 

属性メタクリーチャーを採用する

上記の汎用クリーチャーに加え、そのステージの対戦相手が使用する属性をメタれるクリーチャーはブックに加えておきたいところ。各属性の拠点を落とせるクリーチャーとして、下記を入れておくと非常に役立ちます。

 

ファイアービーク

水風対策クリーチャー。水風に対しては貫通・強打が発動するため、お互いノーアイテムならHP60までは無条件で落とせる計算に。敵ハンデレベル4で初期配置されるケンタウロスやジャイアントイールには滅法強いです。ブーメランを持たせ、敵を掃討したいところ。

敵高額地の奪取後は、防具不可ながらも、先制AT40である程度の防衛はこなせるのが有難いです。

 

ダンピール / イエティ

ダンピールは地、イエティは火への対策クリーチャー。それぞれ、対応する属性の通常攻撃を無効化しつつ、60%の確率で即死させられます。

特に、厄介な地援護ブックへのメタとして、ダンピールが非常に有効です。援護でどれだけHPを高められようと、即死で強引に侵略成功できる点は魅力。地無効化により、移動侵略時も返り討ちに遭わず、高額地奪取後も取り返されづらいです。

敵が地火属性を使う場合には、自分の火ブックに1-2枚差しておくと、仕事をしてくれます。但し、ダンピール/イエティともに領地コストを要求する点に注意。序盤で意識的に水風領地を1つは確保するように動きたいところです。

 

侵略用アイテムは圧縮しつつブックに投入

侵略を多用するブックである以上、アイテムを使用したい機会は数多く存在します。但し、侵略用クリーチャーや侵略補助スペルとの兼ね合いも考えると、ブックに投入できる枚数は5枚強が良い所でしょう。数少ない枠を有効活用するため、アイテムは場持ちの良さや複数役割の兼用性を意識して投入したいところです。

 

ブーメラン

高レベルのチャレンジでは、敵の初期配置クリーチャーやバラマキクリーチャーを一掃するため、毎ターンのように侵略の機会が訪れます。その度に武器を消費していては、手札が何枚あっても足りません。そんな時に有用なのが、使用後に手札に復帰するブーメランです。

ファイアービーク、グラディエーター、ナイトなどの強打クリーチャーとは相性が良く、実質的にAT+30の効果を発揮してくれます。

 

パワーブレスレット / ファルコンソード

攻撃専用 / 防御専用のカードをそれぞれ採用するよりは、攻守兼用のカードを採用した方が、ブックの圧縮になります。

パワーブレスレットは、HP&ATを2倍するという効果であり、素のスタッツが高い火クリーチャーとは好相性。使用時は、現HPをMHP×2で置換するため、現HPの減少を無視できるのも強力。

また、ファルコンソードは、AT+20かつ先制付与という能力であり、高ATの火クリーチャーなら敵の迎撃に有用です。防具制限のある侵略用クリーチャーが防御時に使いやすいのも魅力。

 

立ち回り:準備してから一気に侵略ラッシュ

次に、ゲーム中での立ち回りを見ていきましょう。侵略ブックでは、「敵領地が肥えるまで待ってから収穫する」のが基本。いきなり攻めるよりは、序盤・中盤は準備に徹し、終盤に一気に高額地を奪取して逃げ切るのが得策です。

 

序盤:脆弱な敵拠点候補を作らせる

ゲーム開始直後は、敵のクリーチャー配置状況を見ながら、今後敵がレベルアップしそうな土地を見極めます。具体的には、下記条件を満たす土地に目を付けます。

  • 属性が合っている土地
  • 城周りの土地:敵が周回ボーナスを得た状態で通過し、レベルアップの対象となりやすい

これらの拠点候補の土地には、対策クリーチャーを横付けし、いつでも侵略できる状態を作っておきます。

 

例えば、チャレンジ13「鉄壁を破る竜」のマップ「闇神の神殿」。敵の蟹女は火地ブック、水のガーディアンは水ブックの使い手であり、白の左右2マスの火水土地、およびその隣の複属性土地は拠点の有力候補です。事前にこのエリアにクリーチャーを配置しておき、敵が隣に属性の合ったクリーチャーを置くのを待ちます。そして、敵が配置したのをメタれるクリーチャーに交換すれば、準備完了です。

 

リリーフ

字クリーチャー2体の位置を交換するスペル。敵拠点候補の横の自領地に、遠方から対策クリーチャーを持ってくるには、これを使うと便利です。取りあえずは適当にばら撒き、リリーフで位置を交換するのが良いでしょう。例えば、敵のクラーケンの隣にはファイアービークを呼び、敵のバーナックルの隣にはジャガーノートを置く、といった具合です。

 

まずは、「あと1手で決定的な侵略ができる」という状態を作ります。ただ、実際に侵略を行うのは、敵がレベルアップをするまでお預け。次は、敵がレベルアップをしても問題なく侵略成功できるよう、手札を整えていきます。

 

中盤:自分の侵略カードを集め、敵の防御カードを無力化する

侵略を成功させるためには、自分の手札に武器や侵略用スペルが揃っており、かつ相手の手札に防具が無いことが重要となります。そこで、相手のレベルアップを待ちながら、自分のハンドアドバンテージを稼ぎ、相手のハンデスを行いながら、有利な状態を整えていきます。

ハンドアドバンテージを稼ぐためには、ドローカードが欲しいところ。本作のカードプールの中では、ファインドやギフトが特に優秀です。

ハンデスには、相手が手札に抱えている防具を割れる、シャッターとリフォームが便利です。但し、防具を大量に積んでいる敵には、チマチマとハンデスをするより、呪いによる防具使用阻止や、戦闘中の防具破壊に頼った方が得策でしょう。

 

ファインド / ギフト

ファインドは、手札復帰によりカードを毎ターン引け、安定性に優れるドローエンジンです。また、ギフトは、4人戦では最大4枚のカードを引けて、爆発力のあるドローソースです。これらを使い、キーカードを手札に引き込みたいところ。

逆に、いつまでたってもドローカードが引けないと、負けに直結します。ファインドを使う場合は、初期手札でファインドが引けるまでリセマラしても良いぐらいです。

 

シャッター / リフォーム

シャッターは、敵の手札1枚を破壊するスペル。リフォームは、敵の手札1枚を選び、全員の手札/ブック中の同名のカードをマナに変えるスペル。厄介な敵の防具・道具を除去するのに便利です。優先して狙いたいアイテムは、カウンターシールド、コローシブローブ、ネクロスカラベ、ガセアスフォームなど。

リフォームはコストが重いですが、敵が同じアイテムを複数積んでいる場合や、敵同士でアイテムに被りがある場合に有用です。例えば、先述の蟹女は、ブック中の防御用アイテムが、コローシブローブ×2とスケールアーマー×1のみ。コローシブローブをリフォームしてしまえば、防衛力はガタガタになります。

 

バインドミスト / シニリティ

バインドミストは、敵1体に"マヒ"を付与し、戦闘中のアイテム使用と攻撃を不可にするスペル。防具を大量に積んでいる敵の場合は、防具の使用自体を封じるのが得策です。

シニリティは、敵1体に"老衰"を付与し、次の戦闘終了時に破壊するスペル。防具を使われようが、問答無用で破壊することができます。

これらの呪いを、侵略前に敵拠点に付与しておきましょう。敵AIは単体呪いへの対策が甘く、精々リリーフで呪いを解除してくる程度。序盤にこれらのスペルを引いてしまった場合には、今後レベルアップが見込まれる敵拠点候補に早々に撃ってしまって構いません。

 

スケアストーム

AT30以下の全クリーチャーに"マヒ"を付与できる、非常に強力なスペル。多人数戦や同盟戦で、敵複数人の拠点が乱立する場合は、単体呪いのバインドミストよりも、複数呪いのこちらが役立ちます。

加えて、火ブックとの相性も良好。基本AT40以上のクリーチャーが多い火ブックならば、自分側はマヒの被害をほぼ受けずに済みます。

但し、マスファンタズム等の全体呪いによる上書き、イレイジャーによる呪い解除などで、敵AIも全体マヒに対処してきます。侵略直前ギリギリまでタイミングを引き付けて撃つのが良いでしょう。

 

コローシブスピア

敵の防具・道具を破壊する武器。敵が防具を大量に積んでいる場合は、スペルでのハンデスより、こちらで防具を割りながら侵略した方が手っ取り早いです。マヒ撒きとは異なり、実際に敵の手札からアイテムを消費させられるため、次以降の侵略にも繋げやすくなります。

 

終盤:一気に侵略して逃げ切り

お膳立てが整えば、あとは実際に侵略して敵領地を奪います。ここで意識すべきは、敵に対策の隙を与えない電撃戦。敵に新たな防具を引かれる前に侵略し、奪った領地を奪い返される前にゴールする。そのスピードを実現するために、下記のような侵略補助スペルや足スペルが重要となります。

 

チャリオット / リベレーション

敵領地に即座に移動侵略するための補助スペル。チャリオットは、自クリーチャーを2マス動かすことができ、敵領地に侵略させられます。リベレーションは、任意の自クリーチャーに領地コマンドを使用できるため、自由に移動侵略が可能です。これらを使って、侵略のチャンスを逃さぬようにしたい所です。

 

シャドウリープ

手出し侵略を補助するスペル。1~5マスの任意の移動が可能であるため、狙っている領地にピンポイントで侵略を掛けるのに役立ちます。

 

フライ / ホーリーワード8

移動マス数を増強する足スペル。目標達成後の迅速なゴールに有用です。

フライは、移動マス数を増強する期待値が+4.5マスと、全ての足スペルの中で最大。目標達成後のみならず、普段から高額地回避や周回ボーナス獲得に有用であるため、大量に積んで問題ありません。

ホーリーワード8は、トップのセプターに飛んできやすい妨害呪いを打ち消せる足スペル。こちらも、普段から汎用的に役立ちます。特に同盟戦では、味方に飛んできたセプター呪いを打ち消すのにも役立つため、多めに積むと活躍してくれます。

 

個別ステージに応じたブック調整

上記の戦略は、大概のステージで共通して利用可能です。但し、挑戦するステージごとに、下記のような要素を見極めて、ブックを調整した方が無難です。

  • 敵のハンデレベル
  • ステージの対戦人数
  • 敵の使用カード

 

レベル毎に対策カードを採用

敵のハンデレベルによって、下記のクリーチャーが盤面に初期配置されます。これらのクリーチャーは、放置すると敵手札のクリーチャーと交換されたり、敵と属性が合っていれば拠点化されたりし、厄介です。可能な限り、初期配置クリーチャーは戦闘で叩けるよう、対策カードを入れたい所です。

  • Lv2:スタチュー×2
  • Lv3:ホーンカメレオン×3
  • Lv4:ケットシー、ウッドフォーク、ジャイアントイール、ケンタウロス
  • Lv5:フレイムロード、ダークマスター、ダゴン、ベールゼブブ

 

Lv2〜4の初期配置クリーチャーは、全てがAT30以下であるため、スケアストームが共通して刺さります。マヒで機能停止させた隙に、高ATのクリーチャーで粉砕しましょう。

Lv5に関しては、別途対策が必要となります。

 

サムライ / ナイト

Lv5で初期配置される四王への対策として有力なクリーチャー。

サムライは、AT50以上のクリーチャーを70%で即死させられ、四王を有無を言わさず突破可能です。ナイトは、ATが50と高く、MHP50以上のクリーチャーに強打可能であるため、ブーメラン等でAT+20の補助があれば四王のレベル2領地に殴り勝てます。

基本的には、火ブックにこれらのクリーチャーを差していくことになります。ナイトを多めに積む場合は、いっそ風ブックを組むのも良いでしょう。

 

対戦人数に応じてブックを調整

対戦人数が変わると、有効なカードの種類も変わってきます。

4人戦では、敵の人数が多いため、シャッターやイビルブラストのような単体スペルでは敵全員を妨害し切れません。リフォームなど複数対象のスペルを入れたり、ハルマゲドンで荒れ場を作って敵同士の潰し合いを誘発するなどしたほうが建設的です。

同盟戦では、味方にもハンデが付き、初期領地を持った状態でスタートします。これにより、領地コストを満たすことが容易になります。領地コスト持ちのキークリーチャーを普段より多めに積むと、戦いやすくなるでしょう。

このように、対戦人数に応じてブックをチューニングしてから、試合に進みたいところ。

 

対戦相手へのメタカードを採用

チャレンジステージのLv1をクリアすれば、対戦モードから敵のブックを確認できるようになります。この内容を見ながら、敵のブック内容に応じて、対策カードを投入すると有利に立ち回れます。少なくとも、敵の属性へのメタクリーチャー入れたい所。その他にも、下記のような敵ブックに対しては、下記の対策カードが有効です。

敵ブックの傾向 対策カード
防御型クリーチャー ジャガーノート、バタリングラム
援護クリーチャー スケアストーム
コローシブローブ コローシブスピア、グレムリン
グーバクイーン サンダーストーム
大型クリーチャー サムライ、ナイト、ボーパルソード
無効化/反射クリーチャー 禁術持ち、焼きスペル

 

 

まとめ

高Lvのチャレンジステージを攻略する上では、下記の点に心掛けて攻略を進めていけると効果的です。

  • ブック構成:侵略ブックを組む
  • 立ち回り:準備してから一気に侵略ラッシュ
  • 個別ステージに応じたブック調整

 

リズム天国ミラクルスターズのパーフェクトキャンペーン制覇は何故難しいのか?

音とリズムを頼りにボタンを押すゲーム「リズム天国」の最新作、「ミラクルスターズ」。ゲームの進行とともに、各ゲームをノーミスでクリアする挑戦である「パーフェクトキャンペーン」が解放されます。クリアすると徐々に収集要素が解放されるため、全ゲームでパーフェクトを達成するのが従来作恒例のやり込み要素でした。

しかし、直近の過去作である「みんなのリズム天国」や「リズム天国 ザ・ベスト+」と比較し、そもそものゲーム難易度及び、パーフェクトキャンペーンの難易度が明らかに向上しているように感じられます。その要因を、下記では考察してみました。

新作ゲームと高難易度版ゲームのボリューム増加

本作に登場するゲーム数ですが、高難易度版の「2」*1やリミックスを除くと、ユニークなゲーム数は30個と、過去最大*2を誇ります。「2」やリミックスを含めた新作ゲーム総数は80と、こちらも過去最大。パーフェクトキャンペーンはどのゲームに対して発生するかランダムであるため、各ゲームに対応可能な記憶力が求められます。ゲーム数が多いと、単純にプレイヤー側の記憶が追い付かなくなり、難易度は上がります。

加えて、全ゲームに占める、高難易度版ゲームの割合も高いです。本作では、全てのゲームに対して高難易度版が用意されています。「2」とそれを含むリミックスの、全ゲームに占める割合は、驚異の55%と、過去作の約2倍*3。これも、本作の難易度を全体的に押し上げる要因の1つとなっています。

 

両手で複数ボタンを使い分ける入力方式

直近の過去作では、シンプルな入力方式が意識されていました。例えば、「みんなの」では片手でA, Bボタンを使用するのみ。「ザ・ベスト+」では片手でのタッチ操作のみで完結する入力もサポートされていました。

一方で、今作では両手でAボタン、右ボタン、下ボタン、左ボタンの4種類を押し分ける操作性となりました。これにより新たなゲーム性が生まれた反面、操作自体の難易度は上昇。特にリミックスでは、「このゲームではどのボタンを使うんだっけ?」という混乱が発生。

加えて、利き手でない方の手でリズム良くボタンを入力しようとすると、単純にミスも増えます。両手使用、複数ボタンの使用、というインターフェースの変更も、難易度上昇の一因でしょう。

 

裏拍の入力タイミングの増加

前作「ザ・ベスト+」では、全てのボタン入力タイミングが表拍のみであるという新作ゲームも存在していました。こういったゲームは、表拍の一定リズムでボタンを押すだけで簡単にパーフェクトが取れてしまっていました。そのようなお手軽難易度は許さない、とでも言うかのように、本作では裏拍を入力させるゲームが大幅増加。

 

 

例えば、「へくしょいムーン」は、月がくしゃみをするタイミングでボタンを押すゲームです。予告音が「へーくしょん」の場合は必ず表拍、「ひっくし」の場合は必ず裏拍でボタンを押すことになります。表裏が入り乱れ、プレイヤーは混乱すること必至。連続くしゃみや予告音の短縮など、プレイヤーを惑わす仕掛けも多く、咄嗟の判断で裏表を使い分けるのは困難です。

また、「リサイクル」では、コンベアを流れてくる缶が赤の時は必ず表拍、青の時は必ず裏拍でハンマーを振ります。厄介なことに、予告音の発生タイミングは共通して裏拍であるため、またもプレイヤーは混乱必至。

 

高難易度版の「2」では、通常版のゲームに対して裏拍が当たり前のように追加されます。

例えば、「フライングディスク2」では、入力タイミングが全て裏拍となる区間が存在。裏拍でリズムを正確に7カウントせねばならず、どうしてもズレが生まれてしまいます。

また、「雷2」では、赤い雷雲が追加。黄色い雷雲は必ず表拍、赤い雷雲は必ず裏拍で落雷します。連続で落雷した後に別の拍の雷が来ると、切り替えが難しいです。

 

このように、裏拍を織り交ぜたゲーム設計も、難易度を押し上げる要因となっています。

 

リズムの選択肢バリエーションの増加

リズム天国のゲームには、「プレイヤーが事前に覚えたリズムのパターンから、適切なものを選択して入力する」というゲーム性のものが多数存在します。その選択肢が全体的に多めなのが本作の特徴です。

 

例えば、「ダンサー2」では、指示通りの動作でバックダンスを行います。その指示の種類ですが、「ポーズ」「ステップ」「スタート」「ストップ」「フラッシュ」の5種類も存在。連続入力の中で動作を選択するゲームを、私は「連続n択系」と呼んでいますが、指示5種類は連続n択系でも史上最大の多さです*4。

また、「THE A 2」では、「TEA」「SODA」「COCOA」「AAA」「AAAAA」の5種類の入力が存在。「AAA」「AAAAA」は裏拍を複数含んでおり、プレイヤーを惑わせます。

 

このように、選択肢のバリエーションが多いと、リズムの暗記も複雑化し、ゲームの攻略難易度は上がります。

 

視覚からのフィードバックの減少

音だけ聞いていれば理論上はクリアできるのが、リズム天国というゲーム。一方で、視覚からの情報も重要な意味を持ちます。それは、自分の入力のズレが可視化される、という点です。

ミスが嵩むゲームがあるとき、プレイヤーの入力のクセが原因であることが多いです。本来の入力タイミングより「早く入力しがち」なのか「遅く入力しがち」なのか、どちらかの癖が存在しやすいです。自分の入力済みタイミングと正解とのズレが画面に表示されると、プレイヤーは自分の癖を補正でき、結果的にクリアが容易になります。

 

「ザ・ベスト+」では、3DSの2画面を活かし、下画面に入力結果が常に可視化されていました。入力が本来より早ければ左に、遅ければ右に星マークが表示される、というものです。

しかし本作では、ハードウェアの都合からこのシステムは廃止。プレイヤーはミスをしても、入力が早すぎたのか遅すぎたのかの判断がしづらく、失敗を補正しづらくなりました。残るは、画面上の自機や背景の振舞から、遅速を推し量るしかありません。

 

更なる問題は、そもそも自機や背景が常に見えるとは限らない点です。

例えば、「リミックス3」では、「コロコロ行進」の途中に「下ごしらえ」「へくしょいムーン」が挿入されます。「コロコロ行進」中は周囲の招き猫との距離感で遅速が分かりやすいのですが、他のゲームで視界が遮られると距離感が分からず、ミスに繋がってしまいます。

また、「ハードル」では、「バグ」と称して、横スクロールの画面が異常に引き伸ばされるエフェクトが掛かります。そもそもハードルが見えないため、ミスしても遅速の判断ができず、プレイヤーは苦しめられます。

 

このように、ミスを認識できる手段の有無も、難易度に大きく影響します。

 

リミックスが鬼畜

リズム天国シリーズでパーフェクト制覇の鬼門となるのがリミックスステージ。複数のゲームがごちゃまぜで登場するため、思考の切り替えに混乱させられます。本作には、過去最大となる20ものリミックスが収録されており、制覇の壁として立ちはだかります。

特に厄介なのが、全ゲームから無差別にゲームが登場するリミックス。過去作では、無差別級リミックスは1~3個程度*5でしたが、今作ではなんと6個。出題範囲が限定されないリミックスは、慣れるのにも時間がかかります。

 

まとめ

リズム天国 ミラクルスターズでは、下記の要因により、パーフェクト制覇が過去作より一段と難しくなっているように見受けられます。

  • 新作ゲームと高難易度版ゲームのボリューム増加
  • 両手で複数ボタンを使い分ける入力方式
  • 裏拍の入力タイミングの増加
  • リズムの選択肢バリエーションの増加
  • 視覚からのフィードバックの減少
  • リミックスが鬼畜

本作が丁寧に作り込まれた作品であるからこそ、歯ごたえのある難易度がプレイヤーに提供されているのだと言えるでしょう。今後も、やり応えのある作品が制作されてほしいものです。

*1:通常版の「輪くぐり」に対する、難易度アップ版の「輪くぐり2」など

*2:ユニークな新作ゲーム数は、無印:25、ゴールド:24、みんなの:28、ザ・ベスト+:12

*3:参考:「みんなの」では30%

*4:次いで多いのは、「ゴールド」のケロケロダンス2。「通常動作」「ハッハーイ」「ハイハイハイ」「クルリン」の4種類

*5:ファイナルリミックスのみの場合も

カルドセプト ビギンズの高Lvチャレンジステージは何故難しいのか?

カードとダイスで戦うゲーム「カルドセプト」の最新作、「ビギンズ」。ストーリークリア後は、敵のブックが強化された「チャレンジ」モードが解禁されます。チャレンジLv2以上では、敵にハンデが付いた状態の戦いに挑むことに。骨のある難易度で、これぞカルドセプトの醍醐味とも言えます。

このようなハンデ付きステージは、3DS版カルドセプト(以下、3DS版)や、カルドセプト リボルトといった過去作にも実装されていました。過去作の難度もさることながら、ビギンズのチャレンジは輪を掛けて難化しているように見受けられます。

高Lvのハンデを持つ敵と戦う際は、敵が複数の領地を持った状態でゲームが開始します。加えて、敵の通行料と周回ボーナスにも倍率が掛かるため、総魔力が勢い良く伸びます。そのまま普通にプレイしていては、速やかに敵が目標魔力を達成することは必至。そこで、プレイヤー側は残された空き地を確実に確保しつつ、積極的に敵領地に侵略するなどして、逆転を図る必要があります。

しかし、本作のゲームバランスは、敵の先行逃げ切りを悉く有利にする方向に働いています。その要因を、下記では考察してみました。

 

 

チャレンジステージが難しい理由

高すぎる人口密度

今作のチャレンジステージには、同盟戦や4人戦が数多く登場。特に、4人戦は5ステージも存在し、限られた土地を複数人で取り合う熾烈な戦いが繰り広げられます。

例を挙げると、王立ガイデス闘技場の「ダブルハート」では、28しかない空き地を4人で奪い合います。しかも、ハンデLv5ではその内12マスに敵のクリーチャーが初期配置されます。配置される四王はいずれも強大なスタッツを持ち、正面突破は困難。その上、通行料にも+100%のボーナスが乗っており、踏めば即座に魔力マイナスのレベルです。プレイヤーが逆転を狙おうにも、そもそもマップ34マス中で空き地が半分以下しかなく、ろくに領地も確保できません。

こういった、狭い場所での多人数戦が多く、手詰まりに追い込まれるステージが多数登場します。

 

 

厳しいタイムリミット

ゲーム時短を図り、周回ボーナスの算出式が見直された本作。ハンデLv5の敵は、その周回ボーナスが更に2倍され、1000G~2000Gもの莫大な収入を周回ごとに獲得します。得た現金を土地に投資され、物凄い勢いで総魔力が増加。そのまま、早ければ15ラウンドほどで敵がゴールしてしまいます。

対して、プレイヤー側が逆転を狙うには、綿密な下準備が必要になります。敵の拠点を奪うなら、攻めクリーチャーを横付けし、防具を割り、呪いを掛けてから侵略する、など手数が必要。キーカードが揃わずにモタついていると、拠点を複数乱立され、あっという間に敵の目標達成を許してしまいます。敵に追い付くためには、1ターンたりとも無駄な時間を過ごすことは許されません。

 

防具インフレ / 侵略力デフレ気味のカードプール

前作リボルトでは、ゲーム展開高速化のために、従来作の強力すぎる防具が削除されていました。しかし、本作ではそれらのカードが何食わぬ顔で復活。特に、下記のようなカードは、攻撃を完全無効化するものが多く、敵に握られているだけで戦況を硬直化させます。先行逃げ切りの優位を促進する、厄介極まりない脱獄犯たちです。

  • ガセアスフォーム:一時的にAT=0となる代わりに、通常攻撃を無効化する道具。コストが安く、敵が気軽に使用する。
  • ホーリーグレイル:コストはやや高いが、AT=0のペナルティが存在しないため、侵略側が反撃で破壊されるリスクがある。ブラフ侵略でホーリーグレイルを消費させることも躊躇われる。
  • カウンターシールド:攻撃を反射させるため、侵略側が破壊されるリスクが更に大きい。ブラフ侵略は困難。
  • グレムリンアムル:相手の使用アイテムを破壊する道具。防衛側が高HP+地形効果で攻撃をいなすのを補助する。

 

一方で、侵略に有用なカードは数多く削除されています。リボルトにのみ存在したティアマト*1やリビンググローブ*2といった分かりやすい侵略要員が不在なのはもちろん、3DS版時代から存在した伝統的なカードまで削除されています。プレイヤー側の攻めの手段を削る、厳しい措置と言えます。

  • スレイプニル:自クリーチャーを1-2マス移動させる領地能力を持つクリーチャー。移動の自由度が高く、移動侵略の足掛かりとして有用だったが、何故か削除。
  • ゴールドアイドル/ブライトワールド:領地コストを無視してクリーチャーを召喚可能になる全体能力を持つカード。土地数で劣勢なプレイヤー側が、領地コスト持ちの強力な侵略用クリーチャーを召喚するのに有用だった。しかし、ルールの単純化が図られた今作では、全体能力自体の削除に伴い消滅。
  • イクストル/ナパームアロー:無効化能力に対抗する雪辱能力を持つカード。ガセアスフォームやケットシーといった人気の無効化能力持ちに対抗するのに有用だったが、ルールの単純化のため雪辱能力自体が全削除。

 

実質的な1対多の戦い

敵同士が複雑に干渉する挙動も、プレイヤーを翻弄します。

 

本作の3人戦や4人戦では、敵同士が見事に連携するようにブックが組まれているものも多数見受けられます。例として挙げられるのは、チャレンジ4「老練のセプター」。このステージでは、焼きブック使いのゴリガンと、即死ブック使いのガンツ先生との3人戦が展開されます。焼きから逃れるために高HPの防御型クリーチャーを使おうとすると、ガンツ先生のバタリングラムで即死させられるという、悩ましいステージです。

チャレンジ1「王女と近衛兵」のように、敵の受け攻めがハッキリしたステージも難しいです。このステージでは、勝てなくても侵略するタイプのシモンと、援護で守りを固めるイシャラとの3人戦となります。シモンが無謀な侵略でイシャラの高額地に振り込み、2人分の魔力を蓄えたイシャラがゴールする展開となりやすく、プレイヤー1人の努力ではどうにもなりません。

 

更に、同盟戦では、味方の挙動にも悩まされます。チャレンジ13「鉄壁を破る竜」では、テレキネシスで場を攪乱するポポロが同盟相手となります。しかしこのポポロは、折角付けた敵拠点候補のマヒをテレキネシスで解除したり、テレキネシスでプレイヤーの横付けクリーチャーに敵を誘い込んで相打ちさせたりと、恐ろしい挙動をします。

チャレンジ8「危険な奴ら」も大変。このステージの同盟相手は、スペルをブックに1枚も入れないスチームドリル。彼は敵の高額地を足スペルで回避することができないため、放っておくと破産まっしぐら。

 

このように、プレイヤー1人の戦力 VS 敵複数人合算の戦力 で戦わざるを得ないステージも多く、難易度に拍車が掛かります。

 

対策

非常に難易度の高いモードとは言え、今作特有のシステムを上手く利用して、突破の目は存在します。

 

今作特有の新規強カードの活用

過去作のカードはバランスよく調整され尽くしている本作。一方で、新カードは優遇されているのか、強力なカードパワーを持ったものが散見されます。これらを活用すれば、一発逆転の目も見えてきます。

 

 

スケアストーム / アルマゲドン

スケアストームは、AT30以下のクリーチャー全てにマヒを付けるスペル。マヒ撒きの対象が広く、敵の防具を手札で腐らせるのに役立ちます。特に、ハンデLv2~Lv4で初期配置される全クリーチャーを行動不能にできるのが偉い。その他、厄介な援護・先制・無効化持ちの拠点クリーチャーに刺さりやすい点も高評価です。

アルマゲドンは、MHP40以上の全クリーチャーに30ダメージを与える焼きスペル。こちらも、タフな敵拠点を虫の息にできます。

どちらのカードも、侵略の起点として強力。同盟戦では、これを撃っておくと、同盟相手が活き活きと侵略を始めてくれます。

 

コローシブスピア

AT+30に加え、敵の防具と道具を破壊する武器。厄介な敵の防具を無視して敵の領地を奪える、強力な1枚です。強打や貫通持ちにこれを装備すれば、高額地が面白いように落ちます。

 

アビサルモナーク

AT=50の禁術が強力なクリーチャー。敵の無効化防具や地形効果を無視して、高額地を攻め落とせます。加えて、どんな属性の土地を奪っても、地形効果を得られるため、安定感は抜群です。

 

高速なゲームスピードを活かした初手厳選

今作は、対戦の早送りが可能で、ロード時間も短く、プレイヤーのトライ&エラーが行いやすい設計となっています。そこで、序盤の展開が都合の良いものとなるよう、徹底的にリトライを繰り返すのが良いでしょう。最初の1ターン~数ターンをプレイし、下記のような都合の悪い展開となるなら、即リセットで良いと思います。

  • 自分の狙う属性に敵の初期クリーチャーが多数配置される
  • 自分の初期手札に領地コスト無しクリーチャーが少ない
  • 序盤で敵のLv2領地を踏む
  • ダイス4以下が連続する

また、自分の攻めの起点となるカードが序盤で引けない場合も、リセットで良いでしょう。私の場合は、キーカードを引き込むためのファインドやギフトを引けず、ブックが回転しない場合は、潔く投了します。

 

不都合な展開は中断&再開で巻き戻し

本作には、ゲーム中の任意の時点で中断を行える機能が搭載されています。再開時には、プレイヤーまたは対戦相手の手番の最初まで巻き戻ってからスタート。3DS版の中断機能と違って、使用によるペナルティもありません。この機能は、下記のように利用できます。

  • ダイス事故のマリガン。プレイヤーや同盟相手が高額地を踏んだり、敵にキークリーチャーを踏まれたりした際に、リロールできる。
  • 戦闘でのミスのやり直し。能力を誤解してアイテム使用の判断を誤った場合などに、その手番の最初からリトライが可能。

禁じ手にも思えますが、どうしても勝てないときは遠慮なく活用しましょう。

 

まとめ

カルドセプト ビギンズの高Lvチャレンジステージは、下記のような要因により、経験者を唸らせる難易度を備えています。

  • 高すぎる人口密度
  • 厳しいタイムリミット
  • 防具インフレ / 侵略力デフレ気味のカードプール
  • 実質的な1対多の戦い

本作特有の仕様を活用して、攻略を進めていきたいところです。

*1:ST60で対立属性に強打し、侵略成功時に土地属性を塗り替えるという破壊神

*2:ST200越えも狙えるお手軽青天井クリーチャー

フェアリーポケモンのモチーフ分類ーーなぜバリヤードはパントマイマーなのにフェアリーなのか?

フェアリータイプと言えば、ポケモンの中でも花形のタイプです。第6世代からの追加タイプということで注目度は高く、少ない弱点と通りの良い攻め相性で対戦性能にも優れています。何より、空想上の妖精やクリーチャーをモチーフにしたデザインは、ロマンに溢れています。

一方で、なぜフェアリータイプなのかが良く分からないポケモンが居るのも事実です。げっ歯類をモチーフにしたデデンネや、キノコをモチーフにしたマシェード、ウサギをモチーフにしたマリルリなど、現実にありふれていそうな生き物も多数フェアリーに分類されています。果ては、バリヤードのような謎の生物までフェアリーに分類される始末。ゲーフリが何を基準にフェアリータイプを付与しているのか、謎は深まるばかりです。

そこで、フェアリータイプの各ポケモンのモチーフを調査してみました。その結果、ポケモンがフェアリーに分類される判定基準として、大きく次の6パターンが存在すると判りました。以下で、順番に紹介していこうと思います。

なお、以下では各種族の代表として、最終進化形ポケモンを紹介していきます。但し、進化前ポケモンの方がモチーフが分かりやすい場合には、進化前ポケモンを紹介していきます。

 

パターン①:ステレオタイプな妖精がモチーフ

ヨーロッパにおける妖精は、人と神のはざまに位置する超常的な存在、とされています。彼女らは、蝶や鳥の羽が生えた人間の女性の姿をしているのが典型的です。そういった、ザ・妖精なデザインが、フェアリータイプの基本と言えます。

 

ピクシー

ピクシー  

初代からすでに妖精をモチーフにデザインされていたのがピクシーです。羽のような器官が背中にあり、浮遊して移動することができるのは、まさに妖精の特徴。人里離れて暮らし、滅多に目撃例が無い、という神秘性も妖精らしさを醸造しています。

 

アブリボン

アブリボン

妖精の中には人間ほどの大きさを持つものも存在します。一方で、妖精の中でもスプライトと言われる存在は、蝶やトンボのようなサイズを持つ小聖霊です。アブリボンは、まさにスプライトをモチーフにしたポケモンでしょう。

また、西欧の童話に登場する妖精は、しばしば不思議な力を持つ魔法の粉を用います。これは、「fairy dust」と呼ばれます。童話「ピーターパン」で、ティンカーベルが子供たちを浮遊させネバーランドへ誘うために用いたのも、この「fairy dust」です。アブリボンの専用技「かふんだんご」は、攻撃だけでなく味方を癒す効果も持ちますが、恐らく「fairy dust」の神秘性をモチーフにしているのでしょう。

 

ニンフィア

ニンフィア  

ニンフィアのモチーフをハッキリ特定することは難しいですが、恐らく英名「Sylveon」から見るに、風の精霊シルフ(Sylph)でしょう。シルフは時にフェアリー、スプライトとも同一視される存在で、優美な人間の少女の姿をしているとのこと。リボンが風にたなびくニンフィアのイメージにそぐいます。

 

シュシュプ族

 

シュシュプ 

シュシュプのモチーフも推測が難しいですが、英名「Spritzee」から見るに、スプライト(Sprite)でしょう。アブリボンと同じく、小さな精霊を描いたポケモンです。

 

パターン②:海外の民話のクリーチャーがモチーフ

「蝶のような少女」という典型的な妖精以外にも、海外の民話には、不思議な精霊やクリーチャーが多数登場します。そういった超自然的な存在をモチーフにしたポケモンが、フェアリータイプに分類されている例も数多く見受けられます。

 

モンメン族

モンメン  

モンメンは、羊の姿をしたフェアリーポケモンという、謎深いキャラクター。そのモチーフは、木綿の原料として西洋で信じられていた幻獣「バロメッツ」でしょう。

中世ヨーロッパでは当時、木綿の製造法が知られておらず、人々は「木から実った羊から採れた綿である」と想像したとのこと。そのような思い違いから、植物と羊が融合した幻獣バロメッツの伝説が生まれました。そのようなクリーチャーが、羊の妖精としてポケモンに取り入れられたのが、モンメンだと考えられます。

なお、対となる草タイプポケモンであるドレディアは、恐らく木の精霊ドライアドがモチーフですが、フェアリータイプを有していません。バランス調整のため、タイプを散らしているのでしょうか。

 

メレシー・ディアンシー

メレシー 

メレシーとディアンシーは、額に宝石を持つ可愛らしいポケモン。彼らのモチーフは、南アメリカの民話に伝わる幻獣カーバンクルでしょう。カーバンクルは、犬や猫のような姿の、額に宝石を有する生物で、人に富をもたらすと言われます。宝石を求めて乱獲されるメレシー、ディアンシーと設定は共通します。

また、「○○シー」という接尾語は、英語圏で妖精を意味します。犬の妖精「クー・シー」、猫の妖精「ケットシー」、水辺の妖精「バンシー」などがその例です。メレシー、ディアンシーのネーミングも、ダイレクトに妖精を意識しているようです。

 

クレッフィ

クレッフィ 

クレッフィは、鍵を勝手に持っていく習性を持つという迷惑なポケモン。そのモチーフは、ヨーロッパに伝わる「いたずら小人」でしょう。ヨーロッパでは、鍵などの小物を紛失した際、悪戯好きの小人のせいにするという迷信があります。鍵を集め回る小人として、クレッフィがデザインされたのでしょう。

 

デデンネ

デデンネ 

デデンネは、電波を操る力を持つ、前歯が発達したげっ歯類。そのモチーフは、西洋に伝わる歯の妖精(Tooth Fairy)でしょう。

フランスの民間伝承では、子供の乳歯が抜けた際、それを枕の下かベッドサイドの机の上に置いておくと、寝ている間に歯の妖精がコインと交換してくれる、と言われています。歯の妖精は、一説ではネズミの姿をしているとも言われています。これをデザインに取り込んだのが、デデンネでしょう。

また、デデンネのモチーフはヤマネという説もあります。ヤマネは別名「森の妖精」とも言われている点から、フェアリータイプになったのかもしれません。

 

アシレーヌ

アシレーヌ 男を惑わす「美女」セイレーン | 中世ヨーロッパの道

アシレーヌは、魚のヒレのような下半身を持つ、美しい歌声のポケモン。その名前の由来は、アシカ+セイレーンでしょう。

セイレーンは、ギリシャの伝説に登場する海の怪物です。半人半魚の姿をし、岩礁の上から美しい歌声で航路上の船員たちを惑わすとされています。歌声に魅了された水夫は、船を難破させられた挙句、セイレーンに喰い殺されると言われています。

但し、アシレーヌは御三家であり、元ネタのようなホラー設定は似合いません。踊りと水風船で美しく戦う歌姫として、美麗に描かれています。

 

ガラルギャロップ

ギャロップ

ガラルギャロップは、原種より立派な角を持つ馬のポケモン。そのモチーフは、幻獣ユニコーンでしょう。

ユニコーンは、毒を中和する力を有する角を持つと言われており、これがガラルギャロップの特性「パステルベール」の元になったと考えられます。また、ユニコーンはスコットランドの伝承に登場する生物であり、グレートブリテンをモチーフにしたガラル地方にはピッタリです。このような幻獣のイメージから、フェアリータイプが付与されたのでしょう。

 

ガラルマタドガス

 

マタドガス  

ガラルマタドガスは、頭から煙突を生やした髭面のマタドガス。

煙突の部分については、かつてイギリスで運行されていた、通常型タンク機関車を2つ連結した「フェアリー式機関車」が由来とされています。なお、この「フェアリー」とは、考案者のロバート・F・フェアリー(Robert F.Fairlie)に由来するとされ、妖精とは関係ありません。

また、髭を生やした見た目は、アイルランドの精霊レプラコーンを連想させます。帽子とコートを身に着けた紳士的な出で立ちの小人とされ、ガラルマタドガスのデザインとも一致します。

このような2つの面から、ガラルマタドガスがフェアリータイプになったと考えられます。

 

オーロンゲ

オーロンゲ 

オーロンゲ族は、西洋の悪魔および怪物がモチーフであるようです。名前から推測するに、ベロバー(Impidimp)はインプ(Imp)、ギモー(Morgrem)はグレムリン(Gremlin)、オーロンゲはオーガがモチーフでしょう。

オーガはヨーロッパの伝承に登場する種族で、人を攫って生肉を食べるなど、残忍な怪物です。絵画などでは毛むくじゃらの髪と髭を持つ大男として描かれ、これがオーロンゲの毛を操る能力に繋がっていると考えられます。

 

デカヌチャン

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デカヌチャンは、小柄な体型と、鉄の武器を自分で作成するという習性を持つポケモン。モチーフは、ゲルマン民族の民話に登場する伝説上の種族、ドワーフでしょう。

ドワーフは、人間よりも背丈が小さく、高度な鍛冶と工芸の技能を持つ種族であり、デカヌチャンの習性と一致します。但し、ドワーフは本来男性だけの種族と言われており、♀のみのデカヌチャンとはややイメージが外れます。

 

ハバタクカミ

 ハバタクカミ

ハバタクカミは、ムウマの古代の姿とされるポケモン。そのモチーフは、北アメリカ大陸の先住民族の伝承に登場する聖霊フライングヘッド(flying head)と考えられます。

頭部だけで空を飛び、髪をたなびかせているビジュアルは、ハバタクカミと類似するところがあります。また、先史時代の未確認生物という点でも、古代パラドックスポケモンのハバタクカミと共通します。

 

サケブシッポ

サケブシッポ

サケブシッポは、数十年前の雑誌で未確認生物として取り上げられた、生態不明のポケモン。元ネタは、「Bat Boy」ではないか、と言われているようです。

「Bat Boy」は、アメリカのタブロイド紙で取り上げられた、半分人間、半分コウモリの未確認生物です。牙を生やし叫び声を上げるという習性が、サケブシッポと一致します。この記事は当然ながら真偽が非常に怪しいものと見なされており、スカーレットブック(バイオレットブック)が真偽不明とされている点と共通します。

 

グランブル

グランブル  

グランブルは、ブルドッグなのにフェアリータイプという、謎深いポケモン。第2世代で登場した際に分類が「ようせいポケモン」であった点からフェアリータイプが付与されたものと想像できますが、では当時のゲーフリはどういう意図でブルドッグを「ようせいポケモン」に分類したのでしょうか。

単純に、ブルーが女性人気のあるポケモンであることから、妖精としたのかもしれません。他に、世界各地に伝わる犬の精霊のイメージを取り入れたのかもしれません。例えば、アイルランドの伝承に登場する妖精たちの番犬である「クー・シー」や、ドイツの伝承に登場する2足歩行の犬の精霊「コボルト」が、グランブルの設定に繋がっているのかもしれません。

 

パターン③:自然現象がモチーフ

古代の人々は、その時点での科学的知見で説明の付かない自然現象を目の当たりにした際、それを超自然的な生き物に由来するものであると想像力を巡らせてきました。そういった伝承に着想を得たポケモンが、フェアリータイプに分類されていると考えられます。

 

アローラキュウコン

キュウコン

アローラキュウコンは、雪山に住むキュウコンのリージョンフォーム。そのイメージは、フィンランドの伝承に登場する、オーロラを生むキツネ「トゥリケトゥ(tulikettu)」から来ているのかもしれません。

伝承では、トゥリケトゥの尻尾から発された火花が燃え広がり、これが空に上がるとオーロラが生まれる、とされています。尻尾から火を起こす原種キュウコンのイメージと合わさり、アローラキュウコンが生まれたのでしょう。そして、雪原の精霊というイメージから、氷/フェアリータイプとなったのでしょう。

 

 

マシェード

マシェード  

マシェードは、森の中で夜に光を発するキノコポケモン。これは、「狐火(foxfire)」と呼ばれる、生物発光現象がモチーフでしょう。

腐敗した木材に生息する一部の菌類が、酵素で栄養を酸化させる際、蛍光色の光を発するとのことです。この光は、昆虫を引き寄せて胞子を拡散させるためのものと考えられています。光で旅人やポケモンを迷い込ませるマシェードの習性と似ていると言えるでしょう。また、この狐火は「妖精の火」とも呼ばれ、マシェードのフェアリータイプの由来になったと考えられます。

 

プクリン

プクリン月の兎 - Wikipedia

プクリンは、月の石で進化する、ウサギのような耳を持ったポケモン。

月面にはクレーターの存在により黒い模様が見えますが、アジア圏ではこの模様の理由について、「月にウサギが居るから」とする伝承が昔からありました。月のウサギをポケモン化したものがプクリンでしょう。

 

パターン④:神・神話がモチーフ

従来の作品では、海の神ルギアや森の神セレビィなど「神様そのもの」は、超常的な力を持つエスパータイプに分類されてきました。一方で、「神獣」や「神の使い」といった性質を持つポケモンは、フェアリータイプが付与される傾向にあるようです。

世界の神話をモチーフにしてデザインされたポケモンについて、詳しく見ていきます。

 

カプ神

アローラ地方の4つの島の守り神であるカプたち。そのモチーフは、ハワイ神話上の四大神でしょう。

四大神とは、戦いの神「クー」、生命の神「カネ」、農業の神「ロノ」、海の神「カナロア」です。順に、カプ・コケコ、カプ・テテフ、カプ・ブルル、カプ・レヒレに当たります。これらの神々が象られた木の彫像は「ティキ像」と呼ばれ、カプたちの工芸品のような外見の由来となったと考えられます。

カプたちは、鶏や牛など、動物の姿をしています。同様に、四大神も、動物の姿に化身して現世に現れるとされています。こういった神獣としてのイメージが、カプたちのフェアリータイプの由来でしょう。但し、現実の神獣が姿を変える先は、カプのように鶏や牛などではありません。そもそも、ユーラシア大陸原産の鶏や牛を、古代ハワイの人々が知るはずがありません。カプたちの動物の姿は、神話とは関係のない、ゲーフリによる後付けでしょう。

 

ゼルネアス


ゼルネアス  

ゼルネアスは、生命の力を司る、シカのような姿の伝説のポケモンです。

XYの伝説のポケモンは、北欧神話をモチーフにしていると考えられます。北欧神話では、世界樹ユグドラシルには神獣たちが住むとされます。具体的には、世界樹の頂上に住む蛇ヨルムンガンド、世界樹の周囲を飛び回る鷹フレスヴェルグ、そして世界樹の根元で新芽を食む鹿エイクスュルニルです。それぞれ、ジガルデ、イベルタル、ゼルネアスの元ネタと推測できます。

 

トゲピー族、メガタブンネ

トゲチック  

トゲピー族のモチーフは全体的に謎が深いですが、どうやらトゲピー(鳥の卵)→トゲチック(鳥の羽)→トゲキッス(平和の鳩)、のような進化系統となっている様子。中でもトゲチックは、鳥の羽が生えた、幼児のように無邪気な外見が特徴。モチーフは明確ではありませんが。恐らく天使でしょう。神様そのものではなく、神の使いということで、フェアリータイプが付与されているようです。

 

メガタブンネ

「天使」繋がりでは、メガタブンネも「白衣の天使」イメージでフェアリータイプが追加されているのでしょう。聴診器のように見える触覚や、医療用服の裾のように見える体毛は、まさにナースそのものです。

 

フラージェス

フラージェス  

フラージェスは、花畑を守るフェアリーポケモン。花に住む妖精というのは西欧の一般的な概念であるため、どの妖精がフラージェスのモチーフであるかを特定することは難しいです。

「花園を守るために一生を捧げる」というフラージェスの生態と類似するのは、ギリシャ神話に登場する花の精霊アンソウサイ(Anthousai)です。アンソウサイは自然の精霊ニンフの一派であり、「花と命をともにする」と言われています。

 

ラブトロス

ラブトロス けしんフォルム|ポケモンずかん

ラブトロスは、亀のような霊獣フォルムと蛇の巻き付いた化身フォルムの2つの姿を持つ、豊穣を司る伝説ポケモン。コピペロスたちが中国の四神をモチーフにしていることを鑑みれば、霊獣フォルムのモチーフが玄武であることは明白です。

では、化身フォルムのモチーフは何なのか。その答えは、日本で中世以降に信仰されている、宇賀神と考えられます。宇賀神は豊穣を司る蛇の化身とされ、頭部は女性とも言われるなど、ラブトロスの設定と共通点が多数存在します。

亀や蛇といった神獣のイメージから、フェアリータイプが付与されているのでしょう。

 

ザシアン

ザシアン 

過去にガラル地方を襲う災厄「ブラックナイト」を打ち破ったという伝説のポケモン。

ガラル地方の伝説ポケモンは、アーサー王伝説から着想を得ていると言われています。ザシアンはアーサー王の剣「エクスカリバー」、ザマゼンタはアーサー王の盾「ウィンブグルトゥッチャー(Wynebgwrthucher)」、そしてムゲンダイナはアーサー王の父が目撃した竜の姿の彗星がモチーフと考えられます。エクスカリバーは、「湖の貴婦人」と呼ばれる妖精がアーサー王に授けました。このエピソードから、ザシアンがフェアリータイプとなり、「ザマゼンタの姉」という設定が生まれたと考えられます。

 

パターン⑤:日本の妖怪・人形がモチーフ

西洋の妖精と言えば、気まぐれで悪戯好きな性格ゆえ、人間には利益も害も及ぼします。日本の妖怪も、時に人間に幸せを与えつつ、時には祟りをもたらすというものがおり、まさに西洋の妖精と同じ性質を持ちます。そのイメージから、妖怪モチーフのポケモンがフェアリーに分類される例もある様子です。

 

バリヤード

バリヤード   A wooden marionette puppet with attached strings and a control bar stands against a plain white background. The puppet is jointed, with visible strings, suggesting the concept of control or manipulation. The image is well-lit, with a focus on the details of the puppet. Jointed puppet illustrations

バリヤードはパントマイムの得意なポケモン。関節が球体状になっている所から、球体関節の操り人形をイメージしていると考えられます。無生物である人形がポケモンという生物となっている点から、物に意識が宿って生まれる妖怪「付喪神」がモチーフと想像できます。

付喪神は、「自分を捨てた人間に復讐する」という害の面と、「仏教に帰依し、仏門の教えを人間に示唆する」という利の面を持ちます。人間に利害双方をもたらすイメージから、フェアリータイプが適しているのでしょう。

なお、器物に魂が宿って生まれるポケモンは多く存在しますが、フェアリータイプ以外にも、エスパータイプ、悪タイプ、ゴーストタイプに分類されがちです。それらの切り分けは、以下のようになっている印象です。

  • 人間に利を多くもたらす場合:エスパータイプ(例:ドータクン)
  • 人間に害を多くもたらす場合:悪タイプ、ゴーストタイプ(例:チオンジェン、ギルガルド)
  • 人間に利害双方をもたらす場合:フェアリータイプ

 

クチート

クチート 二口女 - Wikipedia

クチートは、後頭部から巨大な第二の口が生えているというポケモン。そのモチーフは、後頭部に口を持つ妖怪「二口女」でしょう。

同じ妖怪という点では、天狗がモチーフのダーテングや、ヤマタノオロチをモチーフにしたサザンドラなど、悪タイプを有するものも居ます。不運の前兆と言われる天狗や、生贄を要求するヤマタノオロチは、悪タイプに繋がるのも納得です。一方、二口女は、人間に危害を及ぼすという記述は比較的少なめ。その点から、悪タイプでなくフェアリータイプを付与されているのでしょう。

 

ラルトス族

ラルトスボード「紙人形」に最高のアイデア 59 件 | 紙人形, 折り紙 着物, 折り紙 人形

ラルトスは、おかっぱのような頭部と、着物の裾のような脚部をした、紙のように白いポケモン。これらの特徴は、厄除けとして作られる紙人形と一致します。

紙人形には「子供への災厄の身代わりになる」と信じられている面がありつつ、人形そのものには「身代わりにされた人形が人間に復讐する」と恐れられている側面もあります。利害双方のイメージから、フェアリータイプがそぐうのでしょう。

他に、進化形のサーナイトは「身を挺して主人を守る」という設定を持っており、守護天使のイメージも入っているかと思います。

 

マギアナ

マギアナ 

なぜフェアリータイプか、由来のよく分からないポケモン。機械仕掛けのポケモンという設定を持つことから、からくり人形イメージで、ラルトスと同様にフェアリータイプが連想されるのかもしれません。

 

パターン⑥:お菓子がモチーフ

ポケモンの中には、現実に存在するお菓子をモチーフにしたものが存在しています。お菓子の小さく可愛らしいイメージが妖精とマッチするからなのか、彼らはフェアリータイプに分類されることが多い様子。

なお、このパターンに関しては、妖精との関連が非常にあやふやで、憶測を多分に含みます。

 

マリルリ

マリルリ

マリルリは、兎のような耳と、水玉模様の胴体を持つ、卵形のポケモン。そのモチーフは、イースターエッグでしょう。

イースターとは、キリスト再誕を祝う西洋のお祭り。生命力の象徴たる卵と、繁殖力を表すウサギを象った、「イースターエッグ」を飾る風習があるとのことです。そして、そのイースターエッグの形をした砂糖菓子やチョコレートを食べる風習があるとのこと。

以上より、お菓子イメージで、第6世代からマリルリにフェアリータイプが追加されたのでは、と思います。

 

ペロッパフ族

 ペロッパフ

ペロッパフは、綿菓子をイメージしたポケモン。

綿菓子が初めて発売されたのは、1897年、アメリカのテネシー州でのこと。当初の商品名は、「fairy floss」というものでした。ここから、ペロッパフがフェアリータイプとなったのではないかと思います。

 

バウッツェル

バウッツェル 

バウッツェルは、ドイツ発祥の香ばしい菓子パンであるプレッツェルと、パピヨンという犬種の犬をイメージしたポケモン。

パピヨンは、フランス語で「蝶」の意味であり、その耳はまさに蝶の羽。蝶と言えば、西洋では妖精のモチーフです。お菓子と蝶の双方のイメージが、フェアリータイプと結び付いているのでしょう。

 

マホイップ

マホイップ

マホイップは、ホイップクリームを纏った謎のポケモン。お菓子と言えばフェアリー、ということでフェアリータイプを付与されています。

 

分類不明

キュワワーブリムオン

メガチルタリスキチキギス

モチーフに想像を巡らせても、なぜフェアリーなのか説明の付かないポケモンも多いです。

  • 花輪がモチーフだが、草ではなくフェアリーであるキュワワー
  • 魔女がモチーフだが、何故かフェアリーであるブリムオン
  • 幸せの青い鳥がモチーフと思われるが、何故かフェアリーであるメガチルタリス
  • 桃太郎のキジがモチーフだが、何故かフェアリーであるキチキギス

恐らく、他のポケモンとタイプを散らしたり、新規複合を登場させたり、といった開発上の理由でフェアリーになったのでは、と思われます。

 

まとめ

フェアリータイプのモチーフを、「ステレオタイプな妖精」「海外の民話のクリーチャー」「自然現象」「神・神話」「日本の妖怪・人形」「お菓子」という6つに分類していきました。

フェアリータイプは可愛らしく華やかで、バトルでの性能も面白いものです。今後も、どんな魅力的なフェアリーポケモンが登場するのか、第10世代以降に期待が高まります。

ファイアーエムブレム万紫千紅 初報PV考察【②戦闘システム】

前回に続き、今回は「ファイアーエムブレム 万紫千紅」の戦闘システムを考察していきます。

 

新システム「ブレイズアーツ」

本作の新システムで、戦闘コマンドからHPを消費して発動する技。PV内では、ディートリヒが移動補助に用いています。「攻撃」や「命中」というパラメータが存在することから、補助系のみならず攻撃系のブレイズアーツも存在するのでしょう。

 

ブレイズアーツには「絆焔値」というパラメータが設定されており、使用するとユニットの顔グラ右上のゲージが蓄積されるようです。

 

レダのブレイズアーツ「召獣の歌」は、魔獣を召喚するという強力なもの。注目すべきは、ステータスの「Req」という項目。恐らく、「Require」の略でしょう。つまり、ゲージの右半分が溜まっている場合にのみ発動可能な大技、と考えられます。

つまり、ブレイズアーツで絆焔値を溜めていき、大技を発動する、といったゲージ管理が大事になるゲーム性と思われます。

 

今のところ絆焔値が溜まるブレイズアーツしか登場していませんが、絆焔値を消費して強力な効果を発揮する必殺技、なども登場するかもしれません。

 

なお、武器にも新たなパラメータ「怨呪力」が付加されています。ゲージのマークが付いていますが、PVでの発動タイミングは無し。ゲージの蓄積を加速したり、ゲージを消費して攻撃したり、といった効果があるのかもしれません。

 

オリジナリティ溢れる新兵種

PV内では、過去作には登場しなかった新兵種がいくつか確認できます。

 

まず、カイの兵種「飛駝兵」。駝鳥(ダチョウ)に乗った騎士のようです。移動タイプは、クラス名の横のアイコンの通り、騎馬である様子。飛べたりするわけでは無いようですが、CCすると飛行兵種になったりするのでしょうか。

気になるのは、レベル表示の左側にある特効マークと思しきもの。「青銅の槍」の騎馬特効マークとは異なる、ダチョウの顔のような専用のマークになっています。ダチョウ特攻のようなものを受ける兵種、ということでしょうか。そうだとすると不憫すぎますが。。。

 

カイと戦闘している相手の兵種は「戦車兵」。馬に引かせた台車から弓を射る兵種です。風花雪月のアーチャーと比べると、近距離反撃してこないだけ温情的。

史実では、ローマ帝国のコロッセオにおいて、見世物としてチャリオットによる戦車競走が行われていました。世界観にマッチした兵種と言えるでしょう。

 

その他、敵軍に「猟兵」という兵種が確認できます。英語名から判断するに、過去作のハンターに相当する、弓系の軽歩兵でしょう。

弓兵が剣を装備していることから、風花雪月同様、兵種による装備武器の縛りは無いのでしょう。

 

風花雪月を引き継いだ戦闘システム

その他の戦闘システムは、風花雪月をベースとしているようです。戦技や計略といった、風花雪月で活躍したコマンドは続投。騎士団に関しても、セオドラやその敵が装備している様子が確認できます。

計略「攪乱」に関しては、風花雪月ではあまりに酷い性能だったため、万紫千紅では攻撃範囲が広くなったバージョンが実装されている様子。

 

その他、戦闘システムは全般的に、最新作のエンゲージでなく、過去作の風花雪月に準拠している様子です。

騎乗兵は「降りる」コマンドを選択可能。また、武器のアイコンが色無しであることから、3すくみは事実上廃止されたままの様子。武器耐久度までしれっと復活しており、その耐久度も異様に低いです。

 

エンゲージで折角調整された戦闘システムを、風花雪月準拠に退行させてしまうのは、ゲームバランスとして気になるところです。3すくみが無いとレベルのゴリ押しが横行しますし、武器耐久度が存在するとレア武器を出し惜しんでしまいます。

 

エンゲージ、FEHからの逆輸入

一方、エンゲージやFEHからのゲームシステムの輸入も見受けられます。

マップ上での籠手のアイコンは、エンゲージの格闘に似たものとなっています。

FEエンゲージ】体術一覧【ファイアーエムブレムエンゲージ】 - アルテマ

 

それに伴ってか、エンゲージと同様に、念願の籠手専門の女性ユニットが誕生。シスターらしき人物に、籠手のアイコンが付いています。

 

上記と同じシスターと見られる人物が、ディートリヒと交戦するシーン。風花雪月のゴツい籠手は女性には向かないと思われたのか、トンファのような黒い鈍器を手に装備しています。序盤から籠手メインで戦う聖女キャラとは、性能が楽しみです。

(エンゲージのフランのように、攻撃性能が終了しているユニットでないと良いですが…)

 

他にも、ディートリヒのブレイズアーツに、「影滅」という項目が存在。FEHにも同名の奥義が存在しており、逆輸入された技である可能性があります。英語名も、万紫千紅版・FEH版ともに「Umbra Calamity」であり、明らかにFEHを意識して作られていることが伺えます。

FEH版での効果は、「敵に範囲ダメージを与え、敵と位置を入れ替える」というもの。敵の陣形を崩す上で効果を発揮します。万紫千紅でこれが使えるようになれば、非常に面白い活躍をしてくれるでしょう。

FEHには個性的なスキルが数多く実装されており、風花雪月やエンゲージにも多く逆輸入が行われています。万紫千紅でも取り入れられれば、ゲームに彩りが加わることでしょう。

 

まとめ

新作の戦闘システムは、風花雪月をベースとしつつ、新システム「ブレイズアーツ」を取り入れたり、エンゲージやFEHの要素も一部引用するなど、随所に進歩が見られます。特に、テクニカルなゲージ管理の求められそうなブレイズアーツは、ゲームの戦略性を増強してくれそうで、興味深いです。

今後も、万紫千紅の続報を、首を長くして待ちたいところです。

ファイアーエムブレム万紫千紅 初報PV考察【①世界観】

先日のニンテンドーダイレクトにて、ファイアーエムブレムの完全新作が発表されました。今回も、初報PVを舐めるように見回し、ゲームの詳細を考察していきます。

 

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風花雪月ライクな世界観

本作には、前々作「風花雪月」の世界観を継承する要素が、至る所に散りばめられています。

例えば、主人公と思しきカイのスキル欄には、風花雪月に登場した「オーバンの紋章」と同じマークが存在。また、主要キャラと思われるディートリヒは、「ラミーヌの紋章」の紋章石が嵌められた剣を所持しています。加えて、PV中に登場する神官風の仮面キャラの胸元には、「ノアの紋章」のペンダントが。

 

更に、ディートリヒが所持している剣は、英雄の遺産であるとの記載が。但し、過去作には登場したことの無い遺産です。

 

PVのラストには、ソティスを少し成長させたようなキャラクターが登場します。「久しいのう」との発言から、成長したソティスなのかもしれません。

ただ、台座のデザインはソティスの物と少し違うため、ソティスと同じ竜族の別人の可能性もあります。

風花雪月初見記12【メインストーリー:深淵の玉座〜戦乱の幕開け】|Lynca

 

古代ローマ的な文化観

水道橋の引かれた大都市、カタパルトの置かれたコロシアム、ローマのレギオンのような兜を被った闘士。ローマ帝国を彷彿とされる世界観が目を引きます。

 

敵兵種にはチャリオットが存在し、主人公は青銅どころか「木製の剣」を使っているなど、過去作より時代を遡った世界観。中世の技術レベルを有していた風花雪月と比べると、明らかに退行した古代の技術レベルです。

風花雪月より過去の世界なのか、もしくは文化の遅れた周辺地域が舞台なのか、と推察されます。

 

四つの勢力と味方ユニットの考察

PVには、物語の主要人物と思しき、飛駝騎士カイ、貴族セオドラ、剣士ディートリヒ、猟兵レダの4人が登場します。彼らは、それぞれ異なる目的を持って戦いに挑んでいる様子。

  • カイ:父親を助けるためにダグシオン大剣闘祭に出場する
  • セオドラ:"サラミスの民"を導く王として、信仰を守るために力が必要
  • ディートリヒ:何らかの宿敵が居る様子
  • レダ:「殺しても足りないほど憎い男が居る」とのこと


4人の名前の横には、青、黄、黒、赤の4種類の旗印が。これが、本作における4つの勢力ではないかと考えられます。PV上でユニットの顔グラフィックが確認できるカイ隊、セオドラ隊、ディートリヒ隊を見てみると、ユニットがそれぞれ異なっていることが分かります。風花雪月の3学級のように、プレイヤーが選択した勢力によって、使えるユニットも異なってくるのかもしれません。

風花雪月は3つ巴の勢力に分かれての戦いでした。本作ではそれをスケールアップし、4つ巴の勢力図となっているのかもしれません。

 

興味深いのは、一部のユニットが複数の勢力に跨って登場している点です。

  • 七三分けの魔導士の男(□)は、セオドラ隊では自軍、カイ隊では友軍として登場している。風花雪月の課題協力のように、他勢力のユニットも一時的に使用できる?
  • 目に傷を負ったオレンジ髪の剣士の男(□)は、カイ隊、セオドラ隊、ディートリヒ隊の3つに自軍として参加している。風花雪月のセイロス騎士団員のように、全勢力で仲間入りするユニットも居る?
  • カイ自身とその仲間の少女(□)すら、レダ隊に友軍として参加している。風花雪月の級長ポジションであっても、完全な敵対関係という訳でなく、協力を取り付けることができる?

このように、風花雪月のような自軍編成の自由度は保証されていると予想できます。

 

竜族の影響を大きく受けた地?

PVの最初で、「ダグシオン大剣闘祭」の開幕を宣言している男。

同じ声で「最後まで舞台に残ったものには、あらゆる願いを聞き届けることを、神威法王の名において約束しよう」とのセリフがあることから、この世界における宗教のトップであるようです。

また、緑かかった髪と尖った耳は、過去作における竜族の象徴。風花雪月の大司教レアと同様に、この世界でも、教団の最高権力者は竜族なのだと推察されます。

風花雪月では、竜族からの人間の自立が、テーマの一つとして描かれました。権力者が竜族であるという設定からは、また新たなドラマが生まれそうです。

 

本作の舞台はどこか?

本作の世界は、風花雪月のフォドラと、どのような関係があるのでしょうか。PV中には「ダグシオン」「サラミス」といった地名が登場しますが、いずれも過去作に登場した地名ではありません。そうなると、本作の舞台とフォドラとの関係として、可能性は下記の3つに絞れるでしょう。

  • 別時代フォドラ(過去or未来)
  • 同時代のフォドラの周辺地域
  • フォドラとは別世界

人類の技術レベルが風花雪月より退行していることから、別時代であれば過去でしょう。特に、ソティスは「本来の姿は大人の女性」という設定が存在するため、ソティスが力を失う前の太古の時代と考えると噛み合います。但し、1000年前から存在したアドラステア帝国が登場しない点や、ナバテアの虐殺以前は存在するはずのない英雄の遺産が登場する点で、太古設定には矛盾が残ります。

では、フォドラと同時代の別地域と考えればどうでしょうか。フォドラの周囲には、パルミラ、ダグザ、モルフィスといった広大な周辺地域が広がっています。それらの地域であれば、フォドラの国家が登場せず、異なる文化が存在することも頷けます。特に、4人の主要キャラ中、カイ・セオドラ・レダの3人が褐色肌をしている点が気になります。過去作で褐色キャラを多数輩出している砂漠地帯パルミラが、本作の舞台なのかもしれません。

最後に、「異界設定」という可能性もありうるでしょう。「エンゲージ」の「邪竜の章」のように、フォドラと似た世界観を持つもう一つの世界、という可能性です。

 

まとめ

初報PVから、最新作の世界観を考察しました。

世界設定が練られていると好評だった風花雪月を踏襲し、正統進化させたかのような世界観。過去作さながらの重厚なストーリーの展開に、期待が高まります。

 

次回は、戦闘システムについて考察していきます。

戦略性のある対人戦ゲームとは何か?ーー「属性の3すくみ」と「戦術の3すくみ」

近年、ネット対人戦ゲームはますます人気を集めています。動画配信やeスポーツの隆盛に伴い、ゲームに求められるものも多様化しています。その中でも特に重要視される要素は「戦略性」です。

では、「戦略性のあるゲーム」とは何なのでしょうか。単なる運や反射神経だけでなく、プレイヤー同士の駆け引きや読み合いが生まれるゲームには、どのような共通点があるのでしょうか?

本記事では、「戦術の3すくみ」という観点から、対人戦ゲームの奥深さについて考察します。ジャンケンのような単純な強弱関係を超え、プレイヤーの選択や心理戦が絡み合うゲームデザインの魅力を、具体例を交えて解説します。

 

属性の3すくみとその課題

多くのゲームでは、特定のキャラクターやスキルが一方的に強くなりすぎないよう、何らかの「3すくみ」構造が導入されています。最も分かりやすいのは「属性の3すくみ」です。例えば、ポケモンシリーズでは「草→水→炎→草」という属性の強弱関係が有名です。草タイプは水タイプに強く、水タイプは炎タイプに強い、炎タイプは草タイプに強い、という循環構造です。

このような属性関係は一見戦略的に見えますが、ジャンケンと同じく運の要素が強くなりがちです。相手の選択を読んで有利な属性をぶつけることができれば勝てますが、結局は「当てっこ」になりやすく、戦略性が薄くなってしまうこともあります。プレイヤーが飽きやすい原因の一つです。

「属性の3すくみ」のみが存在するゲームの例。たまたま有利属性のキャラや技を出せるかの運ゲーになりやすく、戦略性を損ないやすい。

 

そこで、より深い戦略性を持たせるために、「戦術の3すくみ」が導入されているゲームが多く存在します。これは、単なる属性やキャラ選択だけでなく、プレイヤーの行動や戦術そのものに強弱関係が生まれる仕組みです。相手の戦術を見て自分の戦術を変える、あるいは相手に読まれないように工夫する、といった駆け引きが発生し、ゲームに奥深さが加わります。

以下、いくつかの代表的なゲームジャンルを例に、「戦術の3すくみ」がどのように機能しているかを見ていきましょう。

 

戦術の3すくみ

ポケモン対戦における3すくみ

画像・写真 | ポケモンバトルの戦況、AIで可視化 ツール開発で観戦文化の普及へ 2枚目 | ORICON NEWS

 

ポケモン対戦では、属性の3すくみだけでなく、パーティ構築や戦術にも3すくみが存在します。代表的なのは「対面構築」「サイクル構築」「積み構築」の3つです。

  • 対面構築:最もシンプルな戦法で、ステータスや技が強力なポケモンを揃え、1体ずつ相手を速攻で倒していくスタイルです。攻撃力と素早さを重視し、相手より先に倒すことを目指します。
  • サイクル構築:対面構築に対しては、高い防御力や回復技を持つポケモンで攻撃を受け切り、交替を駆使して有利な相性で受け続けます。毒の定数ダメージや、試行回数を稼いだ一撃必殺技、時間切れによる判定勝ちなど、持久戦での勝利を狙うのが特徴です。
  • 積み構築:サイクル構築に対しては、能力アップ技(「つるぎのまい」や「りゅうのまい」など)で攻撃力を大幅に上げ、回復量を上回る超火力で一気に突破を狙います。「起点作り役」を用意し、積みの隙を作るのが一般的です。準備中は無防備ですが、決まれば一気に勝負を決められます。

この3つの戦術は、以下のような関係性を持っています。

  • 対面構築はサイクル構築に弱い(攻撃を受け切られ、回復される)
  • サイクル構築は積み構築に弱い(能力アップで突破される)
  • 積み構築は対面構築に弱い(準備中に速攻で倒される)

このように、単なる属性の有利不利だけでなく、パーティ全体の戦術選択や試合中の駆け引きが勝敗を左右します。相手の構築やプレイングを読み、自分の戦術を柔軟に変えることが求められるのです。

 

カードゲームにおける3すくみ

三すくみを崩す|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

カードゲーム(例:ドミニオン、遊戯王、マジック:ザ・ギャザリング、シャドウバースなど)でも、戦術の3すくみが明確に存在します。代表的なのは「アグロ」「コントロール」「コンボ」の3タイプです。

  • アグロ:序盤から攻撃的に動き、相手の準備が整う前に速攻で勝利を目指すデッキタイプです。低コストのカードを多用し、短期決戦を狙います。
  • コントロール:相手の攻撃を妨害しつつ、じっくりと自分のペースに持ち込むデッキです。除去や妨害カードを多用し、相手のリソースを削りながら最終的に勝利を掴みます。
  • コンボ:特定のカードの組み合わせ(コンボ)によって、一気に勝利条件を満たすデッキです。序盤は準備に徹し、コンボパーツが揃った瞬間に爆発的な攻撃を仕掛けます。

この3タイプの関係性は以下の通りです。

  • アグロはコントロールに弱い(妨害されて攻め手を失う)
  • コントロールはコンボに弱い(コンボ成立を止めきれない)
  • コンボはアグロに弱い(準備中に速攻で倒される)

カードゲームの面白さは、相手のデッキタイプやプレイングを読み合い、最適な戦術を選択する点にあります。大会環境では、どのタイプが流行しているかによってメタゲームが変化し、プレイヤーは常に新しい戦術を模索し続けます。

 

格闘ゲームにおける3すくみ

スマブラSP】属性相性と早見表(スピリッツ)【スマブラスペシャル】 - アルテマ

 

格闘ゲーム(例:スマブラ、ストリートファイター、鉄拳など)でも、「ラッシュ」「ガード」「投げ」の3すくみが基本となっています。

  • ラッシュ:ダメージの大きい攻撃技を高速で繰り出し、相手を速攻でKOする戦法です。攻めの圧力で相手に考える隙を与えません。
  • ガード:相手の攻撃を防御し、反撃のチャンスをうかがう戦法です。ラッシュに対しては有効ですが、ガードばかりしていると攻め手を失います。
  • 投げ:ガードしている相手に対して有効な攻撃です。ガード中は移動できないため、投げからの追撃コンボが決まりやすくなります。

この3つの戦法は、

  • ラッシュはガードに弱い(防がれて反撃される)
  • ガードは投げに弱い(投げられてコンボを受ける)
  • 投げはラッシュに弱い(リーチや速度で負ける)

という関係性を持っています。プレイヤーは相手の行動を読み、瞬時に最適な選択をする必要があります。心理戦やフェイントも重要な要素となり、単なる反射神経だけでは勝てません。

 

各ゲームジャンルの共通点

各ゲームジャンルに共通して、速攻戦術、妨害戦術、コンボ戦術による3すくみが成立していると言えるでしょう。

  • 速攻戦術は妨害戦術に弱い(防がれてジリ貧になる)
  • 妨害戦術はコンボ戦術に弱い(いつかは妨害を上回る出力を出される)
  • コンボ戦術は速攻戦術に弱い(コンボを成立前に崩される)

 

戦術の3すくみが成立しにくいゲームジャンル

マリオカート ワールド | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

ここまで紹介したように、多くの対人戦ゲームでは「戦術の3すくみ」がゲームの奥深さを生み出しています。しかし、すべてのゲームにこの構造があるわけではありません。

  • 操作スキルを競うゲーム:レースゲーム、パズルゲーム、音ゲーなどは、主にボタン入力の精度や反射神経を競うため、戦術の選択肢が少なく、3すくみ構造が成立しにくい
  • 運の要素が強いゲーム:パーティゲームやギャンブルゲームなどは、ランダム要素や運の比重が大きく、戦術よりも運が勝敗を左右しやすい

ただし、これらのジャンルでも、ルールやシステムを工夫することで戦術の幅を広げることは可能です。例えば、レースゲームにアイテムやショートカットルートを導入することで、戦術的な選択肢を増やすことができます。

 

まとめ

「属性の3すくみ」だけでなく「戦術の3すくみ」が存在することで、対人戦ゲームはより奥深く、飽きのこないものになります。プレイヤー同士の駆け引きや読み合いが生まれ、観戦者もその心理戦を楽しむことができます。

  • 相手の戦術を見て、自分の戦術を変える
  • 相手に戦術を読まれないよう、自分の戦術を小出しにしたり、偽装したりする
  • 2つの戦術を同時に採用し、出し分ける

こうした要素があるからこそ、対人戦ゲームは単なる運やスキル勝負を超えた「競技」として成立し、多くの人々を魅了し続けているのです。

今後も、さまざまなジャンルのゲームで「戦術の3すくみ」を意識したデザインが取り入れられることで、より多様で奥深い対戦体験が生まれていくことでしょう。