FEの兄弟・姉妹・兄妹・姉弟

ファイアーエムブレムシリーズに登場するきょうだいは、兄&妹の組み合わせが異常に多い気がするこの頃。

逆に、姉&弟の組み合わせは殆ど目にすることがありません。

本来であれば、兄弟姉妹兄妹姉弟の存在確率は等しいはずなのですが、FEの登場人物に限って言えば、その確率が非常に偏っている気がします。

気になったので、過去作に登場する全ての兄弟・姉妹・兄妹・姉弟の組み合わせの数を数えてみました。

 

集計対象

集計対象は、作中で会話のあるきょうだいに限定するものとします。

ですので、

  • 実際には登場しない人物:例えばレベッカの兄など
  • 互いにほぼ会話の無い人物:例えばゴルドア王族やセリノス王族など

などはカウントに入れません。

あと、私は聖戦の系譜をプレイしたことがありませんので、聖戦の登場人物もカウントに入れません。

wikipediaを読んで登場人物を洗い出そうともしましたが、フリージ家の家族構成が複雑だったり異母兄妹が多かったりして訳が分からず、挫折しました・・・

 

3人以上のきょうだいの場合、2人ずつの組み合わせに分解し、組み合わせごとに1票をカウントするものとします。

例えば、マケドニア王族の場合、

  • ミシェイル&ミネルバ兄妹に1カウント
  • ミネルバ &マリア :姉妹に1カウント
  • ミシェイル&マリア :兄妹に1カウント

となります。

 

集計結果

 

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全編を通してのきょうだいの組み合わせ数を集計したのが上のグラフになります。

思った通り、兄妹の組み合わせ数が最も多いことが分かります。

逆に、姉&弟の組み合わせはその半分以下。

かなりの偏りを持ったきょうだい関係のキャラクターが投入されていることが伺えます。

 

 

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きょうだいの組み合わせ数を大陸ごとにまとめたのが上のグラフです。

Aはアカネイア大陸、Jはユグドラル大陸、Eはエレブ大陸、Mはマギヴァル大陸、Tはテリウス大陸、Iはイーリス大陸、Vはif世界(たぶんバレンシア大陸)を表しています。

ifでの兄妹率が非常に高いことが分かりますが、これは白夜王族・暗夜王族が兄&妹を基調とした家族構成になっていることが原因です。

エレブでは姉妹の方が兄妹より多くなっていますが、これはペガサス3姉妹の影響によるものです。

 

なぜ、兄妹が多く姉弟が少ない、といった偏りが生じるのでしょうか。

これを知るためには、まず兄妹・兄弟・姉妹・姉弟のそれぞれの関係性を知る必要があります。

以下では、各カテゴリごとの、きょうだいの関係性の傾向を見ていこうと思います。

 

 

兄妹:計22組

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FEの兄妹の例として最も目立つのは、「強い男主人公と可愛い妹」の組み合わせです。

アイク&ミスト、クロム&リズ、エフラム&エイリークなど、強い男主人公にはマスコット的な妹がいる場合が多いです(逆に、マルスやリーフのようなひょろい主人公には姉が付き物です)。

最新作のヒーローズでも兄妹主人公がプッシュされている様子ですし、この組み合わせはFEの基調であると言えるでしょう。

FE原作者の加賀昭三氏は稀代の妹好きと言われており、その影響で兄妹が増えているのかもしれません。

 

主人公以外の兄妹の例としては、作中有数の強敵(マークス・ラインハルト・レンハ等)とそれに守られる妹、というパターンが多め。

このような強い男を説得する上でも、妹は重要な役割を果たします。

 

逆に、頭のイった男(マカロフ・ゼフィール・マチス等)とそれをたしなめる妹、というパターンも一定数存在します。

 

姉妹:計18組

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兄妹に次いで多いのがこの組み合わせ。

と言っても、18組中の10組がペガサス姉妹で構成されています。

但し、ペガサス姉妹もやり尽くされたのか、聖魔以降は登場していません。

代わって、最近では王族の姉妹が何組か登場しています。

エメリナ&リズ、ミカヤ&サナキ、カミラ&エリーゼなどがその例です。

 

姉妹の関係性としては、大きく分けると次の3つの方向性があるように思えます。

パオラ&エスト、ユーノ&シャニーなどの、「母と娘」のような関係。

パオラ&カチュア、シレーネ&ヴァネッサなどの、「指導者と弟子」のような関係。

カチュア&エスト、レテ&リィレなどの、「友達同士」のような関係。

ペガサスだらけの姉妹カテゴリですが、その関係性は画一的なものにならないよう工夫されている様子です。

 

兄弟:計12組

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姉妹の次に多いのがこの組み合わせ。

グレン&クーガー、ジョージ&ハンサム、ハウゼン&ラングレン、といったように敵勢力が多いのが特徴です。

FEには兄弟=悪役、という決まりでもあるのでしょうか?

歴史上では「ヴィタリエン兄弟」や「バルバロス兄弟」といった、兄弟での賊が存在したと言われています。

FEでも、そういうイメージに因んで、敵勢力の兄弟を登場させているのかもしれません。

 

「落ち着いた兄と猪突猛進な弟」の組み合わせも多いですね。

ウーゼル&ヘクトル、ロイド&ライナス、オスカー&ボーレなどがその例です。

ifでは「真面目な兄とひねくれた弟」の組み合わせが2組登場しました。

弟キャラはプレイヤーからの人気も高いらしく、今後もひねりの利いたキャラの登場に期待が高まります。

 

姉弟:計9組

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超レアな組み合わせ。

FEの姉弟は弟側が不遇なパターンが多く、私としては思わず目を覆いたくなるような支援会話も多いですね。

 

ヒノカ&タクミ、ミレディ&ツァイス、ユミナ&ユベロの支援会話は、概ね「弟が姉に叱られている」という内容です。

タクミやツァイスに関しては、背伸びをしたい年頃だがそれが裏目に出ている、という感じですね。

他にも、ルキノに頭が上がらないジョフレ、カミラに構ってもらえてないと感じているレオンなど、見ていて辛くなる姉弟が多い印象です。

 

一方で、マルスやクロムは「姉を守る」という目的を立派に達成していますので、ダメな弟ばかりという訳ではありません。

テティスユアンも結構仲が良さそうで微笑ましい限りです。

 

まとめ

FEには兄妹が多く登場し、逆に姉弟はほぼ登場しません。

各きょうだいの関係性は、次のようなものである場合が多いようです。

  • 兄妹:強い兄と可愛い妹
  • 兄弟:冷静な兄と熱血な弟
  • 姉妹:母娘、師弟、または友達のような関係
  • 姉弟:姉を守ろうとして空回りしている弟

「強い兄と可愛い妹」という関係性はゲーム映えするので、兄妹が多く登場するのでしょう。

一方、「姉を守ろうとして空回りしている弟」を多く出すと暗いゲームになってしまいますので、姉弟の数は少ないのであろうと推測できます。

 

補足

上のグラフ作成時に作った人物リストを掲載します。

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