ファイアーエムブレム歴代父親キャラ 生存長さランキング

ファイアーエムブレムシリーズの主人公には、頼もしく偉大な父親が存在するのがお約束です。そして、悲しいことに、彼らの多くは物語の割と早い段階で死去してしまいます。

その代表例が、「蒼炎の軌跡」に登場する主人公アイクの父親・グレイルです。彼はアイクに対して頼れる父の背を見せながらも、序盤の山場で宿敵「漆黒の騎士」に討たれて非業の死を遂げます。

FEH】バレンタイングレイルの評価とおすすめ個体値/スキル継承 ...

グレイルの死には、ストーリー上で非常に重要な意味が2つ存在します。それは、①主人公に戦う動機を与える②主人公陣営の戦力を削ぐ、というものです。

第一に、目の前で父親を殺されたアイクは、漆黒の騎士とデイン王国への復讐を誓います。そして、物語の中で何度も漆黒の騎士と剣を交えつつ、成長していくのです。父親の存在が主人公に戦うモチベーションを与えている良い例です。

第二に、グレイル自身の戦闘力は超人的であり、デイン軍の一部隊と1人で渡り合えてしまいます。彼が生存していれば、戦闘は彼1人で十分というほどであり、アイクの出番はありません。主人公に戦う機会を与えるためにも、父親には退場してもらう必要があるのです。

こういった役割は、蒼炎以外のシリーズ作における主人公の父親キャラにも共通です。

早死にすることが多い父親たちですが、中には独自の活躍により中盤〜終盤まで生き延びる人もいます。例えば、「烈火の剣」に登場するエルバートは、【黒い牙】によって囚われの身となりながらも抵抗を続け、なんと19章まで生き長らえ、最期にはネルガルに一矢報いてその生涯を終えます。このように、「どれだけ長く生存したか」が、父親の活躍度と生命力を示す1つのバロメーターだと言えるでしょう。

そこで、FE主人公の歴代父親たちが、作中でどれだけ長生きしたかを調べて、ランキング形式にまとめてみました。ここで、長命度を下記のように算出します。

長命度 = (死亡時点の章数) ÷ (その作品全体の章数)

例えばグレイルの場合、作品全体の章数は序章・終章を含めて30章です。また、7章(序章から数えて8章目)で戦死したため、長命度は 8÷30 = 27% と計算します。

なお最近では、上の①②の役割を、主人公の父親以外が担っているパターンも増えてきました。例えば、祖父・母親・義母・兄・姉などがこの役目に就いている場合もあります。以下では、父親相当の役割を担っているキャラを調査の対象とします。

 

【13位】ファード (長命度:5%)

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活躍度:★★☆☆☆

散華度:★★☆☆☆

性能 :★☆☆☆☆

エイリーク・エフラムの父親。序章開始時にグラド軍によって王宮を占拠され、そのまま皇帝ヴィガルドに討たれてしまいます。歴代で最も出番の短い父親ですが、エイリークをフレリアに亡命させる、キーアイテムである月の腕輪を授ける、などストーリー上の最低限の仕事は果たしました。

なお、ここからは父親たちを「活躍度」「散華度」「性能」の3つの指標で評価した結果を掲載します。「活躍度」は政治や戦争の手腕、主人公の目標達成を後押しした貢献度を表します。「散華度」はどれだけ死に花を咲かせたかを表し、強大な敵に倒されたり大切な人を守って死んだりした場合は高評価となります。逆に、呆気ない最期だと低評価となります。「性能」はユニットとして登場した場合のパラメータ・スキル・成長率を総合的に評価します。

 

【12位】エーヴェル (長命度:20%)

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活躍度:★★★★☆

散華度:★★★★☆

性能 :★★★★★

リーフの親代わりと言える人物で、「トラキア776」における父親ポジションです。ラスボスであるベルドに石にされ、リーフの心に打倒帝国の火を灯した立役者であり、まさに親の鑑です。5章で自軍から離脱し、進軍具合によってはそのまま故人となってしまうため、生存は取りあえず5章までとしました。

ストーリー上では大活躍で、ごろつきを纏め上げて自治領を作る、山賊を平定して周りの村々を守る、親代わりとなって孤児たちを育てるなど、手腕も人格も優れたスーパーマンです。ユニット性能も高く、最初から速さがカンストしているお陰で回避率が高く、指揮レベルも1あり、更には致死攻撃を絶対回避する隠しスキルのお陰で壁適正も抜群。今まで、こんなに優れた親が存在したでしょうか。

 

【11位】ミコト (長命度:21%)

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活躍度:★★★★☆

散華度:★★☆☆☆

性能 :★★☆☆☆

カムイの母親であり、白夜女王。これまた父親ではないですが、果たしている役割は歴代父親と完全に同じです。

ルート分岐前の5章において、透魔王国の将スメラギによる不意打ちを受けて息絶えます。存命期間が短く出番も少ないですが、カムイに無償の愛を与え、その兄弟たちにも打倒敵国の念を抱かせるという大任を果たしました。

カムイにとっての存在感は非常に大きく、暗夜終章では臨死のカムイの夢枕に現れます。剣を折られ命も尽きようとするカムイを優しく迎え、労わり、激励し、現世に送り返そうとするミコト。まさに母性の体現者であり、歴代で最も感涙を誘ったキャラだと私は思います。

 

【10位】グレイル (長命度:27%)

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活躍度:★★★★★

散華度:★★★☆☆

性能 :?

デイン王国の元四駿であり、アイクの父親。今までで一番、頼れる父の背を見せてくれたキャラです。

実戦経験のないアイクに剣技や戦術を指導してくれる他、曲者のシノンらもいなしながら傭兵団を纏め上げるなど、皆に慕われるカリスマ性を持った人物です。戦闘力も高く、たった3人で陽動作戦を遂行する、たった1人で傭兵団兵舎の裏口をデイン軍から守る、といった芸当を見せます。アイクにとってもプレイヤーにとっても、目標とすべき偉大な父親でした。

そんな彼ですが、ガリアに亡命後、漆黒の騎士との戦闘の末に命を落としてしまします。ただ、この戦闘は個人的にイマイチ納得のいかないものとなっています。彼は漆黒の騎士に対して無効のウルヴァンを頑なに使い続ける上、その斧捌きも「手応えがない」と漆黒の騎士に評される体たらく。勝ち目がないなら逃げれば良いのに、蛮勇にも戦いを続けた結果、命を無駄にし、残された傭兵団をも危険に晒します。傑物である割には、何とも締まらない幕切れ。なぜISは、彼にもっと美しい死に際を用意できなかったのでしょうか?

 

【9位】グスタフ (長命度:31%)

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活躍度:★★★☆☆

散華度:★★★☆☆

性能 :★★★★☆

アスク王であり、アルフォンス・シャロンの父親。常に国民を思いやる立派な王であり、威厳ある風格でアルフォンスに王道を説きます。頼りないアルフォンスとは違って王者の存在感を醸し出しており、父の偉大さを体現するキャラと言えるでしょう。

その死に際も、アルフォンスに掛かった死の呪いの身代わりになってこの世を去るという、親の鑑たるものでした。グスタフはもともと病で余命が短く、未来あるアルフォンスの命を守ることを選びました。ただ、グスタフの死亡シーンは突っ込み所も多々あります。王族皆殺しのチャンスにも関わらずグスタフだけ討ち取ってヘルが帰ってしまうのは不自然ですし、そもそも呪いに対して物理的なガードが効くというのも判然としません。納得度の低いご都合主義なストーリーですが、歴代の父親死亡シーンと比べればまだマシかもしれません。

ユニットとしての性能は高く、専用武器グリトニルは「鬼神の一撃3」と「差し違え」を内蔵しているというレアな性能。この差し違え効果はHPに関わらず発動するため、もし攻め立てと併用すれば、敵の反撃を許さずどんどん追撃を取れることでしょう。早くプレイアブルユニットとして実装してほしい所です。

 

【8位】エメリナ (長命度:39%)

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活躍度:★★☆☆☆

散華度:★★★☆☆

性能 :★★★★☆

クロムの姉。イーリス聖王として平和を説く姿勢をクロムに示しつつ、9章にて犠牲になりクロムの怒りに火を点けます。役割としては歴代作品の父親に他なりません。

父王の時代に失墜した国民からの信頼を、幼少期から腐心して取り戻してきたという聖人です。一方、ストーリー上での活躍は今一つなところも多く、政治手腕にも疑問が残ります。特に、軍縮により天馬騎士団以外の軍事力を全て放棄するという狂気の政策によりあっさり敗戦し、7章では自らペレジア軍の捕虜になりに行くなど、問題行動を連発。治安維持もままなっておらず、国内には山賊が跋扈し、5章ではペレジア王自ら国境侵犯してくる始末。残念ながら、為政者としての能力は低い様子です。

歴代父親と同様に序盤でこの世を去りますが、その最期は非常に印象的でした。命を賭してペレジア国民に平和を説き、終戦に大きく貢献することとなります。王というより修道女というイメージの人物です。

 

【7位】ジェラルト (長命度:43%)

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活躍度:★★★★☆

散華度:★☆☆☆☆

性能 :★★☆☆☆

ベレトの父親。セイロス騎士団の団長であり、歴代最強の騎士とも噂される、伝説的なパパ。アロイスやレオニーから慕われている点から見て人望も篤く、ストーリー上での活躍度は非常に高いです。

歴代父親の中でも生存章数が長い部類であり、主人公と一緒に何度も課題戦闘に出撃してくれます。しかし、闇に蠢く者との戦いで負傷し、この世を去ります。その最期は非常に呆気なく、敵組織の中でも噛ませ犬ポジション*1であるクロニエに討たれるという不甲斐ないものです。しかも、直前まで銀の剣や銀の槍の攻撃に余裕で耐えていたはずなのに、イベントでは威力わずか6の短剣で攻撃されて息絶えるという有様。コーエーテクモゲームズは、彼にもう少し華のある最期を与えても良かったのではないでしょうか?

 

【6位】バイロン (長命度:50%)

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活躍度:★★★★☆

散華度:★★★★☆

性能 :★★★☆☆

シグルドの父親。シアルフィ公として豊かな領地を守ってきた経歴を持つ他、勇壮な武人でありグランベル王子クルトからの信頼も厚いなど、ストーリー上の活躍度は十分です。

その立場を疎んだ政敵らによって命を狙われるも、驚異のしぶとさにより追手を交わし続け、存命期間は歴代父親の中でも上位を誇ります。最後には死力を振り絞ってグランベルに帰還し、息子に聖剣ティルフィングを手渡して息を引き取るのでした。

 

【5位】エルバート (長命度:63%)

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活躍度:★★★★★

散華度:★★★★★

性能 :?

 「烈火の剣」に登場するフェレ侯であり、エリウッドの父親。文武に優れ、家臣であるフェレ騎士団からの信頼も厚い名君です。

ストーリー中盤、エルバートは自身の強力なエーギルに目を付けられ、黒い牙によってヴァロール島に拉致されてしまいます。臣下の一人も連れず絶体絶命の状態ですが、ここで諦めないのが彼の凄いところ。ネルガルの儀式に必要なニニアンらを脱走させたり、ネルガルに斬り掛かって儀式を中断させるなど、NPCとは思えない勇猛果敢な奮闘を見せます。密度の濃い活躍に比例し、存命期間も63%と父親界屈指の長さです。

エルバート最大の見せ場は、今際の際の逆襲です。エフィデルによって瀕死に追い込まれ、あわや竜の門が開かれそうになった時。エルバートは、死力を振り絞ってネルガルに一太刀を浴びせ、深手を負わせます。これにより、ネルガルは儀式を中断せざるを得なくなり、エリウッドたちが反撃の体制を整えるまでの時間を稼げたのでした。歴代父親の中で最も功労の大きい人物だと言えるでしょう。

 

【4位】ウーゼル (長命度:79%)

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活躍度:★★★☆☆

散華度:★★★☆☆

性能 :?

 「烈火の剣」に登場するオスティア侯。弟であるヘクトルを不器用ながらも常に気に掛けており、存在感としては父親そのものです。彼の存在と死は、ヘクトルの精神的成長を大いに促しました。

ストーリー上での存命期間は非常に長いのですが、終盤で持病の悪化により息を引き取ります。この病のことを、ウーゼルはヘクトルに対して隠し続けていました。自分の余命が長くないことを知らせてしまえば、ヘクトルの足枷になると考えたからです。

普段は猪武者であるヘクトルを厳しく諌め、皮肉を投げかけてはいるものの、裏ではヘクトルを守るためにあらゆる手を尽くすウーゼル。まさに兄の鑑と言えるでしょう。

 

【3位】ルドルフ (長命度:83%)

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活躍度:★★★★☆

散華度:★★★★★

性能 :★★☆☆☆

大ボスらしく非常に長命のリゲル皇帝。

今後人々に災厄をもたらすであろう邪神を封印し、人間を神から自立させるという、壮大な使命を帯びて戦った皇帝でした。しかし、ミラの存命を願うソフィア王国やドーマの存命を望むドーマ教団からは全く理解を示されず、孤軍奮闘状態に。ミラを封印したことが侵略行為と捉えられ、ソフィアと戦争に突入します。そして、ソフィア軍の総大将は実の息子であるアルム。最終的には愛する息子の手に掛けられて息絶えるという、FE史上最も印象的な最期を飾った父親でした。同時に、神殺しにより世界を救った、最もスケールの大きい父親とも言えます。

FEHでは甥のベルクトをも常に気に掛けており、父性愛にあふれた器の大きいキャラクターです。

 

【2位】ハウゼン (長命度:99%)

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活躍度:★★☆☆☆

散華度:★★☆☆☆

性能 :?

リンにとっての父親代わりと言えばこの人。父ハサルと母マゼリンが他界した今となってはハウゼンが唯一の肉親であり、リンは祖父を守るために奮闘し続けます。天涯孤独かと思われたリンに希望を与え続けた、愛ある老人です。

こう見えて生命力は凄まじく、作中何度も命の危機を乗り越えます。侯弟ラングレンに毒を盛られるも生き長らえ、エフィデルに深手を負わされても回復するなど、度重なる死線をくぐります。そのまま最終章まで生き延び、ほっと一安心・・・、かと思いきや、まさかのエピローグで死去。リンには祖父との幸せな暮らしを送ってほしかっただけに、非常に悲しい結末です。

 

【1位】エリウッド (長命度:100%)

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活躍度:★★★★☆

散華度:ーーーーー

性能 :★★☆☆☆

戦争を最後まで生き延びた、父親界の革命児。

通常であれば、①父親は死によって主人公に戦う動機を与え②強すぎる父親は死によって退場するのがFEのお約束です。しかし、「封印の剣」では①の役割をヘクトルに譲り、エリウッド自身は死を回避。加えて、持病により戦えないとの理由により、死せずして②の退場を果たします。

周囲からの名声も高く、「リキア一の騎士」というロードナイト時代の残念性能からは考えられない異名で武勇を轟かせています。また、幼いリリーナに代わってリキアの盟主代行を務め、反乱や戦争で結束の乱れた諸侯を纏め上げるなど、政治的手腕も確か。ロイの目標となる偉大な名君です。

 

【番外編】ユアナ (長命度:100%)

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最後まで生き延びた親と言えばもう一人、FE無双に登場するアイトリス王妃ユアナが挙げられます。

序章にて神器「炎の盾」を主人公に託し、自身はグストン軍の捕虜となり命を奪われそうになります。ここまでの流れはファードやバイロンといった歴代父親そのもの。

ところが、ユアナは主人公であるリアンとシオンによって救出され、一命を取り留めます。一度は死んだも同然となりながら、最終的には生き延びる。こういうパターンもFEには有りうるのですね。

 

まとめ

毎作非業の死を遂げるFEの父親の数々。強くあれと息子に語りかける彼らの背中は、プレイヤーの心を強く揺さぶります。

全体としてはストーリー中での存命期間が長い方が活躍と貢献も大きい気がしますが、例外も多く生きざまは多種多様。次回作ではどんな父親が登場するのか、ISとコーエーテクモに期待がかかります。

*1:ep.10にて生贄にされる