ファイアーエムブレム 歴代最強兵種

ファイアーエムブレム」シリーズには数多くの兵種が登場しますが、全ての兵種が同じ強さであるような作品は殆どありません。なるべく兵種間の強弱関係を平坦化しようという努力は感じられるのですが、作品ごとのシステムやイメージの面から、やはり多少の強弱差が残るのは避けられないようです。

一方で、作品が変わっても同じ兵種が強くあり続ける、という例は少数です。あまりに強すぎる兵種は、基本的に次回作で製作者からの負の補正が掛かり、弱体化してしまうからです。

逆に、弱すぎる兵種は代を重ねるごとにテコ入れが掛かり、最強の一角に食い込んだりもします。ファイアーエムブレムの歴史は、このような調整の歴史であるとも言えるでしょう。

そこで、歴代FEにおける最強兵種の変遷を調べてみました。

以下では、各作品ごとに、最も強い・または便利な部類だと感じる兵種を挙げていこうと思います。味方として強い兵種は青字、敵として強い兵種は赤字、両方において強い兵種は紫字で記載します。

また、地竜ドラゴンゾンビ皇帝国王、といった特殊なクラスは考察の対象としません。これらのクラスは強いことを前提として作られていますし、また次回作で続投しないことがほぼ確定していますので、世代を超えた調整という趣旨からは外れますからね。

強い/弱いの感覚はプレイする難易度によっても変わると思いますが、以下では各作品の最高難易度を選択することを前提とします。

 

暗黒竜と光の剣紋章の謎

勇者

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加賀氏の作品ではおなじみの強兵種である剣士系。初期作品では唯一のクラスチェンジ可能な剣メインの兵種であり、また剣自体が優遇武器であるため、結果的に勇者が強兵種となっている。

この時代は武器によって重さの格差が激しく(例えば鉄の槍は鉄の剣の3倍の重さ)、加えて重さを軽減するシステムも無い、という点から剣の優遇ぶりが伺える。

剣の弱点は手槍や手斧に相当する武器が無いことだが、この時代は間接物理武器の性能が微妙だったため、デメリットは気にならない。

加えて、自軍で勇者になれるユニットの成長率が基本的に高いのもポイント。特に、オグマ・ナバールの2人は速さと体力を中心にパラメータがガンガン伸びる。

一応、星のオーブやドーピングアイテムを使えばどのキャラでも全パラメータカンストは容易いとはいえ、そんな小細工など行わずとも勇者は勝手に優秀なパラメータに育つため、育成の手間を大きく省いてくれる。

このように味方としては頼れる存在だが、敵として出てきた場合はやや厄介。他の兵種と違って速さがかなり高いため、速攻での撃破が難しく、対処には手間取る。

 

ダークマージ

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加賀氏の作品での強兵種の筆頭である暗黒司祭。

初期作品では、能力値自体はそこそこだが、闇魔法のドゥラームメティオがとにかく厄介。特に、ドゥラームの書を持っているダークマージが敵の群れの中に1体でも混じっていた場合、その敵の群れを釣るユニットに必ず死の危険が付きまとうことになる。

ダークマージが登場する終章は、セーブポイントが少ない、という点もタチが悪い。運悪くユニットが倒されてリセットした場合、かなり前からのやり直しを余儀なくされてしまう。

さすがにドゥラームはやり過ぎだと判断されたのか、加賀氏離脱後の作品にはほぼ登場していない。

 

外伝

聖女

白魔法のワープが強兵種たる所以。

あまりに強力な魔法なので、近年は使用回数や射程が制限されたり、使用武器レベルが引き上げられたりと様々な調整の対象となってきたが、外伝ではそんな調整は一切ナシ。

使い放題のワープで、魔戦士やバロンといった壁ユニットを前線に送り込めば、後衛の安全を確保しつつ、敵を効率的に殲滅できる。

物理ユニットの発射台として、戦略上不可欠な兵種である。

 

魔女

任意の場所に出現できる能力を持つ魔道士。

暁のリワープの杖と同じ効果を、①移動距離無限で、②行動機会を消費することなく、③杖を装備することもなく実行できる。…というように他の作品の基準で見れば反則的な能力を持っており、外伝の敵軍の強兵種の筆頭と言えよう。

しかも、外伝では全味方が強制出撃であるため、弱い味方を魔女から守るのも難しい。絶対に安全と言える対策法は、前もってワープで魔女の行動範囲に幸運の高いユニットを送り込むぐらいしかない。

 

聖戦の系譜

この作品は未プレイなので、何が強いのかよく分かりませんが…

一応、馬が便利だとは聞いています。

 

トラキア776

マーシナリー

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田舎での戦いという世界観に影響されてか、突如として大躍進した斧歩兵。

今作では、体格システムの導入により、今までのような攻速落ちが発生しづらくなり、他の兵種と対等に勝負ができるように。

捕縛の面でも、体格の大きい斧歩兵は優位に立てるようになった。

加えて、手斧の重さが20→12と大幅に落ちたこともあり、今までと違って手斧で追撃が取れるようになった。これにより、斧歩兵を森や砦に置いて地雷戦法が取れるように。

また、武器レベルが個別の成長方式になった事により、騎兵が城内戦で使いづらくなり、相対的に歩兵自体の立場が向上している。そんなこんなで、自軍のエースを張れる兵種となっている。

 

ハイプリースト

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本作では杖の性能が異常に高く、杖メインの敵の危険性は跳ね上がっている。

特に、バサークやスリープなどの状態異常杖が厄介。状態異常が自然回復せず、状態異常杖の射程は無限で、杖の命中率を魔防や幸運で殆ど軽減できない、という本作特有の仕様がプレイヤーを苦しめる。

加えて、シーフやアンロックといった特殊な杖も敵が使ってくるため、対策は必須。

杖を使ってくるのは必ずしもプリースト系とは限らないため、杖を使える敵全般が強敵だと言える。

 

封印の剣

ソードマスター

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パラメータの上限がアップしたことと、回避率が「攻速×2」で算出されることから、本作では稀代の避けゲーが展開されることに。そんな中で、速さ上限が30であるソドマスは避ける壁として最強兵種の一角となった。

ソードマスターは非力さが弱点だが、その点は「必殺率+30%」という強烈な兵種補正でカバー。加えて、剣士は敵から寝返って自軍に加わるのが一般的であるため、ハードブーストが乗り、パラメータも申し分ない。

結果的に、ソードマスター1人を前線に突撃させて敵を殲滅、という作戦まで可能となった。

あまりに強すぎたため、以降は烈火・聖魔・蒼炎と作品を重ねるごとに徐々に弱体化する。

 

遊牧騎兵

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ソードマスターと同様の速さ上限に加え、騎兵なのに騎馬特効が効かず、不整地への進入コストも低いという強クラス。

草原のような広い土地に出現するため壁を作りづらく、また河を防衛ラインにしても渡河してくる。

弓兵が弓以外の武器を獲得するというのはシリーズ初であり、上下左右を囲んでも無力化できないというのも厄介。

加えて、自軍からの攻撃もイマイチ当たらず、回り込まれて柔らかい後衛職が攻撃されれば瞬殺、というようにとにかく対処しづらい難敵。

FEではその作品の初出クラスは基本的に強く設定される傾向があるため、遊牧騎兵が強いのも頷ける。

 

烈火の剣

ジェネラル

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SFC版から必殺の算出式が変更され、守備の重要性がアップしたことにより、ジェネラルの地位が向上した。

加えて、騎兵の移動力が10→8と減少したのに対してジェネラルは5→5と据え置きであり、置き去りを喰らう危険が少なくなった。

これらの変更に加え、烈火では味方重歩兵の成長率が封印と比べて上昇。

更に、烈火では攻撃力の低めな敵が大量に湧くような場面が多く、やっつけ負けが誘発されやすいため、それを防げるジェネラルはかなり便利。特に、黒い牙お得意のペガサスナイトや剣士の増援に対しては、ジェネラル1人を置いておけば完封できる。

「槍の代わりに剣を使えるジェネラル」であるグレートロードもかなりの強さ。

様々な要因が合わさり、ジェネラルは本作最強兵種の1つと言える。

 

ヴァルキュリア

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避ける壁ことソードマスターは本作でやや弱体化してしまったが、その後釜として浮上したのがヴァルキュリア

この兵種は速さのみならず幸運まで高く、回避率はソードマスターに勝るとも劣らない。ナイトキラーで一突き…と思ったら、華麗に回避されて魔法2連打の反撃を喰らい返り討ち、などというのは日常茶飯事である。

また、ソードマスターより厄介な部分として、間接攻撃にも反撃可能な点、移動力が高いため攻撃範囲から逃げづらい点、増援でワラワラと湧く点なども挙げられる。その上、状態異常杖や遠距離魔法も装備しており、遠くから自軍を攪乱する。非常に害悪な敵ユニットである。

ヴァルキュリアが大量に湧いた場合、対処にはかなり苦労する。ヴァルキュリア相手に無双できるユニットは、ファルコンナイトドルイドぐらいのものであろう。

あまりの性能から、この後は移動力の低下(聖魔)、使用武器の魔法から剣への差し替え(蒼炎)、魔力依存剣の削除(暁)、と徐々に弱体化を重ねていく。

 

聖魔の光石

司祭

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GBAのFEも3作目となり、兵種間のバランスはかなり整っている本作。殆どの兵種が横並びな印象だが、あえて強めなクラスを挙げるとすればコレ。

前作のヴァルキュリアと同様、幸運と魔防が高く、直間両用であるため、地雷戦法に向いている。特に、魔物がわんさか湧く終盤のマップでは、砦や森の上に居座り、「魔物特効」のスキルで敵を効率的に殲滅してくれる。

但し、速さはそこまで高くないため、回避性能を完全に信用するわけにはいかない。回避壁としての安定感は、やはり烈火のヴァルキュリアには及ばない(弱体化した聖魔のヴァルキュリアよりはマシだが)。

 

ケルベロス

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魔物の中で強めなクラスとしてはケルベロスが挙げられる。

魔物は全体的に速さも技も低い傾向があり、大方は回避壁による無双ゲーで殲滅可能。この無双にストップを掛けるのが、例外的に攻速も命中も高水準なケルベロスである。

移動力も8と馬並みであるため、回り込まれてルーテやノールといった遅い後衛職が即死させられることもある。魔物の中で自軍ユニットを即死させられるのはケルベロスぐらいのものであり、特に注意の必要な敵と言える。

ただ、聖魔ではドラゴンゾンビを除いて職業間のバランスがうまく取れているため、ケルベロスもずば抜けて強いというわけではなく、精々要注意という程度。

 

蒼炎の軌跡

パラディン

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GBAとは一転、蒼炎では受け重視のゲームバランスに移行。同時に、パラディンの守備の水準が大きく引き上げられ、動ける壁としてかなり重要な役割を担うようになった。

特に、自軍のオスカー・ケビン・マカロフの3人はいずれも上限である守備27に高確率で到達できるため、頼りになる。

また、再移動が攻撃後にも可能になったことにより、騎兵の使い勝手が大きく向上。リュシオンの呪歌を受けるために後陣に戻ったり、攻撃後に壁を形成したり、との挙動ができ、戦略上不可欠なクラスとなってくれる。

加えて、昇格時に習得する武器が剣・槍・斧・弓からの選択制となったため、汎用性も増している。

このような様々な新システムの影響を受け、本作最強レベルの兵種となっている。パラディンが最強な作品は、後にも先にも蒼炎しか無く、結構貴重。

 

ジェネラル

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受け重視の蒼炎では、ジェネラルのような守備重視の兵種は大活躍。

ジェネラルの弱点はスピードだが、本作では装備するだけで速さ成長率が30%もアップする「騎士の守り」が序盤で手に入るため、ジェネラルですら余裕で速さカンストが可能。本作ではジェネラルの速さ上限が24と高いため、結果的にパラメータの穴が無いスーパージェネラルを育成できる。

加えて、今作で猛威を振るったスキル「勇将」を付ければ、緩い条件で速さを1.5倍にすることができ、速さ36のジェネラルを大暴れさせられる。まさに弱点無しの万能選手である。

 

ドラゴンマスター

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雑魚敵なのに守備29という意味不明な硬さを誇る、空の要塞

過去作では特効武器で瞬殺だった竜騎士だが、本作ではそうもいかない。ドラゴンキラーは削除され、弓は高すぎる守備力で防がれ、風魔法は最高でたったの威力6であるため力不足。そもそも、特効倍率が2倍に修正されているため、どの特効武器を使っても大した火力が出ない。有効打は皆無である。

それなのに、終盤にはマップを埋め尽くすほどのドラゴンマスターの増援が湧く。弓や風魔法では必殺や奥義でも出ない限りドラゴンマスターを一撃で撃破できないため、どんどん周囲にドラマスが溜まっていき、最後には圧殺される展開となる。

唯一ドラゴンマスターを一発撃破できる武器は、魔法剣であるソニックソード。これを使いこなせるのは自軍でミストだけなので、何としても育成しておきたい。

 

賢者

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今作の賢者は遠距離魔法を持った個体がやけに多く、厄介極まりない。

今作の遠距離魔法は、メティオ・ブリザードサンダーストームの3種類に特攻効果が付いており、かなり危険。特にブリザードは、自軍の作戦上最重要キャラとも言えるリュシオンに特効であるため、注意が必要となる。

従来作では、遠距離魔法持ちの賢者はその場から動かなかったり、また遠距離魔法の威力が他の魔法に比べて抑え目だったり、という救済措置もあったが、本作ではそんな優しさは一切ナシ。

ドラゴンマスターが敵軍の攻めの要だとすれば、賢者は敵軍の守りの要と言えよう。

 

暁の女神

竜騎士(リンドブルム)

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蒼炎で十分強かった竜騎士に、暁では何故か更なるテコ入れが入った。

今作では雷魔法が竜騎士に特効となった代わりに、弓も風魔法も等倍となり、さらにドラゴンキラー系の武器も相変わらず削除されたままであるため、弱点が殆ど無い。

しかも、力・速さ・守備の上限値が全て36と規格外の高水準であり、攻めにも守りにも便利な空中要塞として活躍できる。

万一雷魔法持ちが出てきたとしても、今作の魔法使いは全て歩兵であるため、余裕で逃げ切ることができ、あまり問題にならない。

明らかに高性能すぎたためか、これ以降は新暗黒竜・新紋章・覚醒と作品を追うごとに竜騎士が弱体化していく。

 

神射手(サジタリー)

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全ての弓で射程3の攻撃ができる「射程+1」のスキルが超強力なクラス。

単純に移動力を補えるほか、厄介な魔法系クラスや竜鱗族を攻撃範囲外から一方的に撃破できる。

また、ボウガン系の武器や最強の弓であるバルフレチェを持てば射程1の攻撃も行えるため、隙が無い。

特に、ボウガン系の武器は武器自体の威力が高いため、「天敵・獣」のスキルと親和性が高く、獣狩りに重宝する。

 

新・暗黒竜と光の剣

ジェネラル

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ジェネラル、3度目の最盛期。

今作では終盤の敵がこぞって錬成勇者武器を使用してくるため、守備の低いユニットは瞬殺されてしまいやすい。逆に、ジェネラルは高い守備で勇者武器の攻撃を無効化することができ、壁として最高に頼りになる。

今作では敵の速さが総じて微妙であり、低速でも追撃されにくい、というのもジェネラルにとっては追い風。

ジェネラルが弓を使えるようになったというのも好都合な変更点で、弓を装備して間接武器持ちの敵のみを排除し、弱いユニットのためのエサを作ることができる。

ウルフやザガロという、ジェネラル適性の高い人材の存在も相まって、自軍のエースたる兵種となっている。

 

シューター

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今まで固定型の乗り物だったアーチが、ユニットとして登場。

自軍が砲台を潤沢に使えるという時点でまず強く、それが移動できて、また複数の武器を使い分けられるのだから、もはや反則級のユニットである。

敵の流れさえジェネラルで堰き止めることができれば、あとはシューターで敵を一方的に削ることにより、本作の大体の難局は打開できる。本作のH5の終盤をヌルゲー化している最大の要因はこの兵種と言えよう。

このように味方として優秀であるぶん、敵に回した場合には厄介。遠距離攻撃持ちは盤面を支配する存在であるため、砲台の設置箇所は進撃準備の時点で明らかになっているのがFEのお約束。

ところが、本作ではあろうことかシューターが増援として出現する。突然壁の向こうにシューターが湧けば、自軍の柔らかい後衛職が狙われたりして大混乱となるため、油断ならない兵種である。

 

新・紋章の謎

スナイパー

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新・紋章の謎で、速さ上限の高さにおいて3本の指に入る兵種。

本作では、敵が全体的に高いHPと低い守備力を持っていることから、重い一撃より軽い2回攻撃が重視される。そのため、極度の速さ至上主義に基づいたゲームバランスとなり、速さの高いスナイパーの果たす役割も大きい。

スナイパーは速さが29まで伸びるため、専用魔法が厄介なソーサラー(上限25)や錬成トロンが危険な賢者(上限25)を1回の戦闘で倒せる。今作では魔法職の速さはいずれも25までしか伸びないため、スナイパーは魔道士キラーとしてはうってつけ。ロングボウを持てば、グラウアー持ちソーサラーを無傷で倒すこともできる。

後述のバーサーカーやホースメンと違い、女性も就ける兵種であるという点が嬉しい。

 

バーサーカー

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速さ上限が28と高く、またアカネイア軍に多い槍兵に対して武器相性で優位に立てるのがウリ。槍兵は、ドラゴンマスターが速さ上限23、パラディンが敵としては上限24であり、いずれもカンストしたバーサーカーなら確実に追撃が取れる。

高い力と必殺率ボーナスで敵兵を次々と粉砕してくれる、頼もしい兵種である。特に、本作最難関と名高い19章を突破するのには欠かせない人材と言える。

 

ホースメン

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速さ上限が30と自軍最高の値を誇り、スナイパーやバーサーカーと違って武器2種を扱え、騎兵であるため移動力も高い、と3拍子揃った優遇兵種。

速さ上限が26である勇者をソードキラーの2連撃で瞬殺できる数少ない兵種である。必殺率を除けば、移動力の面でも武器の面でも、実質的にソードマスターの上位互換。

また、この作品では、他の騎乗クラス(パラディンファルコンナイトドラゴンナイト)の速さ上限が蒼炎・暁に比べて引き下げられているため、ホースメンは唯一の早い騎兵として重要なポジションを占める。特に、終盤は増援や村破壊の関係で移動力が欲しくなる場面が多いため、ホースメンの出番は多い。

但し、優秀な上限に反して兵種基礎能力値は低めで、育成にやや時間がかかるのが弱点。

 

覚醒

勇者

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太陽地雷戦法で有名な兵種。

スキル「太陽」とは、攻撃時に一定確率で与ダメージの半分のHPを回復できる、というもの。つまり、自分の手数さえ多ければ、敵からダメージを喰らっても即座に回復を行うことができ、いつまでも死なない、ということになる。仕様変更により「太陽」と必殺が同時発動するようになり、大回復が狙えるようになったこともあって、不死身の勇者でマップをごり押す戦法が人気となった。

太陽地雷には高威力の間接斧が必要となるが、ここで役立つのがスキル「武器節約」。このスキルは、究極的には耐久度を消費せずに武器を使えるというものであり、トマホークやスワンチカといった強力な斧を気兼ねなく使える。

これらの優秀なスキルのお蔭で、味方としては本作で最も便利な兵種といえる。

 

ソーサラー

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太陽地雷と双璧をなす、リザイア地雷戦法が強力な兵種。

過去作では貴重品だったリザイアが本作では店売りされるようになったことで、リザイアを唯一使用可能な上級職であるソーサラーの地位も大きく向上した。

こちらも勇者と同じく、敵の攻撃を食らった際にリザイアで体力を吸収することで、不死身の守備力と殲滅力を発揮することができる。

さらに、スキル「復讐」の効果により、ピンチに追い込まれるほど回復力が増すため、しぶとさは見た目以上。従来の魔道士と違って守備の兵種基本値が高いのも嬉しい点。

勇者と比べると、吸収効果が確定発動であるという長所があるが、リザイアが高価なため財布に厳しいという短所もある。

 

アサシン

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新紋章までのFEの基本戦術は、壁役が敵をせき止めている間に、全軍で敵を叩く、というもの。本作では、そんな戦術を阻止するような敵が追加されている。

その筆頭がアサシンであり、標準装備のスキル「すり抜け」の効果により、自軍の壁はほとんど意味を成さないものになる。アサシンから柔らかい後衛職を守り抜くことは極端に難しく、本作で最警戒の兵種と言える。

また、スピードが異常に高いのも特徴で、21章の時点で速さは40以上にもなる。これに追いつく速さのユニットは自軍には殆どおらず、ドラゴンマスターのような遅い職業などはこの時点で精々速さ20程度という体たらく。

後衛職でなくともアサシンに追撃されて即死する可能性は十分にありうるため、油断ならない兵種である。

 

ダークペガサス

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高機動+飛行系+魔道士。今までの強敵をミックスして更なる強敵へと進化した兵種である。

ペガサス系と言えば火力が低いのが欠点だが、ダークペガサスに関しては魔力がやたらと高く、弱点が無い。自軍のダークペガサスは力も魔力も微妙なメンツばかりなのに、敵だけ優れたパラメータで登場し、何とも不条理を感じる。

また、飛行特効のあるレクスカリバーを持っている個体が多いのも厄介。飛行兵には飛行兵をぶつけて空中で殲滅…というような対策も取れない。結局、遠方で処理することができないまま本陣に迫られ、壁であるジェネラルや勇者が魔法の連撃を喰らって落とされる、というような事故が多発。

グリフォンナイトやアサシンといった物理系兵種と混じってと飛んでくることが多いのもタチが悪く、迎撃態勢が取りづらい。

何とも嫌な敵である。

 

if

剣聖

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従来のソードマスターの弱点と言えば、①火力が足りず、②間接攻撃ができず、③槍兵には対抗できない、という点だった。

このうち、火力に関しては、スキル「流星」「剣の達人」でカバー。

また、射程2の攻撃ができないという弱点も、小太刀や飛刀の登場で消え去った。

更に、逆刀の登場により、剣しか使えずとも槍兵に対して有利に戦えるように。

もともとパラメータ自体は高水準だったため、これらの弱点克服を受け、自軍の作戦の根幹を担う強クラスとなった。

特に、白夜ルートでは敵に斧兵が多いため、高い速さと回避+10の兵種補正を活かし、避ける壁として大活躍できる。暗夜ルートでも、高い技と必殺+10の兵種補正を活かし、厄介な弓聖やバーサーカーをクリティカルで抹殺してくれる。

兵種補正が強力、という意味では封印のソードマスターと同じような強みを持つと言える。

 

上忍

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武器が2種類使えるのに達人スキルを取得でき、合計20%の兵種補正も持っているという謎の優遇クラス。

洞窟や城内といった狭い場所で間接武器を投げてきたり、蛇毒や四牙で守備貫通ダメージを与えてきたり、ターン制限マップで能力ダウン付与による時間稼ぎを狙ってきたりと、嫌がらせの達人である。

回避率もやたら高く、相性の良いはずの斧ですら大して当たらないのも厄介。

装備品の手裏剣も、間接物理武器なのに追撃可能かつ暗器より威力が高い、と本作では優遇されている。

果ては「負の連鎖」で自軍ユニットのパラメータをガタガタに落としてしまう。

このように、様々な要素が絡み合い、本作で最も厄介な敵の一つとなっている。

諜報が本来の仕事なのに肉弾戦まで強いとは、ニンジャスレイヤーの影響でも受けているのではないかと推察される。

 

弓聖

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習得スキルの差し替えと弓の仕様変更により、一気に覚醒したスナイパー。

下級職で習得できる「先手必勝」は緩い制限で攻撃力を4も上げることができ、「弓の達人」と合わせれば攻撃力が9アップ。本作では弓自体の威力も斧並みに上がっているため、従来作とは比べものにならない火力職となっている。

加えて、命中率を40%も上げる「凶鳥の一撃」が優秀。本来なら攻撃が当たらずに苦戦するはずのボスに易々とダメージを与えることができる、というだけで一軍登用の価値がある兵種となっている。

弓が3すくみに加入したことにより、槍聖・上忍・山伏などに対して役割が持てるのも嬉しい。

このように、味方として強いぶん、敵として出てきたときは警戒が必要。必殺+10の兵種ボーナスが危険で、また「カウンター」を装備していることもあったりして、迂闊に手を出せない難敵となっている。

 

まとめ

このように、明らかに周囲より強く設定されている兵種が各バージョンごとに存在していることが分かります。全体の傾向としては、今まで弱かったクラスやパッとしなかったクラスが、テコ入れによって強クラスとなることが多いようです。

逆に、強すぎるクラスにはバランス調整が入りますので、2作連続で最強の座に居座ることは無いようです。ここから考えると、次回作では上忍や剣聖は弱体化し、代わりに今までスポットライトが当たらなかったようなクラスが強化されることでしょう。

今まで戦闘で微妙だったクラスと言えば… グレートナイト・ダークナイト・ウォーリアー・ファルコンナイトなどでしょうか。次回作以降では、こういった兵種が一転して強クラスとなる所を、ぜひ見てみたいものです。