世界樹の迷宮における植物モンスターの造形

世界樹の迷宮」シリーズは植物系モンスターのデザインがかなり練られているな、と感じるこの頃。

気になったので、植物系モンスターの造形について調べてみました。

 

世界樹の迷宮シリーズは、難攻不落の樹海を勇敢な冒険者たちが踏破していくというゲームで、森が舞台という性質上、手強い植物系モンスターが多数登場します。

しかし、植物をモンスターにするというのは結構難しいもので、純然たる手強そうな植物モンスターを作ることは困難です。

その手頃な例がポケモンシリーズです。

ポケモンで顕著なのが、次のような、植物系モンスターのマスコット化です。

チェリンボスボミーチュリネ

いずれも、植物に対して不用意に目・口・手・足といったパーツを付け加えたがゆえに、何だかゆるキャラなようなモンスターができてしまっています。

安易なマスコット化は、ファンシーなゲームなら許されますが、世界樹の迷宮のようにモンスターと極限の命のやり取りを迫られるゲームには全く適していません。

 

 

マスコット化を避ける方法として、同じくポケモンで顕著なのが、次のような動物化です。

ジュカインドダイトスドレディア

ジュカインはトカゲ、ドダイトスはカメ、ドレディアは人間らしき何かをモチーフにしたモンスターです。

この系統のモンスターは、マスコット系モンスターよりいくぶん強そうに見えますが、これでは植物というより動物メインのモンスターです。

こういうのもファンシーなゲームなら許されますが、世界樹の迷宮シリーズのようなゲームでは、動物系モンスターとの差別化ができていないためNGです。

 

 

世界樹の迷宮シリーズでは、植物モンスターを動物化もマスコット化もさせないようにかなり工夫がされているようです。

その例を、以下でいくつか見ていきたいと思います。

 

 

ラフレシア

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マスコットらしくも動物らしくも無く、純粋に植物として強そうなモンスターとして真っ先に挙げられるのが、このラフレシアです。

モンスターのデザイン上の工夫としては、

  • 安易に目や口を付けない
  • 代わりに花を顔っぽく見せる
  • 棘と毒々しい配色で危険性をアピール

といった方法でマスコット化や動物化を防いでいるようです。

 

螺旋の水泡樹

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正体不明の植物系モンスター。

世界樹の迷宮においては、行動の予測ができないモンスターというのは本当に危険です。

得体の知れない外見にすることで、プレイヤーに戦法を予測させないようにし、手強く見えるように工夫されているモンスターと言えるでしょう。

また、例によって目・口・手・足といったパーツを省くことにより、マスコット化が回避されています。

一方、水泡の中で燃える火が目のように見え、また枝が手のように見える、といったデザインとなっています。

 

ヤシの木お化け

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やはり目や口を省くスタイルですが、一応、葉っぱの集合が顔っぽくは見えます。

名前と外見から何となくネタっぽい雰囲気が漂いますが、実際はスキル「ヤシの実アタック」が痛い強敵です。

デザイナーのコメントによると「オーダーされると困る種類のお題のモンスター」だそうです。

確かに、ヤシの木をモンスターにしろという注文が来れば困るでしょうね。

 

危険な花びら

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ラフレシアと同じく、棘と毒々しい配色で危険性をアピールし、顔のパーツを排除することでマスコット化を回避しています。

花びらが顔っぽく見えるのもラフレシアと同じです。

世界樹の迷宮1では、花弁に入ったスジが目のように見え、より危険な感じの見た目となっていました。

 

ニチリンソウ

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デザイナーの長澤氏によると、ヤシの木お化けと同じぐらいデザインの難易度が高かったモンスターとのことです。

確かに、ニチリンソウは他のモンスターと違って顔っぽい部分や手っぽい部分を持たず、かなり特異な造形となっており、作るのに苦労するというのも頷けます。

デザインとしては、向日葵の花を下に向け、その上に向日葵のタネっぽいパーツを配置し、さらにその上に葉を2枚を配置するという奇抜なもの。

植物系モンスターにお馴染みの、毒々しい色の棘も確認できます。

ニチリンソウは最も弱い部類のモンスターですが、デザインも危険性の薄さをうまく表現している気がします。

 

人食い草

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物騒な名前のモンスター。

今までのモンスターと違って口が存在しますが、これはハエトリソウが原型となっているからでしょう。

口はあれども目は無い、という点が不気味さを醸し出しており、迷宮に棲むに相応しいモンスターとなっています。

 

うごめく毒樹

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目も口も手も足もあるのに、マスコット化も動物化もしていない稀有な例。

これは、うごめく毒樹のモチーフとなっている枯れ木お化けが、目・口・手・足を持っているからでしょう。

このように、モデルに正当な理由があれば、植物系モンスターに顔や体のパーツを持たせても良いことが分かります。

 

迎え撃つ覇王樹 / 幻惑の飛南瓜

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こちらも、目・口・手・足が存在するパターン。

但し、うごめく毒樹と違い、マスコット化に片足を突っ込んでいるように見えます。

これは、サボテンやカボチャに手足が生えていることを正当化する根拠が存在しないことが原因でしょう。

 

マンドレイク / トリップマッシュ / 爆弾カズラ

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完全にマスコット化している例。

マンドレイクなどは、世界樹の迷宮43DSホーム上でのアイコン選択時に出てくるキャラですので、文字通りマスコットであると言えます。

これらのモンスターがマスコットっぽく見えるのは、目・口・手・足のうち2つ以上のパーツを保持していることと、1頭身であることが要因でしょう。

(但し、爆弾カズラの表面にあるのはただの窪みだそうなので、目や口があると言うと語弊がありますが…)

 

アルルーナ

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こちらは動物化している例。

モンスターの体と人間の頭が突然接続するデザインは世界樹お家芸です。

 

まとめ

以上より分かる、迫力ある植物系モンスターをデザインするための必要条件は、次のようになります。

  • 目や口は極力省かなくてはならない。
  • 顔・手・足といった構造も存在しないほうが良い。但し、花弁や枝が顔や手に見える、という程度ならセーフ。
  • 1頭身にしてはならない。

 

次回作である世界樹の迷宮5でも、魅力的な植物モンスターが登場することを願っています。

ファイアーエムブレム紋章の謎 プレイ日記2

第1回に引き続き、 SFC紋章の謎のプレイ日記を書いていきます。

 

8章:ソウルフル・ブリッジ

DS版との相違点

  • DS版では何ターンか猶予をくれたジェネラル部隊が、1ターン目から動いてくる。これによって、橋の上でジェネラル部隊と戦うことに。ジェネラルは狭い場所で光る兵種なので、DS版よりやや対処が難しいと言える。
  • ハーディンが動く。ダメージの通らない敵将が動くって、しっこくハウス並みに反則だと思うんだけど… このため、DS版と違って、勇者を狩っての経験値稼ぎはできない。
  • ジョルジュがマルスで説得できない。これに気づいたのが制圧直前だったため、ゴードンを連れてくるために、マップをやり直すはめに…

攻略

 

 

9章:魔道の聖域

DS版との相違点

  • マップ南の海が狭い。このせいで、アストリア隊を海に沈めて身動きを取れなくする戦法が使いづらい。
  • 傭兵隊にスナイパーが混ざっている。DS版ではドラゴンナイトで安全に傭兵隊を誘導できたが、SFC版では弓攻撃に気を配る必要があり、かなり面倒。
  • 敵のほとんどが待ち伏せ型なので、こちらから近づかない限り攻撃してこず、安全に攻略を進められる。

攻略

  • マルスは村訪問。傭兵隊はシーダで誘導して池ポチャ。その隙に本隊が城を攻めてクリア。

 

 

10章:魔道士二人

DS版との相違点

  • 何故か魔道学院の外部に障害物ができている。宝箱はシーフの杖でしか回収できない。
  • シルバーカードの取得条件が、シスターの生存ではなくシーフの撃破になっている。シスターを殺して経験値を稼げるので、この仕様は嬉しい。
  • エルレーンを説得すると、敵全員が撤退を始める。敵は自軍を殴ってこないため、出口を塞いで渋滞させれば、経験値の山に早変わり。DS版と比べて凄いヌルゲーである。

攻略

  • マリクをレスキューしてその場で待機。そのままエルレーンが突撃してくるのを待って、ウェンデルで説得。最後に逃げる敵兵をおいしくいただく。

 

 

11章:アンリの道

DS版との相違点

  • 飛竜の数が少ない上、突撃型に切り替わるのが遅い。DSでは飛竜がかなり鬼畜だったが、SFC版では大した脅威にならなかった。
  • 飛竜の攻撃が貫通する。どうも竜のブレスは守備力無視の攻撃らしい。つまりHPの高いキャラが有利になる、と。守備ではなく高いHPで敵の攻撃を受ける、というゲームバランスはDS版と変わらない。
  • 敵の蛮族がやたら硬い。DS版の蛮族はスピード重視の兵種だが、こちらは力・守備重視。蒼炎の蛮族みたいなステータスである。
  • 蛮族が砂地をノーコストで移動できる。さすが蛮族。
  • バーサーカーなのに剣を使う敵がいる。

攻略

 

 

12章:火竜の墓場

DS版との相違点

  • 火竜にブリザーが特効。DS版では火竜のタフさに苦労したが、SFC版ではマリクで瞬殺。
  • マップ南部が屋内扱いになっている。同じ橋でもドラゴンナイトが立ち入れる場所と立ち入れない場所があるという謎。
  • 星のピスケスが宝箱から手に入る。DS版では火竜のドロップ品だった。
  • 砦がたくさんあるのに、増援が出てくるのは下の砦のみ。DS版では色々な砦から増援が湧いて苦戦したが、今作は結構マイルド。
  • 蛮族が揃ってデビルアクス装備。やたらと火力が高く、安定して2発受けきれる見方がいない。3すくみも存在しないため、剣で回避するわけにもいかないし。この点に関してはSFC版の方が難しかったと思う。

攻略

  • マリクで火竜を釣って撃破、の繰り返しで突破。

 

 

13章:氷の大地

DS版との相違点

  • 氷竜がミミズみたい。マップ上だと明らかに地面から生えてるように見えるんだけど、さすがにおかしくない!?
  • 飛竜の配置数が少ない。DS版のいやらしい飛竜の配置が無くなっていて良かった。
  • 氷竜の増援が出てくるタイミングが違う。DS版では中央の島に進軍した瞬間に周りの砦から増援が湧くので危険極まりなかったが、SFC版では単なるターン経過で氷竜が湧くため、初期位置付近で待っていれば安全に増援に対処できた。

攻略

  • マリクで氷竜を釣ってファイアーを当てる、の繰り返し。彼は本当にドラゴン退治に大活躍してくれる。

 

 

14章:明かされた謎

DS版との相違点

  • ダークマージが居ない。DS版でボルガノンやトロンを使うダークマージに苦戦させられたのが懐かしい。
  • 敵が全然突撃してこない。こちらに向かってくるのは盗賊だけで、氷竜は連動しない待ち伏せ型なため、安全に攻略できた。
  • ガトーの罠が存在しない。DS版ではガトーに話しかけた直後に増援が出るという危険なサプライズがあったが、今作のガトー様は優しい。

攻略

  • 盗賊はドーガで受け止め、氷竜はユミナがエルファイアーで駆除。

 

ここまでのまとめ

SFC版の最大の特徴は、やはりドラゴンが貫通攻撃をしてくる所かと思いました。

自軍にはドラゴンの攻撃を2発受けられるユニットは居ないので、釣り方をかなり工夫する必要があります。

また、貫通攻撃が飛び交う場では、守備や魔防の価値が薄くなり、逆にHPの価値が上がります。

その割にHPの上がるキャラが少ないので、やはりドラゴンに対しての苦戦は免れません。

ファイアーエムブレム紋章の謎 プレイ日記1

最近、SFCのゲーム「ファイアーエムブレム 紋章の謎」を始めたので、プレイ日記を書いていこうと思います。

私は「新・紋章の謎」のルナティックモードはクリア済みなのですが、SFC版をやるのは初めてなので、その辺の違いなどについて感じたことを書いていきます。

 

 

1章:グルニア遠征

気づいたこと

  • 前日編が無いので、ストーリーの始まり方が唐突に思える。
  • 城へ向かう道が山ばかりになっている。DS版では騎兵やアーマーも通れた道が、SFC版ではマルスぐらいしか通れない。何この制限…
  • ソシアルナイトが下馬できる。一体何のメリットがあるんだろう…?
  • 無傷の人に対してライブを撃てる。シスターのレベル上げが捗る反面、道具屋にライブが売られていないので、使いすぎには注意しなければいけない。

攻略

  • 城へ向かう道をマルスが堰き止めてクリア。 

 

2章:マケドニアの反乱

気づいたこと

  • カチュアに盗賊を追わせると、どうしてもドラゴンナイトの攻撃範囲内に入ってしまう。あれー、DS版ではドラゴンを避けれたのに?
  • アランの取得経験値が結構多い。上級職なのに、下級職を倒して経験値が30ぐらい貰えたりする。凄い。
  • 特効威力がしょぼい。弓でドラゴンを撃ってもダメージが15ぐらいしか入らない。特効計算式が違うのかな?

攻略

  • カチュアは開幕から盗賊を倒すが、その際にDK1体を釣ってしまうので、DKを引き連れて本陣へ帰還。本隊は突撃型の敵を排除した後、カチュアに迫るDKを撃墜し、最後にボスを倒す。

 

3章:連れ去られた王女

気づいたこと

  • DS版と違い、海上のドラゴンナイトが連動しない。1匹ずつドラゴンナイトを釣ることができるので、ライアンの良い餌だった。
  • シューターが脆い。DS版だと防御力自慢の敵なのに、この差は何なんだろう。
  • シューターの武器使用回数が無限。弾切れ法が使えない!
  • 山上のドラゴンナイトが全く動いてこず、武器屋に入った途端に突撃型に切り替わる。DS版だと海上のドラゴンナイトと一緒に突撃してきたはず。

攻略

  • 左から大回りしてジュリアン村に向かい、北からボスの城を攻める。

 

4章:喜びと悲しみと

気づいたこと

  • オグマとシリウスがバイキングより強い。DS版のルナティックモードだと海賊に手も足も出なかった2人が、まさかSFC版では海賊相手に無双できるとは。見直したよ。
  • シリウスが自分からオグマに話しかけてきて驚いた。でも、考えてみればこれがあるべき姿だという気もする。DS版だと、何ターン経っても聖騎士が海賊の中に混ざって動かないので違和感満載だったが、SFC版はすぐシリウスが仲間入りするので自然な感じ。
  • レスキューがユミナ専用。な…なんで…? 神器でも何でもないただの杖なのに…
  • シーダがキラーランス持参。大盤振る舞いだね!

攻略

  • DS版ならユミナで強そうなユニットをレスキューする所だが、今作ではシリウスとオグマが強いので、他の人のヘルプなど全く不要だった。

 

 

5章:グルニア解放

気づいたこと

  • 兵種変更ができないため、ドラゴンナイトで湖を越えて村を守りにいく戦法が使えない。危険を冒して敵の群れに突撃し、盗賊を撃破するしかない。
  • 1ターン目からリカードを仲間にできる。良心的配置。
  • 敵魔道士の装備がファイアー。ルナティックだとこの時点でボルガノンが標準装備だったので、何だか和む。
  • ハマーン村の周囲が山ばかりになっている。盗賊の進軍を遅らせてくれるので有難い。
  • 司祭にリブローを使われても、ドロップ品の耐久度が消耗しない。DS版ではいかにリブローを使わせないか苦心していたのに、SFC版は優しい。
  • トラースの攻撃力が7しかない。なんだこいつw

攻略

  • 開幕後、逃げる盗賊はシリウスが突撃して殲滅。さらに橋を渡ってシューター部隊を撃破。西からも盗賊が湧くので、ドラゴンナイトを釣りつつ並行で盗賊退治。

 

6章:悪の巣

気づいたこと

  • ライブしか装備していない司祭が居る。なんて良心的な敵なんだろう。
  • スナイパーが出現しない。DS版では扉の向こうのスナイパーに何度やられたことか…

攻略

  • 増援はドーガで堰き止めて対処。扉は左側から開き、すぐにオグマでサムトーを仲間に。ラングはオグマがアーマーキラーで切り刻んだ。

 

7章:紅の剣士

気づいたこと

  • ナバールが盗賊より強い。DS版では盗賊1体を倒すのがやっとだったナバールだが、SFC版では盗賊相手に無双できる。カッコいい!
  • ダールの速さが24じゃない。DS版だと強ボスだったダールも、この時点ではモブの一角に過ぎない。
  • 味方にダメージが通らない場合、敵兵が攻撃を仕掛けてこない。いやらしさに定評のある暗夜AIは、この時代から健在だった。

攻略

  • 盗賊はナバールで無双。増援は、魔道士をカチュアで誘導、アーマーをシリウスで誘導して、個別に対処。最後はアストリア隊にちょっかいを出しつつ制圧逃げ。

 

ここまでのまとめ

DS版とSFC版の違いが色々と見えてきましたが、どうもDS版の方がSFC版より意地悪な調整がされている気がします。

時代とともにゲームの難易度が上昇してきたのだということが良く分かります。

大物悪役たる条件(ファイアーエムブレム)

ファイアーエムブレムシリーズには多種多様な悪役が登場しますが、その中でも大物の悪役はストーリーを左右する重要な役割を担っています。

しかし、悪役の殆どは小悪党であり、大物の悪役は一握りしか居ません。

これだけ少ないということは、大物の悪役というのは、作者からすればやや役作りが難しいのではないかと見えます。

そこで、小物の悪役と大物の悪役の違いを考え、そこから大物の悪役に必要な資質を考えてみました。

大物の悪役は、小物の悪役と違って、プレイヤーから一目置かれる存在だということになります。

つまり、風格が備わっていたり、何らかの評価点や見どころがあったりします。

例えば、カミュ(暗黒竜 / グルニア将軍)であればその騎士道精神と愛国心から来る強い信念は評価点と言えますし、ハーディン(紋章 アカネイア皇帝)はどれだけアリティア軍に攻め込まれようと全く動じない風格を持っています。

一方、個人的に小物の代表だと思っているラング(紋章 アドリア侯)やロアーツ(封印 エトルリア宰相)は、敵が来るとすぐビビりますし、私腹を肥やすことが目的なので強い信念は持ち合わせていません。

評価点や風格という意味では、大物悪役には有って小物悪役には無いような要素は、次のようなものになると思います。

  • 人望がある
  • 自分なりの正義を貫き通す
  • 優れた人物だが正気ではない
  • ピンチに動じない
  • 野望が大きい
  • 圧倒的な手腕や実力を持つ

以下では、これらの要素を1つずつ検証していきたいと思います。

因みに、どのキャラが大物悪役でどのキャラが小物かという判断は、私の主観に依ります。

 

1:人望がある

たとえ悪事を働く人間であろうと、部下に慕われていたり同僚から信頼されていれば、プレイヤーからは「器の大きい人物なのかな?」と思われ、一目置かれる存在となります。

例えば、ジェルド(暁 帝国駐屯軍将軍)と言えば主人公ミカヤの仇敵であり、また部下や無抵抗の民を殺したりする外道な面を持つ人物ですが、部下のアルダー将軍によれば、駐屯軍の兵士から慕われているそうです。

このことはアルダーがジェルドを庇って命を落とす場面からも明らかであり、少なくともアルダーからは全幅の信頼を得ている様子です。

こんな上司を慕うなどというのは、一見すると理解不能な発想にも思えます。一方で、駐屯軍を全て切り捨てようとしたヌミダ公爵とは異なり、ジェルドは帝国騎士としての誇りや粘り強さは持ち合わせています。兵士の立場に立ってみれば、一般兵の立場に近いジェルドの方に従いたい、という事になるのかもしれません。

普段の行いはゲスですが、部下に慕われてるという点で大物っぽさを醸し出している人物と言えましょう。

同様のことはロイド(烈火 四牙)にも言えます。

彼も、弟のライナスから信頼されている点やニノに懐かれている点から、単なる敵役ではなく、見どころのある人物となっています。

逆に、小物悪役には味方からの人望や信頼を欠いている例が多いですね。

ガンズ(if / 暗夜王国近衛隊長)は王子王女から嫌われ、ギャンレル(覚醒 / ペレジア王)は部下の兵士たちに逃げられ、ダーレン(烈火 / ラウス侯)は領民からの信頼も薄く、ジオル(暗黒竜 / グラ王)は娘にすら恨まれています。

敵組織内での評価はプレイヤーからの評価にも繋がるため、人望の有無が大物と小物の差に影響を及ぼすと言えます。

 

2:自分なりの正義を貫き通す

プレイヤーから見れば敵対する立場であっても、そのキャラクターなりの正義や信念をひたむきに貫き通す意思が見られれば、おのずとキャラクターの評価は上がり、大物っぽさが出ます。

この例として挙げられるのがミシェイル(暗黒竜 / マケドニア王子)です。

ミシェイル王子は主人公マルスから見れば敵国ドルーア帝国の同盟国の総大将という敵役であり、また父王を暗殺して玉座を奪い取ったという行為も作中では悪行として語られています。

一方で、リスクを冒してでもマケドニアを大国にしたいという熱意や、アリティア軍に本拠地まで迫られても臆せず戦い抜こうとする覚悟は、評価に値する心意気であると言えます。

こういった姿勢は、死ぬまで厳格な王子であり続けたマークス(if / 暗夜王子)、クリミアの国益を守ろうとする気概はあったルドベック(暁 / フェリーレ侯)、様々な危険を冒してもゼフィールを守ったマードック(封印 / ベルン王国将軍)、などにも見られます。

こういう信念があるからこそ、大物っぽい役回りができると言えましょう。

逆に、小物な悪役は強い信念を持たないため、目的をすぐに諦め、放棄してしまいます。

例えば、アルカルド(封印 / 西方三島総督)はエトルリア王都を守ろうとせずすぐに逃げてしまいますし、ヌミダ(暁 / 元老院議員)は私兵を守ることを簡単に諦めてしまいます。

このように、目的意識と、それを貫き通す姿勢を持つことが、大物悪役への第一歩と言えます。

 

3:優れた人物だが正気ではない

魔法などで操られておかしくなっているものの、本来は評価すべき点を持つ人物であった、というパターン。

例えば、ハーディンは闇のオーブで操られて正気を失っていますが、本来はマルスと並んで暗黒戦争の英雄であり、その手柄を惜しげもなくマルスに譲るという謙虚さも持ち合わせています(後付け設定感満載ですが)。

また、帝国に命を狙われていたニーナを匿って守り抜いたという実績もあり、タリスでぬくぬくしていたマルスとは違うわけです。

これが下衆で外道なボスであったならばシナリオも盛り上がりませんが、一方で有能で人格者な悪役を出せば、大物っぽさが出てプレイヤーのやる気も上がるというものです。

但し、有能な人格者は普通に考えて悪役とはなり得ませんので、そこは操られているという設定で敵に回ってもらうわけです。

他に、魔道の才能や優しい心を持ち合わせながらも魔王に操られているリオン(聖魔 / グラド皇子)、カリスマ性ある王だったが死後に傀儡となっているガロン(if / 暗夜王)、妻と子供を愛するいいパパだったが闇魔法のせいで狂人となったネルガル(烈火 / 黒い牙首領)、といったキャラがこの例に当てはまります。

 

 

4:ピンチに動じない

危機に瀕しても全く動じない胆力があれば、大物っぽい風格も醸し出されるというものです。

例えば、アシュナード(蒼炎 / デイン王)はいくらクリミア軍に攻め込まれようとも、全く慌てふためく様子を見せません。

寧ろ、敵の進撃する様子を見て「計画通り」とほくそ笑む姿は、まさに大物の鑑。

そのように落ち着き払ったふてぶてしい笑みを浮かべる敵が居てこそ、プレイヤーも挑戦心を煽られるわけです。

ルカン(暁 / ガドゥス公)も、負の女神の使徒の進撃を見ても、他の公爵と違ってどっしり構えた態度を取っており、大物っぽさが出ています。

まあ、彼は最終的にはただの勘違い野郎だったわけですが、一応4部の途中までは強大なボスっぽくも見えなくはないでしょう。

他にも、ゼフィール(封印 / ベルン王)、アルヴィス(聖戦 / ヴェルトマー公)、といったような敵の総大将は、多少のピンチにも落ち着いて対処する人物なので、大物っぽく見えます。

逆に、危機が迫るとすぐに慌てふためく悪役は小物っぽく感じます。

例えば、レイドリック(トラキア / マンスター王)は、レンスター軍が城門を破るや否や、ベルド司教に泣きつきます。

「待ってください、ベルド司教 あなたに見捨てられたら我らは…」というセリフからは、何とも小物な感じが漂います。

他にも、シグルドたちが攻め込んでくるや否や焦ってアルヴィスに詰め寄るレプトール(聖戦 / フリージ公)、ビビッて敵前逃亡を図るエクセライ(覚醒 / ヴァルム帝国軍師)、レオンにちょっと脅されただけですぐ顔面蒼白になるマクベス(if / 暗夜王国軍師)などは何ともコミカルな小悪党的側面を持っています。

このように、危機に際して落ち着きがあるか否かが、小物と大物を分けるポイントとなります。

 

5:野望が大きい

大物にはそれに相応しい大きな目的があるものです。

例えば、メディウス(暗黒竜 / ドルーア皇帝)は人類を滅ぼして竜の国を作るという、大陸スケールの目的を掲げています。

ベルド(トラキア / ロプト教団司教)も、トラキア半島の国家同士を潰し合わせ、引いては暗黒神の復活を目指すという目的を持っています。

トラキアは全体的に普段よりスケールの小さい話が展開されますので、通常営業のベルドが相対的に大スケールに見えると言えます。

同じく、人類を滅ぼしたり全世界を掌握したり、といった目的を持つ敵としては、ガーネフ(暗黒竜 / 魔王)、マンフロイ(聖戦 / ロプト教団大司教)、フォデス(聖魔 / 魔王)、セフェラン(暁 / ペルシス公)、ファウダー(覚醒 / ペレジア王)、などが挙げられます。

こういう巨大な構想と、それを実現する実力を持った人物が現れれば、否応なしにプレイヤーはそれを大物の悪役と認識します。

逆に、目標が小さかったり、意義の薄いものであるような敵役は、小物と認識されやすいです。

例えばケンプフ(トラキア / フリージ軍将軍)はラインハルトに一泡吹かせることが、バルテロメ(暁 / クルペア公)はゼルギウスに復讐することが目的となっており、まあ人類滅亡や国家掌握よりは小さな目標と言えるでしょう。

金銭を得ることが目的の海賊たちや、私腹を肥やすことが目的の貴族たちも同様です。

このように、目的のスケールの大小で、大物っぽさが変わってくると言えます。

 

6:圧倒的な手腕や実力を持つ

敵対勢力の人物であっても、その人がとんでもなく仕事ができたり、また戦いが滅茶苦茶強かったりすると、大物に見えます。

滅茶苦茶強い人物として挙げられるのが漆黒の騎士(蒼炎 / デイン王国将軍)です。

彼は主人公アイクにとっては父の仇たる悪役なのですが、戦闘力がラスボス並みに強く、マップ初登場の11章の時点では全く敵いません。

こういう敵は、圧倒的な強さを持つというだけで大物に見えますし、プレイヤーとしても漆黒の騎士に勝つことがゲームの1つの目標となり、やる気が出るわけです。

デギンハンザー(暁 / ゴルドア王)も同じ感じで、作中では「ラグズは強い。その中でも竜鱗族は強い。竜の中でも黒竜は更に強い。黒竜の中でも、あのオヤジは最強だ!」といった感じでひたすら持ち上げられています。

ヴァルハルト(覚醒 / ヴァルム皇帝)も、大陸1つをまるまる統一するという手腕を見せ、「これは凄いな」とプレイヤーに思わせてくれます。

ヴァルハルトのように凄い手腕を持っていると大物に見えるわけですが、逆に仕事っぷりがヘッポコだと小物に見えます。

例えば、ナーシェン(封印 / ベルン王国将軍)が良い例で、西方三島でリキア軍を処分する仕事をしくじり、ミスル半島ではギネヴィアを奪還され、ナバタ攻略の作戦は放置し、といった感じで全く良い所がありません。

このように、手腕や実力の有無で、悪役が大物に見えるか小物に見えるかが変わってくると言えます。

 

まとめ

以上のような条件を満たしていれば、その悪役は大物っぽく見えるというように思います。

但し、条件を1つだけ満たしている程度ではダメです。

例えば、ガンズは「4:ピンチに動じない」の条件を満たしていますが、まだまだ小悪党の領域です。

まあ条件を3~4個満たしていれば大物と言えるのではないでしょうか。

もし自分で悪役を考え出す必要がある際は、こういった要素を考慮すると良いのかもしれません。

 

リズム天国のゲームのパターン分類と難易度向上手法

リズム天国シリーズには色々なゲームが登場しますが、この中には似たような性質を持ったゲームのグループがあることが分かります。例えば、「モアイソング」「シューティング」「恋の実験室」といったゲームは、お手本と同じリズムをリピートするというタイプのゲームです。また、「ウラオモテ」「タップスター」「ボッサレシーブ」といったゲームは、2つのリズムを切り替えるというタイプのゲームです。このようなゲームのタイプを数えると、全てのゲームは大体6つのパターンに分けられると思います。以下では、各パターンのゲームの特徴を考えてみました。

また、同じパターンのゲームは、どうしても内容が似通ってしまいます。例えば、「まほうつかい」と「応援団」はいずれもお手本をリピートするゲームですが、音楽こそ違えど両者のルールは全く同じです。別のソフトに同じルールのゲームがあるのは良いとして、同じソフトの場合は何らかの差異を付ける必要があります。差異の付け方としては、後に登場するゲームほど難しくなるように、難易度面で差を付けるのが良いでしょう。このような難易度調整の方法はゲームのタイプごとに異なるのですが、面白そうなので一緒に考察しました。

 

 

テンプレート型

最初に提示されたリズムと同じリズムを、ひたすら繰り返し続けるパターンのゲームです。当然ですが、単なる繰り返しのみでは、簡単すぎてゲームになりません。繰り返しの中に仕込まれたトラップが、プレイヤーを巧みに惑わせます。

 

 

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このパターンの例として挙げられるのが「ショートライブ」です。このゲームでは、プレイヤーは曲の締めの部分のギターパートを担当します。どんな曲でも必ず締めは同じリズムになりますので、プレイヤーは毎回正確に締めを演奏する必要があります。曲は8曲連続で流れるのですが、そのテンポは毎回様々に変化します。そのため、テンポ変化に対応しつつミスなくゲームを終わらせるのは意外と難しいものです。

 

 

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視覚や聴覚に縛りを加えるのも、このパターンのゲームの十八番です。

「バッティングショー」は、投球→ボール隠蔽→ボール出現が必ず同じタイミングで発生するゲームです。つまり、プレイヤーは必ず同じタイミングでバットを振れ、というわけです。しかし、一定間隔でリズムを刻んでいたはずのバックミュージックが突然曖昧になったり、カメラが急に引いたりして、プレイヤーに与えられる情報が徐々に減るため、ゲーム進行とともに難易度が上昇します。こういった縛りは、入力タイミングが常に一定だからこそ活きるわけですね。

 

等間隔型

等間隔な音が連続で提示されるのですが、その最後の音が欠けている、というパターン。プレイヤーの目的は、最後の音を適切なタイミングで叩くことです。

 

 

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このパターンの代表例は「パチパチ3人衆」でしょう。連続した3音の最後を叩く、というシンプルなルールなのですが、進行に従って音の間隔が伸び縮みし、プレイヤーに揺さぶりを掛けてきます。

(このゲームの場合、叩き方が1通りしか無いため、テンプレート型とあまり変わりませんね…)

 

 

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「パチパチ3人衆」ではプレイヤーが手拍子を打つのは必ず3回目なのですが、続編以降ではプレイヤーが何回目に入力を行うのかが一定しないゲームも出されています。

例えば、上の「ボックスショー2」ではプレイヤーが入力を行うのは2回目/3回目/6回目のいずれかです。照明が消灯するときは必ず3回目なのですが、点灯するときは状況をよく見て判断する必要があります。このときの点灯パターンは5種類存在します。そのうち、チュートリアルで説明されるのは2パターンのみなので、残りの3パターンはプレイヤーが実践で学ぶほかありません。このとき、点灯が等間隔に行われることを踏まえれば、前もってパターンを教わらなくても何とか対応ができるという訳です。

 

 

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入力機会を重複させるのも、このパターンのゲームでは有りがちな難易度上昇法です。

例えば「帰ってきた階段キャッチ」では、前のフルーツに折り重なるように次のフルーツが落ちてきたり、フルーツ2個が半拍ずれて落ちてきたり、後のフルーツが前のフルーツを追い越したりと、プレイヤーを混乱させる仕掛けが満載です。「ホッピングロード」や「古書ガールズ」にも似たような傾向が見られますね。

 

 

復唱型

ゲーム中に提示されたお手本のリズムを、プレイヤーが即座に繰り返すというゲームです。「ゴールド」の時代に隆盛を極めましたが、最近は減少傾向にあるゲームです。

 

 

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このパターンの基本的なゲームとして挙げられるのが「まほうつかい」です。このゲームでは、魔法使いがあるリズムで地面に種をまきますので、続いてプレイヤーが同じリズムでボタンを押せば、その種に花が咲く、というものです。ゲームが進むにつれて、リズムは微妙に複雑になっていきます。

復唱型のゲームですが、性質上、違うゲームを用意しても、見た目が違うだけでルールは同じ、という状況が起こりやすいようです。そのため、難易度を上げたりゲームに個性を持たせたりするのに苦労しているような様子が感じられます。

 

 

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復唱系のゲームに個性付けをしたり難易度を上げたりするために良く用いられるのが、複数の操作を用意するという方法です。例えば、上の「タンバリン」では、サルのお手本に合わせて、タンバリンを叩く/振るの2種類の動作を使い分ける必要があります。

このように別々のボタンの使い分けを求めるゲームの他に、ボタンの通常押しと長押しを使い分けるゲームもあります。例えば、「リズム脱毛」「モアイソング」「コーラスメン」などが長押しの登場する復唱系ゲームですね。

 

 

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動作の種類がやたら多いのが「ロッカー2」です。このゲームでは、ギターを弾く・ギターの音を止める・チョーキング、の3種類の操作が混じったお手本を正確に繰り返す必要があります。また、合図に応じて所定の決めフレーズを演奏する必要があります。最近は、決めフレーズを取り入れたゲームが結構増えていますね。

 

 

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お手本を長くすることで難易度を上げているゲームもあります。「元祖はたらくまんじゅう」では、お手本の長さが通常の倍になる区間が登場。お手本が長いとプレイヤーの記憶はあいまいになるため、簡単なリズムでもミスが誘発されます。

 

 

n択型

最初に教示される複数の動作から適切なものを選び、タイミング良く行うタイプのゲーム。どの動作を行うか、またいつ行うかということに関しては、音声で指示が出ることが多いです。

 

 

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上の「コスモダンス」では、右に傾く・パンチする・座るの3種類の動作を、スペースお姉さんの掛け声に合わせて繰り出します。いずれの動作もタイミング良くボタンを押す必要があるわけですが、そのタイミングをしっかり覚えたつもりでも、前に別の動作を挟むと操作が不安定になったりします。その辺にいかに慣れるかというのがポイントですね。

 

 

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このタイプのゲームの難易度を釣り上げる方法として良く取られるのが、動作の種類を増やす方法とテンポを上げる方法です。

「マッスル人形チャンピオン」では、ジャブ・2連打・倍速2連打・3連打の4種類の行動が登場します。行動が4種類というのは結構多めですし、倍速2連打は予告の声も倍速なので反応が難しいです。画面が全く見えない間に入力を求められるといういやらしさもあり、割と難易度は高め。

 

 

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合図を分かりにくくして難易度を上げている例もあります。n択型のゲームでは、入力機会が来ると、どの動作をすべきかを声や音などで指示してくれる場合がほとんどです。しかし、「カラテ家の父」においてはその指示が電球の色というリズムと無関係のもので行われるため、紛らわしいことこの上ありません。

 

 

連続n択型

最初に示される複数の動作の中から適切なものを選んで合図に合わせて行う、という点はn択型と同じ。ただ、こちらに関しては、何も言われていなくても一定のテンポで特定の動作を常に継続する必要があるという違いがあります。その上で、何かの合図があった場合は、継続中の動作を一旦中断し、別の動作を行います。

 

 

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このパターンの代表例は「ケロケロダンス」でしょう。プレイヤーの取るべき行動は、腰を振る・回転する・ハッハーイ、の3種類。このうち、腰振りについては普段から一定のテンポで行う必要があり、残りの2つの動作は合図があった際に行います。

連続n択型のゲームは、n択型のゲームに比べて入力の機会が多いため、パーフェクトチャレンジの難易度を釣り上げるのに1役買っています。特殊動作から通常動作に戻る際にミスが起こりやすいのもポイント。

 

 

 

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連続n択型のゲームもn択型と同様、動作の種類を増やすことで難易度向上が図られています。例えば、「コスモピンポン」では、プレイヤーは通常返球・ロブ・スマッシュ・高速ラリーの4種類の動作を使い分ける必要があります。そもそものテンポが速いのはもちろん、通常返球以外の動作が入る頻度も上がっており、割と難易度は高めです。

 

 

 

スイッチ型

2つのリズムを使い分けるゲーム。プレイヤーは一定のリズムでボタンを押すことになるのですが、何らかの切り替えの合図が入ると別のリズムに移行し、また合図が入るともとのリズムに戻り…、といった動作を繰り返します。全ゲーム中、最も難しいタイプのパターンです。

 

 

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このパターンの初出はリズム天国ゴールドの「ウラオモテ」です。このゲームは、バックミュージックに合わせて表打ちまたは裏打ちを行うというものです。この際、合図に合わせて表打ち⇔裏打ちを切り替える必要があるのですが、この切り替えの際にミスが頻発。ゲームが進むにつれて切り替えの発生頻度が上がり、プレイヤーを追い詰めます。

 

 

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スイッチ型のゲームは、復唱型や等間隔型のゲームに比べれば、ゲームごとの個性を主張するのが簡単です。リズムの組み合わせを変えれば、今までとは異なったゲームであることを示せますからね。

上の「コンコンズ」は、3連符を刻み続けるというリズムと、3連符のうち3回目のみを休むというリズムの2つを切り替えつつプレイするゲームです。3連符を刻むという点に関しては、ボタンを一定間隔で押し続ければいいので、「ウラオモテ」と実質的には同じ動作となるわけですが、もう片方のリズムが「ウラオモテ」とは全く異なるという点でゲームの個性が付けれらています。

 

 

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普通のパターンであれば、続編が出るごとにゲームの難易度を釣り上げる必要があるわけですが、スイッチ型に関してはもともとの難易度が高すぎるため、むしろ難易度を下げる方法を考える必要があります。

最新作に登場するスイッチ型のゲームである「ごっつぁん兄弟」は、かなり手加減調整をされた難易度となっています。このゲームは力士に四股踏みや突っ張りをさせるというものなのですが、そのどちらもボタンを一定の時間間隔で押し続けるという簡単な操作で実行でき、突っ張りが四股踏みの倍速でボタンを押さねばならないという違いしかありません。結果的に、リズムの切り替えは簡単にできます。ただ、決めポーズを取るのは結構難しいですけどね。あんまり難しいゲームを出しても初心者に投げられるだけなので、こういうマイルド調整もアリなのかもしれません。

「ノーてんき」の英名は? ~訳しづらいポケモン用語~

ポケモンの技・特性・道具の英語名を見ていると、日本語の意味をうまく反映できているものとそうでないものがあることが分かります。例えば、Fire Punch(ほのおのパンチ)やSwords Dance(つるぎのまい)などは文句なしに意味の伝わる直訳ですが、U-Turn(とんぼがえり)やTwister(たつまき)などは日本語の意味が完璧に反映されているとは言えません。U-Turnがどうして虫タイプの技で、Twisterがなぜドラゴンタイプの技なのか、名前で説明できていないからです。

この手の技は、日本語特有の表現が入っているので、英訳の際は、どうしても全ての意味は伝えきれません。そこで、訳しづらいポケモン用語を英訳する際、どの意味を残してどの意味を切り捨てているのか、調べてみました。

 

動物名が入った用語(1)

日本語名英名
ネコにこばん Pay Day
ねこのて Assist
ねこだまし Fake Out
ほたるび Tail Glow
オウムがえし Reflect Move

ポケモンには動物名を含んだ技名が多くありますが、この手の技は大抵訳しづらいものです。直訳でねこのてCats's Handなどとしていては意味不明ですので、大半は意訳で何とかしているようですが、結果的に日本語の動物的要素は失われています。どうして猫系のポケモンAssistを使うのかは、外国人には伝わらないでしょう。

ほたるびは、バルビートが使う分にはTail Glowで良さそうですが、マナフィが使ってもTail Growとなるのは意味不明ですね。マナフィがほたるびを使えるのは、海ホタルのイメージから来ているのでしょうが、日本語以外でその関連性を表現することは難しそうです。

 

動物名が入った用語(2)

日本語名英名
むしくい Bug Bite
つばめがえし Aerial Ace
むしのしらせ Swarm

こちらは、上と違ってせめてもの抵抗が見受けられるパターンです。Bug Bite(虫刺され)には穴あきという本来の意味が含まれていませんし、Aerial Aceからも剣道の技であるという意味が伝わりませんが、どちらも頭韻を踏んでおり、語呂が良いです。英語では、韻を踏むのが良いネーミングのファクターだそうですね。

また、Swarmには、虫を表す「worm」と似た発音の文字列が含まれており、虫っぽさが出ています。虫の知らせで攻撃力が上がるのは意味不明ですが、Swarm(大群)だと攻撃力が上がりそうなイメージが湧きますので、日本語より優れたネーミングと言えます。

 

タイプ名が入った用語

日本語名英名
どくづき Poison Jab
かげうち Shadow Snake
りゅうせいぐん Draco Meteor

どくづきは「悪態をつく」と「毒攻撃」のダブルミーニングとなっています。またかげうちは本来「真打より出来栄えの劣る刀」との意味であり、「影」という単語がゴーストタイプを連想させることも含め、2重の意味を持っています。これらに関しては、日本語のイディオムにこだわるより、「どうやって攻撃をしているか」を正確に伝える英訳が成されているようです。

りゅうせいぐんについては、先頭にDracoとの修飾を加えることで、ドラゴンタイプの技であることが説明されています。

 

格闘技

日本語名英名
やまあらし Storm Throw
じごくぐるま Submission
きつけ Smelling Salts
ちきゅうなげ Seismic Toss

格闘タイプの技には日本語的表現が多く、英訳難易度の高そうなものが多めです。正直、英名を見ても、日本語名とどう対応しているのか良く分からない例が多いです。

やまあらしに関しては、あらしの部分だけが英語名に反映されています。そもそも山嵐とは、必殺技と名高い柔道の投げ技のことだそうで、英語圏にはもともと存在しないものですから、英訳は無理ですね。

じごくぐるまも同じく柔道に関連する技です。こちらは、柔道漫画に登場する架空の技だそうですが。英語名はSubmission(服従、降伏)なのですが、何故そういう英名になるのかは良く分かりません。使われたら降伏するしかないほど強力な技だということなのでしょうか…?

きつけの英名はSmelling Saltsだそうですが… 塩の匂いを嗅ぐと、元気になるのでしょうか?

ちきゅうなげSeismic Toss(地震の投げ技)だそうで、投げ飛ばした相手が地面に当たるときの衝撃が地震級だということを表しているのでしょう。まあ、それってただ投げているだけじゃないのか、とも思いますが…

 

天気関係

日本語名英名
てんきや Forecast
ノーてんき Cloud Nine

天気を表す比喩も、英訳を難しくする要因となっています。

「天気屋」は、気分がコロコロ変わる様子を天気に例えて言い表した言葉。英語では、そういう意味を伝えることは諦め、Forecast(天気予報)となっています。天気に合わせてフォルムが変わるのは、果たして天気予報と言えるのでしょうか…?

同じく、「能天気」も心理的な要因と天候の要因を同時に言い表した慣用句です。一方、「be on cloud nine」は「有頂天」との意味を表すイディオムです。「cloud」は天気に関連する単語ですから、頑張って心理と天候を同時に表す言葉を探せていると言えるでしょう。

 

慣用句・同音異義語

日本語名英名
なしくずし Chip Away
さきおくり Quash
せんせいのツメ Quick Claw
たたりめ Hex

この辺りも良く分からない英訳が多いです。

なしくずしの英名はChip Away。大きな木や石を小さな欠片(Chip)に砕いてから取り除く(Away)、というような作業が「なし崩し」だと言っているのでしょう。

Quashは「鎮圧する、鎮める」の意味であり、さきおくりとの関連性は謎です。先送りの説明文には「相手を抑えつけて行動の順番を最後にする」とありますので、この抑えつける動作をQuashと表現しているのかもしれません。

せんせいのツメは先生から貰うことで入手できる例もあることから、「先制」と「先生」を掛けているものと思われます。英語ではQuick Clawと、言葉遊びの余地のない、シンプルで潔い言葉になっています。

たたりめも、まあ日本語の諺を英語にするのは無理だよな、という感じですね。

 

英語の方が巧く命名できている例

日本語名英名
かわらわり Brick Break
あまいかおり Sweet Scent
どくのこな Poison Powder
しびれごな Stun Spore
こだわりハチマキ Choise Band
はやおき Early Bird

「訳しづらさ」という論点からは少しずれますが、英語の方が日本語よりテクニカルなネーミングができている例もあります。

例えば、かわらわりあまいかおりの場合、BrickBreakSweetScentで頭韻と脚韻を同時に踏んでいます。どくのこなしびれごなに関しても、「粉」をPowderまたはSporeと言い換えることで韻を踏み、語呂を良くしています。

こだわりハチマキの英名はChoise Bandですが、Bandには「ハチマキ」との意味の他に「縛る」という意味もあります。つまり、「選択肢を縛る」というダブルミーニングになっているわけです。これは日本語名よりクレバーなネーミングですね。

はやおきに関しては、「早起きは三文の得」と同義の「The early bird catches the worm」との英語の諺があることから、Early Birdが対訳となっています。語中に「鳥」という単語があることから、ドードーやネイティといった飛行ポケモンがこの特性を持つことが連想しやすく、日本語より優れたネーミングであると言えます。

 

英語の方が格好良く命名できている例

日本語名英名
ドわすれ Amnesia
デスウイング Oblibion Wing
ぼうふう Hurricane
れんごく Inferno

技のカッコ良さというのもRPGにおいては重要であり、英語の方がセンスのいい名前を技に付けられている例もあります。

ドわすれの訳はAmnesia(記憶喪失)となっており、やや大袈裟な気もしますが、名前としてはカッコいいと思います。

デスウイングに関しても、「デス」という短絡的なネーミングより、Oblibionのほうがセンスが良いと言わざるを得ません。

ぼうふうに関しても、Hurricaneと言った方が大技っぽい気がしますね。別にハリケーンを起こすわけではありませんが…

 

まとめ

慣用句や諺をもとにした用語は英訳が難しく、日本語の意味を全て英語に盛り込むことはできません。そのため、英語にする際には言葉遊びの部分を削ぎ落とし、技の攻撃方法や道具の効果を簡潔に伝える訳となることが多いようです。

一方で、英語の方が日本語よりうまくネーミングできている例もあり、ローカライズチームも頑張っているんだなあ、という印象を受けます。

ファイアーエムブレムif 暗夜王国ルナティック・クラシック 攻略日記8

25章「白夜王子リョウマ」

「負の連鎖」持ちがひしめく、酷過ぎるマップ。銀の手裏剣+守備封じで一気に守備が10もダウンするなど厳しいデバフが待ち構えているため、まともに戦っていては身が持たない。

リョウマ兄さんは待機時間が20ターンと、やや気が早くなっている。さすがに、この手強いマップを20ターンでは突破できないので、前もって春祭を購入しておき、ふすま越しにカムイを回復できる体制を整える。

春祭で時間稼ぎしている隙に、本隊は慎重に進軍。デバフを絶対に喰らわないよう、封じ持ちは1回の戦闘で撃破することを心掛ける。上忍は、こちらから攻撃する際には攻陣を組み、前衛と後衛の攻撃1発ずつで倒す。最悪、前衛の追撃込みで上忍を撃破しても良いが、これだとデバフを喰らってしまうので、やはり行動させる前に殺したい。

一方で、上忍を誘い出す際には、ゾフィー(ボウナイト)の暗器殺しが役立った。このマップの上忍は、命中率がゼロでも蛇毒の発動のために積極的に攻撃してくるので、暗器殺し持ちでホイホイ釣ることができた。但し、たまに全く釣れない敵も居るので、そういう場合はオフェリア(ダークファルコン)で撃破してから疾風迅雷で帰る、という作業を繰り返した。

ただ、サイゾウ周囲の絡繰人形には釣りも疾風迅雷も効かないので辛い。結局、こちらの敵は、アウトレンジから近寄って部隊ごと殲滅、という作戦を取らざるを得なかった。

35ターンぐらい使ってサイゾウとカゲロウを撃破した後は、ブノワとイグニスでリョウマ兄さんを引き付け、フェリシアで撃破。他の1軍メンバーも、ゾフィーで釣った上忍を殴ってレベル15に到達し、最後のスキルを習得できた。

 

26章「悪逆」

暗夜編で最もリセット回数が嵩んだマップ。部屋ごとに敵の待ち伏せがあるので、しっかり対策を立てれば何とかなるのだが、どうしても終盤で集中力が切れてミスをしてしまいやすい。

 

北の広間

扉を開けると同時にダークファルコンのオフェリアで突撃。禍事罪穢持ちのメイドを逆神・丑寅で撃破し、疾風迅雷で直帰する。

部屋にひしめくブレイブヒーローは、ブノワとイグニスで部屋の入り口の2マス通路でせき止めて対処すれば安全に倒せる。4の倍数ターンにはマクベスが卑劣にも禍事罪穢を撃ってくるので、絶対に杖の効果範囲に入ってはならない。

 

東の廊下

ドロー持ちのメイドとソーサラー2体が待機しており、さらにフリーズとウィークネスが降り注ぐ危険な廊下。ここは、魔殺し持ちフェリシアがわざとドローされて部屋に入り、次のターンで扉を破って騎兵が進撃して敵を殲滅した。

 

東の部屋

部屋の中にソーサラーとメイドがひしめく。普通に部屋の扉を破ると、扉を開けたユニットがソーサラーの集中砲火を喰らってしまう。敵は呪縛持ちなので魔殺しの恩恵も薄い。そこで、扉を破ったユニットをそのターン中になるべく撤退させる、救出撤退作戦を取った。やり方は、シグレが手槍で扉を破る→ゾフィーが後ろからシグレを救出→アクアが後ろからゾフィーに歌ってゾフィーは目一杯後退→ジークベルトでアクアを救出→ルッツで後ろからアクアを引き受け、前後交代し、アクアでジークベルトに歌う …といったもの。これで、扉から5マス離れた位置まで全軍を後退させられる。

あとは、マクベスの杖の圏外である初期位置まで撤退しながら戦う。途中で増援のソーサラーも出てくるが、こちらも初期位置に誘い込んでまとめて迎撃。

 

南の広間

扉を破るとジェネラルやバーサーカー達が進撃してくるので、こちらも救出撤退は必須。その場で戦うと負けるので、やはり初期位置まで撤退してから全軍で叩く。撤退中に増援と鉢合わせるが、こいつらはできるだけ出現してすぐに潰す。特にメイドは討ち漏らしてはならない。それにしても、攻めたり引いたりと面倒なマップだ…

 

ガンズ&マクベス

再び南の広間に戻り、ボスを倒す。邪魔なメイドはあらかじめオフェリアの疾風迅雷によるヒット&アウェイで倒しておく。ガンズはカウンター・魔法カウンター持ちなので、モズメの弓で遠距離から安全に撃破。取り巻きのジェネラルはシャーロッテがハンマーでカチ割る。

マクベスはまともに戦うと必殺が怖すぎるため、明鏡の一撃を持ったシグレで攻撃して瞬殺。

 

西の部屋

マクベスを倒した後は、巧者の手裏剣を取るためにゴーレム部屋を攻める。ただ、西側の扉を破ると増援がわんさか湧く上、ノスフェラトゥが扉を破って自軍に突撃してくる。敵が扉を壊すなんて聞いてないよ! ここで焦ってしまい、ゴーレムを倒そうとしたエリーゼが逆に倒されてしまうという誤算が発生。ビビッて即座に制圧して逃げた。

 

ここまでのまとめ

とんでもなく難しい2章でしたが、エリーゼという尊い犠牲と引き換えにクリアすることができました。エリーゼに関してはビフレストで蘇生すればよかったはずなのですが、ゴーレムにビビりすぎてそこまで気が回りませんでした。

また、26章ではメイドを撃破しつつ安全圏まで帰って来れる疾風迅雷の強さが光りました。やっぱりダークファルコンは強いですね。