ファイアーエムブレムの最強戦術「地雷戦法」 栄光と凋落の歴史

ファイアーエムブレムは、味方の死亡をゼロに抑えつつ、味方より圧倒的に多い敵を殲滅するという、非常に高度なプレイングを求められる戦略ゲームです。

敵を殲滅する方法は、①自分から攻撃して敵を倒す、②敵に攻撃してもらって反撃で倒す、のいずれかです。①の方法にも強い戦法は存在し、例えば遠距離攻撃で敵を射程外から殴り続ける*1、強力なコマンド技で敵を確殺し続ける*2、などは非常に強力です。しかし、この方法では1ターンに1人1キルを稼げるのみであり、大量の敵には対処できません。

そこで、②の、敵に攻撃してもらって反撃火力で倒す、という戦法が重要になってきます。反撃で敵を一掃する戦法を、地雷戦法と呼びます。

地雷戦法は、一度完成してしまえば、後はそのユニットを置いておくだけで勝手に敵が消滅していくという、最強格の戦術です。その強さゆえに、開発サイドからの警戒度が高く、シリーズが進むごとに対策が強まっている戦法でもあります。そこで、本記事では、地雷戦法の概要と、シリーズでの変遷をまとめてみました。

なお、下記では、各作品を最高難易度でプレイすることを前提とします*3

 

地雷戦法の概要

地雷戦法と一口に言っても、その実現方法は多種多様。まずは、地雷戦法にはどんなものがあるのか、具体例を見ていきましょう。

地雷を行うに当たって何より重要なのは防御方法です。1ターンに複数の敵から攻撃を受ける地雷戦法においては、まず複数回の攻撃を受けても生存できるユニットが居なければ話になりません。

加えて、反撃で敵を確殺できる火力をどう出すかも重要です。敵を仕留め損ねていては、次ターンに再度攻撃を受け、一気にピンチに陥るでしょう。

以上の防御方法・反撃方法の実現手段はいくつかあり、その分類を下記で紹介します。

 

防御方法の分類

守備地雷

敵の攻撃を耐え抜く最も基本的な方法は、守備力を高めて敵の攻撃を弾くことです。例えば、「蒼炎の軌跡」や「新・暗黒竜と光の剣」といった作品では、自軍壁役の守備力上限が30に対し、終盤の敵の物理攻撃力は精々25〜35程度。つまり、ジェネラルなど硬い兵種を使っておけば、敵の攻撃を最大数ダメージ、良ければノーダメージに抑制できてしまいます。

しかし、このような状況を毎作容認する制作サイドではありません。近年は、攻撃60〜80にもなる超火力の斧兵や、守備デバフ能力を持つ盗賊、壁役の不得意とする魔法砲台など、対策ユニットがマップに配置されること多数。こういった攻撃を受ければ、壁役の堅固な装甲も貫かれ、守備地雷戦法は簡単に崩されてしまいます。

 

回避地雷

超火力、デバフ、遠距離魔法、といった多様な攻め筋に対抗するにはどうすれば良いのでしょうか。一つの回答は、「危険な攻撃には当たらないこと」です。回避率を高めて、敵の命中をゼロにすれば、どんな攻撃も怖くありません。回避率が速さ×2という高い水準で算出される「烈火の剣」や、地形効果で最大+60%の回避上昇が受けられる「外伝」などにおいて特に有効な戦法です。

しかし、制作サイドからの対策も当然バッチリ。近年では、命中率を底上げするスキルを持った敵兵や、地形効果を無視する攻撃が増え、回避地雷も崩されやすい環境になってきています。

 

回復地雷

敵からの攻撃を受けきれず、避けることもできないと、被ダメージは必至。しかし、そのダメージを即座に回復できるなら、生き残って反撃が可能となります。HP吸収魔法が豊富に入手できる「覚醒」や、回復奥義が強力な「暁の女神」では、回復地雷戦法が有用です。

しかし、この戦法に対する開発サイドからの規制は厳格。回復技の性能や使用回数には厳しい制限が掛かっていることが多く、容易に成立する戦法ではありません。

 

先制地雷

敵の攻撃を受け切れず、避け切れず、回復もし切れない、というのが近年のFEに多い傾向です。残された最終手段は、そもそも攻撃される前に倒してしまうこと。FEのスキルの中には、敵から攻撃された場合も、自分が先に攻撃できる、というものが存在。先制スキルの充実している「ヒーローズ」や「風花雪月」などでは、先手を取って全ての敵を倒してしまう先制地雷戦法が強力です。

こういった複数の戦法をうまく組み合わせて使っていくことが、地雷戦法のキモになります。

 

反撃方法の分類

手槍地雷 / 手斧地雷 / 魔法地雷

上では、敵の猛攻をいかに耐え抜くか、の方法を紹介しました。攻撃を耐えた後は、敵を反撃で屠らなくてはなりません。

反撃時に重要なのは、武器の射程です。地雷戦法では、どうしても直接攻撃・間接攻撃の両方の武器の入り混じった敵軍から袋叩きにされます。両者に反撃できるよう、直間両用の武器を装備することが求められます。

反撃手段として最もメジャーな武器は、手斧・手槍・魔法の3種類でしょう。手斧使いの層が厚い「トラキア776」や、光魔法を魔物特効とできる「聖魔の光石」などでは、手斧地雷や魔法地雷が非常に優秀です。

但し、古来から存在するこの戦術には、制作サイドからのメスが何度も入っています。近年は手槍・手斧の反撃火力がガンガン落とされ、現代の戦いには付いて来れない戦法になりつつあります。

 

必殺地雷 / 奥義地雷

反撃火力を補う方法として挙げられるのが、反撃時に必殺や奥義を発動できるようにする方法です。武器の必殺率を盛る手段が豊富な「エンゲージ」や、奥義加速手段が手厚い「ヒーローズ」で有効な、現代風の戦法です。

 

採点基準

このような地雷戦法の、各シリーズ作品での強さの変遷を、下記では紹介していきます。作品ごとに、地雷戦法の強さを評価していきます。地雷要因に求められる性能は、大きく分けて下記の5つでしょう。

  • 敵の猛攻に毎ターン晒されても地雷要員が安定して生存でき、継戦力が高い
  • 反撃火力が高く、敵を1戦闘で撃破しやすい
  • 地雷要員の能力上げやスキル習得といった育成が低コストで完了する
  • 序盤から終盤まで、地雷戦法の活躍期間が長い
  • 地雷戦法に、他の戦法と比較した優位性がある*4

以上の継戦力・反撃火力・低コスト・長期間・優位性の5つの項目を1つ満たすごとに1点とし、5点満点で採点を行いました。0, 1, 2, 3, 4, 5点をそれぞれE, D, C, B, A, Sと表記します。また、作品ごとに、どの項目が満たされているかも記載します。

 

地雷戦術の歴史と評価

暗黒竜と光の剣紋章の謎A

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
 

 

まだ制作サイドから地雷対策がほとんど成されていなかった初代FE。基本的な直間両用武器を用いた手槍地雷、手斧地雷、魔法地雷はいずれも便利でした。

その中でも特に使いやすかったのは、重量0~2と破格の軽さを誇っていた初級魔道書です。例えば、ブリザーであれば、威力5で重さがたったの2。速さの高い司祭に装備させて、森などの回避地形に立たせれば、お手軽に魔法地雷が完成します。

司祭の中で最も地雷向きのユニットはマリクでしょう。魔力・速さともに伸びが悪くなく、回避率と反撃火力ともに優秀。その上、魔法系らしからぬ高いHP成長率を誇るため、回避し損ねて被弾しても、しぶとく生存できます。

本作でエースユニットと言えるオグマやナバールは、いずれも近接攻撃の専門家。直間両方の増援が大量に湧くマップでは、敵の殲滅に手間取ります。そういったマップで、敵を一掃できる魔法地雷は非常に有難い存在でした。

但し本作品では、FE黎明期であったがゆえに、回避を盛る装備やスキルは未登場。回避地雷戦法をしようにも、基本的には敵の命中をゼロにはできず、事故の危険性が付きまといました。守備無視のブレスやドゥラームを被弾して一気にピンチに陥ることもあり、継戦力は低めでした。

 

外伝:B

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
   

 

前作とはシステムが打って変わり、一般武器の射程が強化された本作。射程1~3のサンダーや、射程1~5の鉄の弓といった、反則級の攻撃が自軍を襲います。射程1-2の手槍やファイアーでは反撃ができず、一方的に殴られるだけに。地雷戦法は一気に弱体化しました。

そんな本作において、唯一地雷向きと言える装備品が「聖なる弓」です。この武器は、威力が5と高めなのに重さが0という破格の性能を有します。射程も1~5であり、一般武器には必ず反撃可能。毎ターンHP5回復というリジェネ効果まで有するため、多少の被ダメも気になりません。

この武器を最も使いこなせるのは、力の伸びが優秀で反撃火力を確保しやすいアルムでしょう。速さもよく伸びるため、回避率+40%という稀代の高水準な地形効果が受けられる森や林に置いておけば、回避地雷として活躍してくれます。

但し、聖なる弓が入手できるのはアルム編のみで、入手タイミングも終盤。従って、この地雷戦法が使えるのはごく短期間です。総合して、地雷が特筆して強いわけではない作品、と言えるでしょう。

 

聖戦の系譜

未プレイのため不明。神器の性能が凄い作品らしく、地雷戦法も強そうな気がします。

 

トラキア776A

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
 

 

紋章の謎や外伝と比べてシステムが練り込まれ、個性的なスキルや体格パラメータが導入された本作。「体格」は、その数値ぶん武器重量を軽減できるというパラメータであり、今まで重かった手槍や手斧の使い勝手が格段に向上しました。

また、新登場したスキルの中でも特に強力なのが、反撃時に必ず必殺が出るという驚異のスキル「怒り」です。これを持つオーシンやサラは、手斧やファイアーといった直間両用武器を装備して立っているだけで、勝手に反撃で敵を殲滅してくれる破壊神と化します。

加えて本作には、追撃時に必殺率が数倍にブーストする「追撃必殺係数」システムが存在。カリオンやリノアンといった係数の大きいユニットなら、反撃時に追撃を取れさえすれば、高確率で必殺を出して敵を粉砕してくれます。反撃火力の出しやすい本作において、地雷戦法の使い勝手は上々でした。

一方、本作には、自分から攻撃した際に敵を捕らえるコマンドが使用できるという、「捕縛」システムが存在。捕縛した敵の装備品を売却する金策を行わないとすぐに軍資金が枯渇する、というのが本作の難点です。地雷戦法は確かに強いのですが、反撃では敵を捕縛できないため、頼りすぎると財政難まっしぐら。取り扱い注意の戦法と言えます。

 

封印の剣A

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
 

 

前作までのFEでは、プロデューサーである加賀氏により、長射程一般武器や捕縛システムなど、地雷戦法を相対的に不利にするシステムを導入する調整が行われてきました。しかし、同氏が退社した本作からは、そのような調整は終了。地雷戦法が本格的に強くなり始めます。

本作のシステムで特徴的なのは、敵軍出身者のステータスが数レべルぶん底上げされる「ハードブースト」です。これにより、5~10レベル分もステータスがブーストした優秀な前衛ユニットが多数輩出されました。力・速さ・守備のいずれも高水準である彼らは、反撃火力・回避率・耐久力の全てに優れるため、地雷戦法をさせると一級です。特に、戦場を自由に飛び回って手槍地雷を展開できるミレディ、バーサーカーの兵種補正で必殺地雷を仕掛けるゴンザレス、自軍最高レベルの速さで回避地雷を行えるルトガーなどは、まさに一騎当千の活躍をしてくれます。

一方で、今作の地雷のメインウエポンとなる手槍や手斧は、基本的に威力が控え目。必殺が出ない限りは、殲滅速度は遅めでした。

 

烈火の剣S

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性

 

細かい調整を排したシンプルなゲームシステムで、初心者への間口を広げた前作。それに対し本作では、前作までを経験した熟練プレイヤーを唸らせる、高難易度ルートが搭載されました。最高難易度モードでは、最小5人程度という異常に狭い出撃枠と、敵100体湧き級の圧倒的物量、厳しいターン制限がプレイヤーを襲います。少人数の味方で大量の敵を短時間で処理するには、地雷戦法で敵を一掃するプレイングが必須となってきます。

幸いにも、今作は防御力や回避率に優れた優秀なユニットの宝庫です。ヘクトルとオズインは力・守備が非常に高い重装兵であり、敵の攻撃を弾きつつ手斧で反撃火力を出せます。プリシラとパントは速さ・幸運が高く育ちやすい魔法職であり、敵の攻撃を回避しながら軽い魔法で反撃を狙いやすいです。

こういったユニットを駆使して、受け中心の戦闘を展開しないと勝てないのが本作。地雷の強さ評価は明らかに満点です。

 

聖魔の光石S

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性

 

前作に引き続き、遠慮のない物量の敵が湧く本作。終盤は、100体近くの魔物が自軍に襲い掛かるマップが連続します。そんな厄介なマップで必須なのが、反撃で大量の敵を処理する地雷戦法です。

今作の魔物は、大部分が低速・低守備なステータスを持ちます。従って、手槍・手斧・魔法など軽い直間両用武器で2回攻撃をすれば、撃破は容易。アメリアやジストといったタフな斧兵による手斧地雷、ターナやエフラムといった攻撃的な槍兵による手槍地雷は強力でした。

そして、彼らを凌ぐ本作MVPの地雷用ウエポンと言えば、光魔法でしょう。軽くて耐久値が高い上、スキル「魔物特効」を所持する司祭が使えば威力3倍となります。司祭の中でも特に地雷向きのユニットは、ナターシャでしょう。速さ・幸運ともに優秀で回避率が高く、森の上に置いておけば、魔物相手に無双してくれます。

GBA3作では、敵味方共に回避率が高く設定され、回避地雷が特に強い時代でした。そんな流れに歯止めを掛けるべく、次回作からは製作陣により地雷戦法へのメスが入り始めます。

 

蒼炎の軌跡A

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
 

 

「避けて殴って終わり!」の戦闘環境を変えるべく、敵味方の火力に大幅デフレ調整が掛けられた本作。特に武器威力の低下が凄まじく、例えばエルファイアーは威力10→5、アーマーキラーの特効威力は18→12、などと激しいナーフが入ります。前作までのように、魔法職や斧兵を置いておいて、回避地雷で敵を一掃、などという戦法は通用しなくなりました。

一方で、本作の仕様で強化されたのが、パワータイプのタンク職です。魔法や特攻武器が弱体化したことで、ジェネラルやドラゴンマスター等のクラスは、怖いものなしで戦場を闊歩できるように。減った反撃火力は、本作で導入された「奥義」や新スキルで補い、守備地雷を展開できるようになりました。

地雷ユニットの代表格が、主人公アイクです。射程1-2の優秀な専用剣ラグネルを持ち、武器補正を加えた守備上限値は29。終盤でも敵の攻撃力が30~35程度に留まる本作では、非常に場持ちします。その上、奥義「天空*5」により火力と回復力も十分。適当に育てても優秀なステータスになるため、育成も簡単です。

また、ジェネラルであるガトリーとチャップを使った地雷も強力。本作のジェネラルは、「騎士の護り」を付ければ守備32を実現でき、まさに不沈要塞です。更に、スキル「勇将*6」「怒り*7」を習得させれば、HP半分時に速さ36、必殺50%となります。これにより、敵ソードマスターにすら追撃を取り、75%の確率で必殺を出して屠ってくれるという、化け物じみた活躍を見せてくれます。

その他、ドラゴンマスターのジルやパラディンのケビンによる手斧地雷も優秀。依然として地雷の強さが損なわれていない作品と言えます。

 

暁の女神A

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
 

守備方面にバランスを傾けすぎた前作の反動か、武器威力や特攻倍率がGBA時代相当に戻された今作。前作で鉄壁を誇った重装兵や騎馬兵は、守備面が不安定となり、鳴りを潜めます。

その一方で、ドラゴンナイト系は、今作で弓と風魔法が特効ではなくなるという強化を受け、一気に空飛ぶ要塞へと躍進します。最上級職「神竜騎士」になれば、パラメータは力38・速さ32・守備38というとんでもない値に。ショートアクスやトマホークといった高威力斧を使った地雷戦法で大活躍してくれます。特に今作では、限られたターン内に貴重なアイテムを回収する必要のある防衛マップが多く、短時間での殲滅戦に欠かせない戦力です。

また、前作に引き続き、アイクによるラグネル地雷も優秀。今作では使用武器に斧が追加され、ラグネル未入手の中盤から手斧地雷ができるように。天空による回復力も健在です。

ただ、魔法威力が上昇した今作では、地雷要員の生存力が不安定に。特に、雷魔法による竜特効や必殺により、ハールやアイクといったエースを落とされる事故も多数発生。継戦力には全幅の信頼が置けません。

新・暗黒竜と光の剣S

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性

プレイの自由度の少なさが指摘された前作の影響を受けてか、兵種変更システムの導入や武器錬成システムの強化など、遊びの幅が広がった本作。敵側もその恩恵に預かり、終盤では錬成勇者武器が敵の標準装備に。威力30ほどにもなる2回攻撃が自軍に降り注ぎ、賢者など柔らかいユニットは一瞬で蒸発します。

そんな火力インフレに対抗できる壁役として重宝されたのが、驚異の個人成長率445%を誇るウルフとザガロです。彼らがジェネラルに兵種変更すれば、圧倒的成長率で一瞬でパラメータがカンストし、守備は30に到達。敵の勇者武器を全て弾き、反撃の手槍で敵に大打撃を与える守護神へと化します。

過去作の地雷要員と異なり、ウルフ・ザガロは加入時期も優秀。第5章という最序盤から加入してくれ、次章から即座にジェネラルとして手槍地雷で戦ってくれます。敵軍戦力・自軍戦力の両方を鑑み、地雷戦法がシリーズ随一の強さを見せる作品と言えるでしょう。

 

新・紋章の謎C

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
     

「取りあえずジェネラルで壁」の戦闘環境を崩すべく、敵の火力が更にインフレした本作。威力+4・命中+20という超ブルジョワ錬成*8が施された錬成銀武器が敵モブ兵に配布され、攻撃力45付近の超火力が自軍に降り注ぎます。HP60・守備30のジェネラルでは、追撃込みで2戦闘で撃破されてしまい、まともな守備地雷戦法が成立しません。

では、回避地雷ならどうなのか、というと、こちらも厳しい状況。Wii時代までは「速さ×2+幸運」で計算されていた回避率が、DSからは「速さ+幸運÷2」と大幅引き下げさを喰らっています。その上、武器レベルAによる命中率ボーナスの導入、敵武器の命中アップ錬成、ルナティックでの敵命中+10%補正、といった要素によりほとんど回避が行えない状態に。

かろうじて地雷戦法が有効なのは、まだ敵火力が伸びる前の序盤でしょう。マイユニットを速攻育成してジェネラルにし、難関マップの続く4章~7章を手槍地雷で攻略する、といった戦法は有用性があります。

公式からの規制が厳しく、ほとんど地雷に頼れない作品です。

 

覚醒:S

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性

綿密に練られた前作までのゲームバランスが、新規導入されたダブルや無限育成といった革新的システムによって木端微塵に破壊された本作。公式からの地雷対策も崩壊し、エースが無双するだけの世紀末環境が展開されます。

インフレした敵火力は前作から健在なのですが、それにより受けたダメージを回復する手段が本作では充実。特に、勇者が取得できるスキル「太陽*9」を使えば、敵に攻撃されても即座に回復するゾンビ戦法が可能となります。太陽の効果を引き出すには反撃火力の確保が必要ですが、威力10のトマホークや威力18のスワンチカといった高火力投げ斧を使えばOK。これらの武器は耐久力の低い貴重品ですが、同じく勇者が昇格前に習得できるスキル「武器節約*10」を使い、バフで幸運を50以上にすれば、耐久力消費ゼロで攻撃できるように。ドニ・セレナ・アズールなど優秀な傭兵の存在もあり、太陽地雷戦法は一世を風靡します。

また本作では、与ダメージの半分を回復する闇魔法「リザイア」が店で無限に購入可能。これをソーサラーに装備させたリザイア地雷戦法も強力です。HP吸収が確定で発動する上、ソーサラーの習得スキル「復讐*11」により被弾後は回復力が上がるため、安定性が高いのが嬉しい所。

回復地雷の活躍により、シリーズ歴代で最も地雷戦法の強い作品と言えます。そして現状、FEの歴史上、地雷の強かった最後の作品でもあります。

 

if(暗夜王国):E

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
         

世紀末環境と化した「覚醒」の反省を受け、地雷による安易な勝利は絶対許さない、という鉄の意志で緻密な調整の施された「暗夜王国」。回復地雷に有用だったトマホークやリザイアには、「追撃不可」というナーフが入り、回復のための手数が出せなくなりました。加えて、封じ系スキルや手裏剣によるデバフシステムが導入され、地雷などしようものなら、そのキャラのステータスがズタボロに弱体化されることに。蛇毒や四牙といった割合ダメージを与えるスキルも登場し、回復が追い付かなくなります。その上、一撃系スキル*12や強者系武器*13など、攻め時に強力な効果を発揮する要素も新登場し、受け戦法が相対的に弱体化。

本作で唯一地雷戦法が使用可能な状況と言えば、群れて出てくることが多い魔法系を、スキル「魔殺し*14」装備のユニットで相手取る時でしょう。例えば、魔殺し習得が早く爆炎手裏剣で火力も出せるフェリシアや、魔殺しを遺伝で習得できる子世代ユニットなら、この戦法が可能です。とは言え、敵に物理系兵種や妨害杖持ちが混じると、魔殺し手裏剣地雷も簡単に崩壊し得ます。

総合して、シリーズ歴代で地雷戦法が最弱の作品と言えます。本作で強化された地雷対策は、次回作以降も続いていくことになります。

 

エコーズ:C

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
     

元から地雷戦法の強くなかった「外伝」が、受けより攻めを強くする「if」の思想を継いでリメイクされた結果、更に地雷が弱くなった本作。

リメイク元と同様、射程1-3の魔法や射程1-5の弓が多く登場し、射程1-2の手槍やファイアーでは地雷が成立しません。原作では強かった「アルム×聖なる弓」の地雷も、アルムの弓射程が1-3にナーフされて弱体化。聖なる弓自体も、威力が5→3、重さが0→2にと劣化し、実用圏外に。戦技システムの導入により攻め時の火力が重視されるようになり、反撃中心の戦法は下火となりました。

あえて地雷の使える場面を挙げるなら、ビグルやガーゴイル等の自由に行動させたくない近接魔物を、魔戦士など強力な近接兵種で迎撃する際でしょう。魔戦士を使う場合、魔物の殲滅力に優れる「聖なる剣」、高必殺率でバクチを仕掛けられる「勇者の剣」、HP吸収効果で粘り強く戦える「暗黒の剣」など、地雷向きの装備も豊富。武器消費無しで気軽に使えるワープとレスキューで、地雷要員の転送と回収もスムーズに行えます。

 

風花雪月:C

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
     

開発会社がコーエーテクモゲームズに変更になり、前作までと比べゲームバランスが緩まった本作。地雷戦法が綿密に対策されるどころか、むしろ地雷をアシストするスキルが多数登場しています。

特に、飛行系兵種のスキル「回避+10」「警戒姿勢+*15」を利用した回避地雷戦法は強力です。反撃火力を盛るスキルも揃っており、「怒りの陣*16」「切り返し*17」などは非常に有用。エコーズに引き続きモブ敵兵の射程1-3攻撃が厄介ですが、自軍も「サンダーソード+」など射程1-3で反撃できる武器が使用可能です。

では、こういった地雷戦法を積極的に採用したくなるかというと、そうでもありません。本作では、過去作のように敵が100体レベルで湧くステージが少なく、地雷で敵を掃討する必要に迫られません。また、「ハンターボレー」や「テュルソスの杖」による長射程攻撃で敵を一方的に嬲る戦法が強く、わざわざ敵を接近させて地雷に持ち込むまでもありません。その上、地雷戦法用のスキルを回収するために転職を繰り返す育成コストも重く、趣味レベルの戦法と言えます。

結論として、地雷戦法は実現可能なものの、地雷をするまでもない作品、と言えます。

 

エンゲージ:D

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
       

開発元がインテリジェントシステムズに戻り、地雷によるお手軽クリアは絶対阻止、という鋼の意志が復活した本作。ifで施された、武器ナーフ・デバフ・割合ダメージ・受け弱体化という地雷対策システム四天王は健在。特に、戦闘開始時に最大HPの10%を削るシステム「チェインアタック」により、守備地雷も回避地雷も成立しないのが辛い所。

本作でギリギリまともに運用可能と言えるのは、待ち伏せ+必殺武器による先制地雷でしょう。武器刻印「選択の紋章*18」とスキル「怒り*19」を合わせて必殺率を増し、スキル「待ち伏せ++*20」で攻撃される前に敵を撃破する、という戦法です。パネトネなど、高火力高必殺率のユニットが使えば非常に強力。但し、反撃を外す、必殺の不発、必殺を耐えられる、といった要因で敵を討ち漏らすと、普通に殴られてロスト必至。あまりに不安定な戦法です。

3~4ターン味方が強化される「エンゲージ」システムを利用した地雷戦法も考えられます。例えば、「踏ん張り+++*21」で攻撃を耐えて、エンゲージ武器「リザイア」で回復し、踏ん張りを再発動可能にする戦法。また、エンゲージスキル「絆盾」で守られた味方が、エンゲージ武器「ジークリンデ」の超火力で敵を倒す戦法。…といったように、エンゲージ時の強力な能力を絡めれば色々な悪さが可能です。しかし、大量の敵に囲まれたままエンゲージが切れると、一転して生命の危機に。継戦力には大いに問題ありです。

 

ヒーローズ:B

継戦力 反撃火力 低コスト 活躍期間 優位性
   

シリーズ本編と並行して開発が進められている「ヒーローズ」。攻撃が必ず命中するという特殊な戦闘システムで、命中率をゼロに落としたシリーズ恒例の回避地雷は通用しません。また、定期的に行われる新英雄召喚で、壁役の守備力を絶妙に上回るアタッカーが追加されるため、守備地雷も非現実的。そんな中で、受け時に自分が先に攻撃できる待ち伏せ系スキルを用いた先制地雷は、例外的に根強い強さを誇ります。

先制ユニットとして特に強力なのが、任意の1ターンに限って無条件で先制攻撃が可能となる、クリスマスオルティナです。専用武器「ラグネル&エタルド」は、1-2射程に反撃できる上、勇者効果で2連撃が可能。錬成で奥義カウント加速効果も付くため、2連撃の片方では奥義「双刃*22」が発動し、破壊力は抜群。お供に火力サポート要員を付ければ、ほとんどの敵を1戦闘で粉砕してくれます。先制できるのは1ターンの間だけですが、アビサルならその間に敵を全滅させてくれるため、問題になりません。

但し、オルティナのような強力な先制地雷要員や、優秀な火力サポート要員を揃えようと思うと、期間限定ガチャで頑張る必要があり、パーティ構築コストは高め。また、他プレイヤーが相手となる飛空城や英雄決闘では地雷戦法は簡単には決まらず、活躍の幅は限定的です。

 

まとめ

以上より、作品ごとの地雷戦法の強さの変遷は、次のようにまとめられるでしょう。

  • 黒竜トラキア :原作者により地雷戦法が多少規制されていた
  • 封印〜新暗黒竜:規制のタガが外れ、地雷戦法が猛威を振るう
  • 新紋章〜エコーズ:規制が再度強化され、地雷戦法は冬の時代に
  • 風花雪月〜エンゲージ :豊富なスキルを活用し、限定的な状況下で地雷戦法が可能に

戦略シミュレーションゲームとしては、綿密に練られたマップが、地雷戦法により手軽に突破されるようでは、遊び応えに欠けます。その対策として、制作サイドは、地雷戦法を規制するバランス調整を行なってきました。しかし、新紋章やifのように規制が強すぎると、プレイ感も窮屈に。そこで、近年の作品では規制がやや緩和され、地雷のパーツとして利用可能なスキルが抜け道的に残されています。これらを駆使することで、限定的な状況下では地雷が可能、という調整に落ち着きつつあります。

次回作以降は、どんな調整が施され、その結果どんな地雷戦法が生まれるのか、期待が高まります。

*1:新暗黒竜のシューター、風花雪月のテュルソスの杖など

*2:エコーズのハンターボレー、風花雪月の連撃など

*3:マニアック、ルナティックなど。裏モードであるルナティック+や、課金要素であるDLCは対象外とします

*4:例えば、いくら地雷戦法が強い作品でも、遠距離攻撃で敵を事前に一掃する戦法の方が強い場合、地雷戦法の採用価値は薄い

*5:与ダメ分HPを吸収する攻撃と、敵の守備を半分で計算する攻撃の2連続攻撃を、技%で繰り出す

*6:HPが50%以下の時、力・技・速さ×1.5

*7:HPが50%以下の時、必殺+50%

*8:自軍が行うと1本15000G以上必要

*9:技%で、敵へのダメージの半分のHPを回復する

*10:幸運×2%で、武器耐久力が減らない

*11:技%で、HP減少分が与ダメに上乗せされる

*12:自分から攻撃した際に能力アップ

*13:自分から攻撃した際に2回攻撃

*14:魔道書装備の敵と戦闘時、命中・回避+50

*15:何もせず待機時、1ターンの間、回避+30

*16:騎士団の戦力が1/3以下の時、必殺+50

*17:HP50%以上で敵から攻撃された時、敵は追撃不可、自分は絶対追撃

*18:必殺+40の効果を武器に付与

*19:HP減少値が必殺率に上乗せ、最大+30

*20:HP75%以下で敵から攻撃された時、先制攻撃

*21:HP2以上で敵から攻撃された時、HPが1残る

*22:魔防の40%をダメージに加算

ファイアーエムブレムエンゲージ 紋章士評価

ファイアーエムブレム エンゲージは、様々な能力を持つ紋章士の使い分けが楽しいゲームです。しかし、マップによっては出撃人数が限られ、紋章士の選出枠もそれに合わせて絞られることも。また、絆の指輪にも有益なものがあり、紋章士との取捨選択となります。限られた枠の中で、なるべく強力な紋章士をチョイスすることが、勝利への鍵となるでしょう。

そこで、DLC無しのルナティックにおいて、13人の紋章士の強さを、下記5段階で評価しました。

  • D:運用上のデメリットがあり、選択しづらい紋章士。
  • C:有用な紋章士だが、他に上位互換的な選択肢があり、枠争いに敗れやすい。
  • B:他に換えの効かない能力を有する、強力な紋章士。
  • A:独自の強力な能力を数多く有し、スタメンは固い紋章士。
  • S:一人で戦局を覆す能力を持つ、最強クラスの紋章士。

 

マルスC

性能
シンクロ補正 力+3、技+4、速さ+4
シンクロスキル 見切り:自分から攻撃した時、回避+(15+速さ/4)
たたみかけ:相手をブレイクさせた時、ダメージ50%の追撃が発生
など
エンゲージスキル 神速:攻撃時にダメージ50%の追撃が発生
エンゲージ技 スターラッシュ:ダメージ30%の7連続攻撃
エンゲージ武器 メリクルソード:威力12、獲得経験値2倍
など

 

回避と火力アップに貢献してくれる紋章士。

シンクロ補正による速さアップと、攻め時の回避アップにより、反撃を避けて一方的に相手を殴れます。また、スキル「たたみかけ」「神速」のダメージ上乗せ効果と、シンクロ補正の力アップにより、与ダメの向上にも寄与。近接物理アタッカーには有難い能力です。

ただ、「見切り」の回避アップ効果は受け時には発動せず、回避壁の助けにはあまりなりません。また、目玉の速さアップ効果についても、リンやルキナといった強力なライバルが存在。加えて、「たたみかけ」「神速」の追撃は、ルナティックの異常に硬い敵に対しては雀の涙ほどしか効かないことも。全ての性能が小粒で、ライバルとの差別化が難しい紋章士です。

相性が良いと言えるのは、回避型のブレイブヒーローでしょう。ブレイブヒーローは、耐久力を活かして前線で敵を殴りながらも、兵種スキル「助太刀」発動のためにHP満タンを維持したい、という悩ましい兵種です。無傷で敵を殴るために、マルスの「見切り」や、反撃不可の「スターラッシュ」が役立ってくれます。また、チェインアタックで味方に撃破経験値を持っていかれやすいブレイブヒーローにとって、メリクルソードで経験値稼ぎができるのも有難い点です。

 

セリカC

性能
シンクロ補正 力+3、魔力+4、魔防+4
シンクロスキル 共鳴の黒魔法+:魔道書で攻撃時、HPを1消費してダメージ+3
異形リベンジ++:異形兵から攻撃を受けた時、受けたダメージの50%を相手に与える
など
エンゲージスキル 重唱:ダメージ50%の魔法攻撃による戦闘を2回行える「重唱」コマンドが使用できる
エンゲージ技 ワープライナ:10マス以内の敵を攻撃可能な位置にワープし攻撃
エンゲージ武器 エンジェル:威力6、異形特効
ライナロック:威力15 など

 

魔道士の攻撃面を底上げしてくれる紋章士。

シンクロ補正と「共鳴の黒魔法+」で、魔法威力を7アップしてくれるのは嬉しい点です。また、「重唱」によりチェインアタックを2回発生させたり、必殺の抽選を2回行ったりし、火力の確保に役立ちます。また、終盤はほとんどの敵が異形兵であるため、エンゲージ武器のエンジェルで常時威力18の攻撃が可能。

しかし、その他のスキルは、魔道士との噛み合いがイマイチ。「異形リベンジ++」は被ダメの半分を反射するスキルですが、そもそも柔らかい魔道士に被弾させるのは即死リスクが高い上、運良く生き延びても低HPゆえ反射ダメージは稼げません。「ワープライナ」も、低耐久の魔道士を敵陣に投入するという狂気じみた技。敵をワンパンできる火力も出ず、装備も無防備なライナロックに固定されるため、倒し損ねた敵に返り討ちにされるのが関の山です。

加えて、魔道士向きの紋章士には、他に優秀なライバルが多いのも厳しい所。同じく魔力補正効果を持つ紋章士としては、魔道書の射程を伸ばしてくれるベレトや、杖射程を広げてくれるミカヤ、エンゲージ武器で魔力依存4連撃が可能なリュールなど、凶悪な面々が揃います。彼らを採用した後の3〜4番手というのが、セリカの立場になりがちです。

 

シグルド:A

性能
シンクロ補正 技+4、守備+4、体格+3、移動+1
シンクロスキル 再移動+:行動後、3マス移動できる
猛進:フリーズ状態にならなくなる
など
エンゲージスキル 迅走:移動+5
エンゲージ技 オーバードライヴ:並んでいる敵全体に攻撃し、その先のマスに移動
エンゲージ武器 ナイトキラー:威力10、騎馬特効
ティルフィング:威力15 など

 

希少な移動アップ効果と、エンゲージ技による範囲攻撃が秀逸な紋章士。

特に、エンゲージ時は累積で移動+6と、圧巻の移動範囲を誇ります。単騎駆けで村や宝箱を守りに行ったり、遠距離魔法持ちや遠距離杖持ちをアウトレンジから撃破したり、離れた場所から戦線に合流したりと、戦略上欠かせない活躍をしてくれます。

機動力を活かして単独行動が多くなりやすいため、孤立状態でも死なない耐久力のあるユニットに付けるとベター。特に、守備+4のシンクロ補正があるため、ジェネラルなど物理壁に適します。壁役であれば、攻撃後に「再移動+」で狭い通路を塞いだり、最前線で「猛進」で敵のフリーズの避雷針になったり、といった挙動も可能。

範囲攻撃のオーバードライヴも便利であり、チェインガードを使う敵のマスターモンクをまとめて削ったり、ナイトキラー装備で敵の騎兵を一網打尽にしたりと、広く活躍できます。便利な能力の揃った優秀な紋章士です。

 

リーフ:D

性能
シンクロ補正 HP+7、守備+3、体格+5
シンクロスキル 急所ずらし++:武器相性が有利な場合、受けるダメージ-7
待ち伏せ++:敵から攻撃された時、自HPが75%以下なら先制攻撃
など
エンゲージスキル 即応:敵から攻撃された時、射程・相性・与ダメの面で有利な武器に持ち替える
エンゲージ技 テトラトリック:剣、槍、斧、弓で連続攻撃
エンゲージ武器 マスターランス:威力7、射程1-2、自分から攻撃した時2回攻撃
ひかりの剣:威力15、射程1-2、幸運+10、魔法武器
など

 

シンクロでHPと守備が上がる、受けユニット向きの紋章士。

受け時にエンゲージスキル「即応」で相性有利な武器に持ち替えてブレイクを防ぎつつ、「急所ずらし++」でダメージを7軽減、というのがデザイナーズコンボ。グレートナイトやドラゴンナイトなど、戦闘スタイルでブレイクを防げない兵種に付けておくと、物理壁として安定感が増します。

しかし、このコンボの根幹を担う「即応」がポンコツなのが困り所。特に、武器相性や射程で有利というだけで、威力の低い「マスターランス」や物理兵種に向かない「ひかりの剣」といったエンゲージ武器に持ち替えてしまい、反撃威力がまともに出ないことも多数。また、敵が弓・魔法・暗器・体術を使う場合は、基本的には上記コンボは成立しません。更に、強力な錬成や刻印を施した武器を持たせていたとしても、即応で勝手に装備変更されることも。特に、回避刻印ありの武器を外されると、一気に生存力がガタ落ちになります。

加えて、エンゲージ技「テトラトリック」も、攻撃が4回に分散される点が残念。敵が硬いルナティックにおいては、かすり傷を4回与えるだけに終わってしまいがちです。何を取っても今一つな、最弱の紋章士と言えるでしょう。

 

ロイ:C

性能
シンクロ補正 HP+10、力+6、魔防+3
シンクロスキル 踏み込み:2マス先の敵に1マス近づいて攻撃する「踏み込み」コマンドが使用できる
踏ん張り+++:戦闘開始時にHPが2以上だった場合、その戦闘でどれだけダメージを受けてもHPが1残る
エンゲージスキル 超越:ユニットのレベル+5
エンゲージ技 獅子紅蓮焔舞:前方横3マスを攻撃し、攻撃マスから2マス先まで炎上状態にする
エンゲージ武器 封印の剣:威力15、重さ8、射程1-2、守備・魔防+5
など

 

攻速守の全ての能力が伸びる、バランス重視の紋章士。

シンクロ補正の力+6が物理アタッカーにとっては嬉しく、エンゲージ武器「封印の剣」の高威力を活かしてどんどん敵を殴れます。封印の剣は威力の割に軽く、間接攻撃にも対応しており、耐久力も向上させてくれる、破格の性能を持っています。

また、エンゲージスキルの「超越」は、ユニットのレベルを一時的に上昇させます。火力・速さ・耐久力の全てが底上げされるため、単なるアタッカーではなく、受けも担当できるユニットなら最大限に恩恵を受けられます。カゲツやミスティラといったユニットで、攻めつつ受けさせるのが良いでしょう。受け時は「踏ん張り+++」の効果で事故に強いのも有難い所。

このように高速守バランス型のロイですが、裏を返せば、1つ1つの項目は中途半端で役割が持ちづらいです。彼の対抗馬として挙げられる紋章士は、火力を30以上盛るエイリーク、速さを20高めるリン、被ダメを半減させるアイクなど、化け物揃い。各項目を5~10上げる程度のロイでは、到底太刀打ちできません。

特化した強みを持たず、地味な紋章士となってしまっています。

 

リン:A

性能
シンクロ補正 技+4、速さ+5、魔防+3
シンクロスキル 速さの吸収:自分から攻撃して敵を倒すごとに、速さ+2(最大+10、戦闘マップ終了まで)
攻め立て++:自分から攻撃した時に、追撃が発生する場合、かつ速さが相手より5以上高い場合、相手の反撃より前に追撃を行う
エンゲージスキル 残像:自分のみチェインアタック可能な残像を4体生み出す「残像」コマンドが使用できる
エンゲージ技 流星群:射程10、ダメージ30%の5連続攻撃
エンゲージ武器 ミュルグレ:威力16、重さ9、速さ+5、飛行・竜特効
など

 

速さを超強化するという、希少な個性を持った紋章士。

シンクロ補正で速さ+5、「速さの吸収」所持で敵を5体倒せば速さ+10、ミュルグレを持てば速さ+5。合計で速さ+20にまで加速できる、破格の性能を持ちます。ここまでのバフを受ければ、内部レベル40時点で速さ25程度の中速帯ユニットであっても、速さ40を誇る敵ソードマスターにすら追撃を取れます。食事や装備による速さ補強の幅が小さい本作においては、リンは高速帯の敵に対抗する貴重な手段となってくれます。

また、規格外の射程を持つエンゲージ技「流星群」も強力。遠距離魔法や遠距離杖を持つ敵を狙い撃ちしたり、盗賊を遠くから排除したり、と使い所は様々。ボスを小突いて移動スイッチをオンにするのにも使えます。

その他、「攻め立て++」で、敵の厄介なトロン持ち魔道士を、反撃を受けずに倒すことも可能。また、残像を盾にして味方を守るなど、守備的な運用もできるため、仕事に困りません。強力なバフ効果と充実の小技で、どのユニットにも付けたい紋章士です。

 

エイリーク:S

性能
シンクロ補正 魔力+3、技+4、幸運+10
シンクロスキル 月の腕輪+:自分から物理攻撃をした時、ダメージ+(相手の守備の30%)
勇空+:与えるダメージ+5
など
エンゲージスキル 双聖:味方全員の「月の腕輪」を「日月の腕輪」に、「優風」を「蒼穹」に変化させる
エンゲージ技 ツインストライク:エフラムと共に連続攻撃(エフラムは威力13の槍攻撃・異形特効を持つ)
エンゲージ武器 ジークリンデ:威力12、異形特効
など

 

爆発的な物理火力を持つ紋章士。

まず、エンゲージ武器「ジークリンデ」が、特効武器なのに威力が12もあるという驚異の性能。難易度の激化してくる21章以降は、出現する敵がほぼ全て異形兵であり、常に攻撃力+24の特効補正が受けられることになります。

また、敵の守備がインフレしているルナティックにおいては、守備を30%貫通する「月の腕輪+」が非常に有効。例えば、守備30の敵に攻撃した場合、攻撃力+9の補正を受けているのと同じことになります。更に、「勇空+」のダメージ+5効果も累積させると、合計で攻撃力+36相当の補正を受けていることに。

高速ユニットに持たせれば、追撃込みで補正値は更に2倍相当。グリフォンナイト、ウルフナイト、ソードマスターなど、高速物理アタッカー兵種に持たせたい紋章士です。

これだけの補正値があれば、大抵の敵は一撃KO。守備自慢の異形竜すら粉砕してくれる超火力です。仮に倒せない敵が居ても、更なる隠し玉である「ツインストライク」をぶち込めば良いだけのこと。他の追随を許さない、自軍最強クラスの物理アタッカーと言えます。

 

アイク:B

性能
シンクロ補正 HP+7、力+4、守備+5
シンクロスキル 怒り:HP減少分、必殺がアップ(最大+30)
勇将+:HPが75%以下の時、守備・魔防+7
など
エンゲージスキル 不動:回避が0になる代わりに、受けるダメージが-50%
エンゲージ技 覇克・天空:反撃を捨て守備・魔防+5/次ターンに周囲2マス範囲攻撃/ダメージの30%HP回復
エンゲージ武器 ラグネル:威力16、重さ15、射程1-2
など

 

耐久と反撃性能に特化した紋章士で、運用法は大きく分けて2通り。

第一に、シンクロ補正と「勇将+」「不動」の重ね掛けにより、壁役の耐久力を大幅に引き上げることができます。そして、受け止めた敵を、エンゲージ技「覇克・天空」で一網打尽に。ルイ、アルフレッド、ディアマンドなど、物理壁ユニットに向きます。

但し、壁役運用の場合、「不動」で回避ゼロになるデメリットや、「勇将+」がHP満タン時は発動しない点が気になる所。「覇克・天空」もチェインアタックやスマッシュ武器で崩されて不発に終わりやすく、安定運用するにはアイク装備者の移動阻止や敵の足止めといったサポートが必須。壁としての単体完結性の面で比較すると、カムイを使った回避壁戦法や、シグルドを使った機動要塞戦法に軍配が上がります。

対して、「怒り」を活用して必殺アタッカーを強化するという、第二の運用法も存在。最大で必殺率が+30%されるため、パネトネなど高必殺率ユニットに持たせ、紋章刻印も駆使すれば、驚異の必殺率100%達成も可能。超火力で敵を木端微塵にしてくれる、自軍の秘密兵器となり得ます。但し、アタッカーとして必要な速さや命中率はアイクでは賄えず、別でサポートする必要があります。

壁運用もアタッカー運用も間違いなく強力ですが、サポートがない場合の不発リスクを踏まえ、評価は中程度に落ち着きます。

 

ミカヤA

性能
シンクロ補正 魔力+4、魔防+5、幸運+6
シンクロスキル 杖使い++:レベルAまでの杖を使用可能になる
など
エンゲージスキル 増幅:杖の射程、または転移などの距離+5。杖の効果範囲+1
エンゲージ技 大いなる癒しの手:自軍・友軍の味方全員のHPを全回復。使用後、自分のHPが1になる
エンゲージ武器 セイニー:威力11、重装・騎馬特効
など

 

杖振りに特化した紋章士。

その神髄は、特殊杖を使ったインチキ戦法にあります。スキル「増幅」は、単体対象の杖を十字方向5マス対象に広げる効果があり、転移の移動距離が+5。ワープ、レスキュー、ドローなどの転移杖の使い勝手が大幅に向上します。転移杖の中でも最も気軽に使えるのが、ゲーム中で使用回数全10回のリワープ。これを使えば、自身とその周囲の計5人を、10マス先まで転移させられます。これにより、壁抜け移動、トラップ無視、強敵無視など様々な悪さが可能に。終盤のターン制限マップや城攻め系マップにおいて、猛威を振るってくれます。

また、「杖使い++」により杖が装備可能になるのも有難い点。マージナイト、邪竜ノ娘、クピードーなど、魔力が高い兵種に回復役を兼ねさせることができます。

他に、敵の攻撃が激化する終盤では、「大いなる癒しの手」による全体回復が光ります。エンゲージ武器も、重装・騎馬に対しては特効威力33となる「セイニー」など、まずまずの性能。

転移能力と便利なサブ技で、難関マップ攻略に欠かせない紋章士です。

 

ルキナB

性能
シンクロ補正 技+5、速さ+4、幸運+6
シンクロスキル デュアルアタック:自身の戦闘スタイルが「連携」でなくともチェインアタックに参加可能
デュアルアシスト+: 自分が攻撃可能な範囲にいる敵に味方が攻撃した時、70%の確率でチェインアタックに参加
デュアルサポート:隣接する味方との支援レベルが高いほど回避アップ
エンゲージスキル 絆盾:隣接する味方への敵の初撃を80%の確率で無効化する「絆盾」コマンドが使用できる
エンゲージ技 オールフォーワン:自分の周囲2マス以内の味方がチェインアタックに参加
エンゲージ武器 パルティア:威力17、飛行特効、獲得経験値2倍
など

 

味方のダメージカットや火力補助など、サポートに長けた紋章士。

独自の性能として光るのは、隣接する味方への初撃をカットする「絆盾」。戦闘の激化する終盤では、乱戦から味方を守るのに重宝します。絆盾で守った高火力紙耐久アタッカーに、反撃で敵を一掃させる地雷戦法は非常に有効。発動率は80%と心許ないですが、騎馬同士・飛行同士で守ると発動率100%となって安定します。絆盾では自身は守れないものの、「デュアルサポート」で隣接ユニットから支援を受けて回避が狙える、と合理的な性能をしています。

火力サポートの面では、スキル「デュアルアタック」で、連携スタイル以外でもチェインアタックが可能になるのが便利。長弓装備スナイパーやトロン装備セイジに持たせての広範囲チェインアタックや、ナイフ装備ウルフナイトに持たせて毒ばら撒きチェインアタックなどで、敵のHP削りに貢献します。「デュアルアシスト+」があれば、更に広範囲のチェインアタックに参加可能に。

サポートばかりではルキナ装備者の育成が遅れがちですが、経験値2倍効果を持つ「パルティア」使用でリカバリーも可能。パルティアは飛行相手には破格の威力51となり、厄介なグリフォンナイト対策として有用です。

このように補助に長けた紋章士ですが、絆盾の信頼性がイマイチなのが欠点。初撃無効化という仕様上、追撃、チェインアタック、勇者系2回攻撃、スリップダメージ等はガードし切れず、味方を守り抜けない場合も多いです。絆盾が使えないと、残りの能力は小粒なものが多く、活躍は地味なものに。これらを加味し、紋章士の中で中堅どころという評価となります。

 

カムイ:S

性能
シンクロ補正 HP+15、魔力+4、魔防+3
シンクロスキル

竜脈:マスに対して特殊効果を付与する「竜脈」コマンドが使用できる(隠密スタイルなら霧、魔道スタイルなら炎、...などを付与)
スキンシップ+:行動終了・待機時に隣接する味方のHPを10回復し、支援値が少し上昇
竜呪:自分から攻撃した時、戦闘後、相手の全基本能力-4(効果は1ターンに1ずつ回復)
防陣:敵のチェインアタック無効

エンゲージスキル 呪縛:自分から攻撃した時、戦闘後に相手とその周囲1マスの敵を1ターン移動できなくする
エンゲージ技 竜穿砲:威力20の物理攻撃。水の力で直線3マスを攻撃し、それ等のマスを「水たまり」にする
エンゲージ武器 夜刀神:威力16
など

 

希少なデバフ能力を持つ紋章士。

「竜呪」による攻速守デバフ、「竜穿砲」による回避デバフ、「呪縛」による移動デバフなど、弱体化のラインナップは多様。堅牢なボス敵を崩したり、回避地形上の敵を狙ったり、といった場面で大活躍してくれます。その中でも強力なのが移動デバフ。竜穿砲+呪縛により、配置次第で最大10体の敵を移動阻止できるため、敵の大群を堰き止め、乱戦の戦局を一手で覆すことが可能です。また、「竜脈」で毎ターン出せる炎や水の地形にも移動阻害効果があるため、敵の誘導や移動型ボスのハメ殺しが可能です。

また、カムイは回避壁戦術の補助にも有用。隠密スタイルのユニットが竜脈を使うと、回避+30%効果の地形である霧を周囲に張れます。隠密の戦闘スタイル効果で地形効果は2倍となり、これだけで回避+60%に。ユナカやゼルコバといったシーフにこの戦術を取らせれば、ナイフで遠近反撃可能な壁がお手軽に完成します。回避壁の天敵と言えば、命中率一定のチェインアタックですが、カムイならこれすら「防陣」で防げてしまうという隙の無さ。回避失敗時の保険として、HP+15のシンクロ補正も有益です。

その他、味方を小回復する「スキンシップ+」も優秀。スリップダメージやレベルアップで微妙にHP満タンでない味方を回復し、チェインガードや助太刀を再発動可能にするのに役立ってくれます。

唯一の弱点と言えば、自身の火力を大きく盛るスキルやエンゲージ武器が無く、装備者も霧の張り替えで忙しくなるため、経験値稼ぎに手が回りづらくなる点でしょう。意識的に装備者のレベリングさえできていれば、最強の紋章士の一人となります。

 

ベレト:S

性能
シンクロ補正 魔力+3、速さ+3、幸運+12
シンクロスキル 天刻の拍動+:(50+幸運)%の確率で外れた攻撃が命中する
師の導き:自分と自分に隣接する味方の入手経験値120%
など
エンゲージスキル 指導:周囲2マスの味方に、1ターンの間スタイルに応じた能力アップを与える「指導」コマンドが使用できる
エンゲージ技 女神の舞:隣接4マスの味方を再行動させる
エンゲージ武器 テュルソスの杖:魔法射程+2、稀にダメージ半減
など

 

戦闘スタイルによって様々な恩恵を発揮する紋章士。

特に強力なのは、戦闘スタイル「魔道」のユニットが使用可能なエンゲージ武器「テュルソスの杖」。魔法射程を+2する装備品であり、エクスカリバーが射程4、トロンが射程5になるといった規格外の性能を有します。敵にちょっかいを出して移動スイッチを起動したり、壁越しに難敵を排除したり、宝箱を狙うシーフを遠方からスナイプしたりと、活躍の幅は多種多様。射程3のブレスが初期装備である厄介な異形竜も、射程4の「ノヴァ」の4連撃を打てば、アウトレンジから抹殺できます。

加えて、エンゲージ技「女神の舞」は、自軍の行動を差し引き3手番増やせるという驚異の効果。敵に包囲されたり制限時間が迫っていたり、といった難局を一手で打開してくれるポテンシャルを秘めています。ダンサーすら再行動させられるという柔軟性が魅力で、エースを最大で1ターン4回行動させることも可能。

その他、「師の導き」による経験値ブーストや、「女神の舞」使用時の経験値獲得で、ベレト装備者のレベリングが捗るのも有難い点。装備者を魔法エース兼再行動サポート要員にしてくれる、最強クラスの紋章士と言えます。

 

リュール:A

FEエンゲージ】リュール(紋章士)の加入時期(入手方法)と継承スキル【ファイアーエムブレム エンゲージ】 | AppMedia

性能
シンクロ補正 力+3、技+4、速さ+4
シンクロスキル 絆を繋和ぐもの+:自分と、周囲2マス以内にいるシンクロ・エンゲージ中の味方の命中・回避+30
神竜の加護:自分に対する特効効果をすべて無効化する
など
エンゲージスキル 以心:自分から攻撃し敵を撃破した時、エンゲージ終了まで、エンゲージ相手の全基本能力+4
エンゲージ技 神竜破:剣とビーム(魔法威力20)の2回攻撃
絆・神竜破:剣×2とビーム(魔法威力20)の3回攻撃。エンゲージ相手と隣接時限定
エンゲージ武器 神竜の体術:威力10、自分から攻撃した時2回攻撃(攻撃力は魔力のみ参照する)
オリゴルディア:威力8、異形特効
など

 

物理・魔法両方のアタッカー性能を引き上げ、敵陣で大暴れさせてくれる紋章士。

目を見張るのは、エンゲージ武器の優秀さ。特に「オリゴルディア」は、異形兵だらけの終盤では、ほぼ常に特攻威力24を発揮できる剣であり、物理アタッカーに最適。それ以上に強力なのが「神竜の体術」で、神器ノヴァの射程を短くした代わりに、高威力化&軽量化したような性能となっています。この4連撃に「以心」の効果が乗れば更に威力が+16され、ほとんどの敵を一撃粉砕できる魔法アタッカーが誕生します。

また、リュール1人のシンクロゲージ消費で2人分エンゲージでき、エンゲージ技も2回撃てるという仕様がコスパ良好。殆どの敵を屠れる「絆・神竜破」を2連発できるため、制圧力はかなりのもの。

加えて、積極的に前線に切り込んでいくアタッカーの守備面についても、「絆を繋和ぐもの+」の回避効果や「神竜の加護」の特効無効効果でフォロー可能。守りを気にせず敵陣に2人で突撃できる点が非常に強力です。オルテンシアなど、特効さえ消えれば回避率の高さを活かせる高速魔法アタッカーとエンゲージすれば、この恩恵を最大限得られます。

弱点は、主人公単騎ではエンゲージできない点と、主人公が紋章士の指輪を付けていると腐りやすい点。主人公とエンゲージ相手に絆の指輪を持たせてさえいれば、大立ち回りできる性能です。

 

まとめ

以上の評価をまとめると、次のようになります。

物理エースのエイリーク、魔法エースのベレト、メイン壁のカムイが、紋章士として最強の3人でしょう。

本作の紋章士システムは、戦略の幅を広げつつ戦闘を派手にしてくれる良システムと感じました。一方で、紋章士間の格差は広いように思います。このシステムが次回作以降も続いていくなら、格差は是正されていくことでしょう。実際、本作の開発初期案では、オリジナルキャラ12人を紋章士にする案もあったとのこと。本作の戦闘システムの好評を受けて、次回作以降もオリジナルキャラで紋章士システムが続いていく可能性は十分にあり得るでしょう。

今後どのようなシステム改良が加えられていくか、次回作に期待が高まります。

PlateUp!で初心者がソロで15日間営業を達成する攻略


ローグライトな料理アクションゲーム「PlateUp!」。

マルチプレイ前提のこのゲームをソロでプレイしようと思うと、15日間の営業という目標の達成は至難の業となります。下記では、これを達成するための攻略のコツを記入していきます。

 

低難易度の料理を選ぶ

まずは、1人プレイでも作りやすい、難易度の低いメニューを選ぶことが重要。狙い目の料理は以下の通りです。

  • サラダ:作る工程は、切って合わせるだけとシンプル。汚れも少なく、難易度は低めです。
  • ピザ:工程が複雑で調理に時間がかかるものの、それ以上に来客間隔が長く設定されているため、実は低難易度のメニュー。
  • ターキー:提供するメニューが1種類だけであるため、調理や配膳を自動化しやすいメニュー。

逆に、次のような料理は難易度が高めです。

  • ステーキ:難易度1と表示されているものの、焼き加減の調節が複雑かつ、ウェルダンを作るにも時間がかかり、実は難易度高め。
  • 餃子:作る工程が非常に長く、客を捌き切るのが難しいメニュー。
  • ハンバーガー:レシピ自体は複雑ではないが、来客数が他のメニューより多めに設定されており、相対的に時間不足となりやすい。

まずは低難易度の料理でゲームに慣れてから、徐々に高難易度メニューに手を出すのが良いでしょう。私は、サラダで初めて15日営業を達成しました。

 

配膳しやすい間取りを選ぶ

 

次に、調理室から直接タッチできるテーブルの数がなるべく多くなるような店の間取りを選ぶことが重要です。少なくともテーブル3つには触れるようにしたい所。初期の狭いタイプの店だと、例えば上画像のような店なら、ドアも活用することで3テーブルに触れます。

ロケーションを変えると店の間取りも再抽選されますので、都合の良い配置の店が出るまでガチャを回し続けるのが吉。ちなみに、ロケーションは「いなか」または「シティ」を選びましょう*1

 

リセマラ&シード設定で致命的なカードを避ける

営業を始めると、3日ごとに、プレイ難易度を上昇させるカードを二者択一させられます。この時、トッピングやサイドを追加する「料理カード」が左に、客の行動や収入が変化する「顧客カード」が右側に提示されます。

「料理カード」を選ぶのは、下記理由で非常に危険です。

  • ソロプレイでは、メニューごとの分業ができないため、複数メニューの提供は困難。
  • メニューの種類が増えると自動化が妨げられる。
  • 追加メニューは販売額が安く、かつ来客数が減らされやすいため、収入ダウンに繋がりやすい。
  • ポテトサラダなど、異常に手間のかかる地雷メニューがある。

ですので、プレイヤーは基本的に「顧客カード」を取らざるを得ません。しかし、顧客カードの中にも、下記のように攻略を致命的に難しくするものが存在します。

  • ハイクオリティ:全ての作業速度が25%ダウン。無差別に能率が下がる凶悪なデバフであり、客を捌き切れなくなる危険性が高い。
  • 共感力:客の忍耐ゲージが見えなくなる。配膳ミスによりゲームオーバーに追い込まれる事故が発生しやすい。
  • 食事はゆっくり:客の食事時間が4倍ほどに長くなる。プレイヤーが対処不能な待ち時間が増えることになり、非常に危険。
  • 一日一回:各デスクが1日1回ずつしか使えなくなる。研究と自動化が絶望的となり、13~15日目の難易度上昇に対応できなくなる。

3日目・6日目といった序盤で、破滅的なカードを取らされた場合は、潔くゲームを放棄して拠点に戻った方が良いでしょう。そして、ヌルいカードが提示され続ける幸運なシードを引くまで、序盤戦を何度か回す方が得策です。

また、毎挑戦前にシード値はメモしておきましょう。こうすることで、幸運なシードを見つけ次第、同じ乱数シードで何度も再挑戦することが可能です。再挑戦時は、提示されるカードやカタログが前回と同じになるため、先のカードを見越した計画も立てやすくなります。

 

研究体制を強化する

強力な装置を揃えるため、書棚や研究デスクは何より優先して確保したい所。

1日目終了後に研究デスクのカタログが高確率で出現しますが、最初の研究デスクは購入せず、書棚に保管しておきましょう。というのも、研究デスクが店に無い場合には、ショップから研究デスクのカタログが供給されやすい仕様だからです。こうすることで、2日目終了時にも、新たな研究デスクのカタログが出現するでしょう。この時点で研究デスク1台を購入し、もう1台を書棚に入れてアップグレードしましょう。すると、3日目終了時に、コピーデスクorディスカウントデスクor注文デスクのカタログが入手できます。この時点でお金120を用意しておき、このカタログを購入したい所です。

その後は、アップグレード枠を増やせる書棚や自動化に必須のコンベヤを最優先で確保・アップグレードしていきましょう。理想的には、コンベヤを2段階アップグレードしたスマートコンベヤを、コピーデスクで複製し続けられるようになると、生産性が加速度的に向上し始めます。

 

有利なアイテムが出るまでショップガチャを回す

上記のように、デスク・書棚・コンベヤは最優先で確保すべきアイテムです。他に、そのメニュー特化のサポートアイテムがあれば、攻略が非常に有利になります。例えば、サラダであれば下記アイテムがあると非常に有難い所。

  • 包丁:切る速度が3倍になる装備品。キャベツを早く切れるため強力。
  • ミキサー:自動で食材を切ってくれる。キャベツ切りを効率化できる。

こういったアイテムが出るまで、カタログを何度も引き続けたい所。下記のような方法で、ショップからカタログを引く試行回数を増やすことができます。

  • カタログ再注文でガチャを回す。特に、コピーデスクでカタログを増やした後、そのカタログを地面に並べておけば、ガチャの抽選回数を水増しできる。
  • チェンジデスクで、欲しいアイテムを狙い撃ちする。但し、チェンジデスクの内容は時間とともに切り替わるため、気を取られていると他の作業でミスをしやすい。ポーズを多用してチェンジデスクを確認すると安全。

有利なアイテムと早期に巡り合えるシードを引いた場合はラッキー。万一ゲームオーバーになっても、次回もそのシードで挑戦する価値があります。

 

終盤に向けて自動化体制を整える

研究体制の構築とアイテム集めは10~12日目に終わらせ、客の爆増する13~15日目に備えて自動化体制を整えたい所。特に、下記が実現できると非常に有利です。

  • 下膳の自動化:スマートグラバーで、汚皿をテーブルからシンクに移動させる。テーブルからテーブルに汚皿が渡り歩くようにルートを構築すると、複数の下膳を自動化できる。客の回転率が上がるため、優先して取り組みたい。
  • 皿洗いの自動化:汚皿が自動でシンクに供給され、綺麗になった皿がプレートラックに運ばれるよう、スマートグラバーのルートを構築する。漬け洗いシンクなら完全無人で皿洗い可能。
  • 皿乗せの自動化:ミキサーで食材が自動で切られるようにし、オートプレーターで自動で皿に乗せる。コンロであれば、焼けた食材に自動で皿を差し込んでくれるため、焦げ防止に役立つ。

ここまでできれば、15日達成は間近です。

*1:「マウンテン」では、店外の行列客の忍耐度低下速度が200%にアップする迷惑な天候「雪」が頻発するため、やめた方が良いです

ピクミン4 全プラチナメダル入手難易度ランキングTOP10

前作に比べ、クリア後のやり込み要素が充実した「ピクミン4」。その中でも特に難しいのが、ゲーム内で挑める小ステージでのスコアアタックです。「ダンドリチャレンジ」「ダンドリバトル」「葉っぱ仙人の挑戦状」のそれぞれで、最高評価を取れれば、ステージごとにプラチナメダルが与えられます。

プラチナメダル取得には戦略面・アクション面で試行錯誤が求められ、歯応えは抜群。そこで、各ステージの中でも、プラチナメダル取得が特に難しかったステージを上位10位までランク付けしました。

なお、下記ランキングでは、インターネット上の攻略情報を見ず、自分でクリアルートを模索した場合の難易度を評価します。※因みに、上位は殆どが「葉っぱ仙人の挑戦状」のステージとなります。

 

10位:淘汰の縄張り

大型原生生物6体を2:30以内に倒すという、忙しいステージ。

リアラシとマザーウジンコには岩ピクミンの単発火力が有効で、ミズモチとヘビガラスとダイオウデメマダラには紫ピクミンの継続火力が有効、という相性関係を理解するのがクリアへのカギ。後は、岩が有効な相手を倒しきった後、ポンガシグサで岩を紫に変換し、紫が有効な相手を倒していく、という流れになります。

また、作戦自体は立っても、それを実行できるかはまた別。ボスにピクミンを捕食されたり、トッシンを外したり、といったタイムロスが慣れない内はどうしても発生します。アクションパートが難しいステージでした。

 

クリア方法メモ

  1. スタート地点付近のハリアラシをトッシンで叩く。壁の向こうに生えている岩ピクミンを、壁越しにヒッコヌキ笛で呼んでおく。ここからマップを反時計回りに巡回し、敵を倒していく。
  2. 岩20体乗せのトッシンで、マザーウジンコをワンターンキル。
  3. 岩10体を紫10体に変換し、ミツモチを殴る。
  4. ヘビガラス、ダイオウデメマダラを、それぞれトッシンで2ターンで倒す。

 

 

9位:雪達磨製作所

氷結した6つの部屋のかまどに火を灯し、ケンチクを進めるステージ。

種火を正確に投げるという、普段はあまり経験しないムーブを要求されるのが難しいステージです。特に、

  • 種火を投げる対象がかまどでなく原生生物にロックオンされてしまう
  • 種火運搬役の足が遅く、ユキフタクチの雪玉やフーセンドックリの風に巻き込まれる
  • 種火を投げても、段差の上のかまどに上手く入らない

など、アクションの面でプレイヤーを悩ませる箇所が多数。アクションを1回でもミスするとプラチナメダルの取得は怪しくなってくるため、リセット事案となります。圧倒的にリトライ回数が嵩んだステージでした。

 

クリア方法メモ

  1. 6つの部屋を、スタート地点から反時計回りに巡回。新しい部屋に入るごとに、最優先でかまどに種火を着火させる。
  2. 氷壁や原生生物はトッシンで撃破しつつ、赤ピクミンでシザイを運ばせる。運搬終了後はヒマジン笛で呼び寄せ。
  3. 最後の部屋まで巡回したら、二手に分かれる。オッチンは残った原生生物を倒しながらシザイを回収。主人公はネンド橋の建築に取り掛かる。

 

8位:最果ての闘技場

ダンドリバトルでルーイに100点以上差で勝利することを求められるステージ。

大差での勝利がプラチナ条件ですが、慣れない内はそもそも勝利すらできず、頭を抱えるステージでした。特に、スタート時のピクミン数が、プレイヤー5体に対してルーイ20体というハンデ付きなのがキツい点。

点差を開けるために大事なのは、ルーイに自由に点数を稼がせないこと。妨害の重要性に気付けるかが、クリアのカギでした。特に、下記のような行動が効果的でした。

  • ルーイのピクミンが運搬するプレミア品は、それより1~2体多いピクミンで横取り。これにより、ルーイのピクミンを無為に勾留することができる。ルーイが横取り仕返してくる事はほぼ無い。
  • 原生生物と戦っているルーイのピクミンにトッシン。原生生物にルーイのピクミンを捕食してもらう。
  • モスを見掛けたらトッシンしてスタンさせておく。

ダンドリバトルはシナリオ中でも何度か挑む機会がありますが、中盤以降の難易度上昇が激しかった印象です。

 

クリア方法メモ

  1. まずは周囲のペレットを運搬してピクミンを増やす。
  2. ピクミンが50匹付近に増えたら、プレミア品とキンカイを中心に回収していく。ルーイがプレミア品を運んでいたら、可能な限り横取りする。
  3. 逆転バクダンが自陣付近に出現するので、ピクミン20体ほどで運搬。運搬を阻止しに近づいてくるモスは、オッチンのカミツキで妨害。
  4. 祝福のオフランスが高台に出現するので、オッチンに運ばせる。付近のダマグモは無視。

 

7位:断崖アスレチック

オッチンとのキリカエを活用することが求められるステージ。

崖上にピクミンを投げるアクション要素、ヌシイモガエルを倒すボス戦要素、複数のキンカイに適切にピクミンを割り振る戦略要素、とあらゆるプレイヤースキルが求められる難関ステージです。電気ゲートや原生生物にトッシンを正確に当てるエイム力も試されます。トッシンを外しまくり、無数のリセットを余儀なくされました。

 

クリア方法メモ

  1. スタート地点付近の電気壁をオッチンのトッシンで破壊し、反時計回りに部屋を巡回していく。まずはオタカラは放置で、ピクミン回収と原生生物撃破に努める。
  2. ヌシガエルはバクダン岩1発+岩ピクミン乗せトッシン2回で撃破。その間、黄ピクミンには穴の発掘をさせておく。
  3. オッチン+黄ピクミンで高台のロープを下させる。ロープから岩ピクミンを昇らせ、高台のマロガエルを撃破。
  4. 高台の大地のエキスを吸わせたら、あとは遠い方からオタカラを順次回収させて終了。

 

6位:急か急か台所

ピクミンの適切に使い分けてオタカラを運搬するステージ。

重量物は紫ピクミンに運ばせ、キンカイは白ピクミンに運ばせ、陶器やキノコといった障害物はオッチンに壊させる、という役割分担が重要になります。これだけではオッチンの手が回らないため、障害物に優先順位を付けたり、一部障害物はピクミンに処理させたりといった工夫も必要になります。障害物処理の方法を色々模索し、数多のリセットを余儀なくされたステージです。

 

クリア方法メモ

  1. 最初に、オッチンのトッシンで陶器の中の白ピクミン10匹を回収し、ヒッコヌキ笛でカボチャ下の白ピクミン5匹を集める。15匹で植木鉢を最優先でどかす。
  2. オッチンはスタート地点付近の白ピクミン5匹を回収し、紫ピクミンに変換。要求重量50の紙袋を潰した後、その先の大地のエキスを吸わせる。
  3. オッチンにスタート地点上のキノコを潰させる。その間、白ピクミンにはキンカイ、紫ピクミンには重いオタカラを優先的に運搬させる。
  4. キノコを潰し終わったら、オッチンにも運搬に参加させてクリア。

 

 

5位:紫の免許皆傳

重量100の紫オニヨンを運搬するオッチンを援護するステージ。

「何をしないべきか」が重要となるステージです。特に、下記のポイントに気づくかが、クリアのカギでした。

  • 体制が整わない序盤は、アメボウズは無視で良い
  • アメボウズは、ローラーさえ壊してしまえば、倒し切らなくても良い
  • ベビーチャッピーゾーンは、スイショウ壁側から迂回できるので戦わなくて良い
  • おったまダケは、氷壁側から迂回できるので戦わなくて良い

これらに気づくまでに時間がかかり、圧倒的にリセット回数が嵩んでしまいました。「運搬経路を遮る敵がいるものの、実は倒さないのが正解」という引っ掛けステージは総じて難易度が高く、同タイプのステージは全て5位以内にランクインしています。

 

クリア方法メモ

  1. まずはアメボウズを無視し、スタート地点周囲の氷ピクミンを全回収し、内5体は紫ピクミンに変換。土壁を破壊し、バクダン岩を回収。
  2. 戦力が整ったら、総員でアメボウズのローラーを破壊。破壊後の第2形態は放置で良い。
  3. オッチンに紫オにヨンを運ばせる。その間に、主人公で先回りし運搬経路を開拓。途中のベビーチャッピーゾーンは、スイショウ壁をバクダン岩で破壊することで迂回。おったまダケも、隣の氷壁を破壊することで回避。
  4. 探査ポッド手前にある要求重量100の紙袋を、紫8体+氷20体で潰してゴール。

 

4位:白の免許皆傳

奈落だらけの狭い通路に原生生物がひしめくステージ。

ボス然として佇むオオハナタタキが難敵ですが、実はこれを倒さないのが正解と気付くまでに、幾星霜のリセットを要したステージでした。運搬役がオオハナタタキ付近を通過するタイミングが2回ありますが、それぞれトッシンでオオハナタタキをスタンさせておけば安全に通過できます。開始直後に、いかにも「これで倒せ」とばかりにゲキカラスプレーが配布されるため、てっきり撃破が必須なのかと思い込んでいました。とんでもない引っ掛けステージです。

他にも、

  • 毒キノコは、羽ピクミンなら運搬時に飛び越えられるため、破壊の必要はない
  • ピクミンは、オタカラ運搬時は空路でショートカットしてくれるものの、ヒマジン笛で呼んだ際は陸路でしか移動してくれない。急ぎの際は迎えに行ったほうが良い

といった気づきづらい要素があり、大苦戦のステージでした。

 

クリア方法メモ

  1. 左上でハナタタキと戦っている羽ピクミンを最優先で回収。ここから反時計回りにオタカラを回収していく。回収役を任せる優先順位は、羽>白>岩。
  2. オオハナタタキ周辺を回収役が通過する際は、オッチンのトッシンでスタンさせる。まともに戦うと時間を浪費するので、生かしたままで問題ない。
  3. 全オタカラを回収できたら、羽20匹で白オニヨンを掘らせて運搬させる。オオハナタタキはやはりスタンさせる。

 

3位:徒夢の採掘場

オタカラの採掘という、経験の少ない仕事の手際が試されるステージ。

ピクミンは可能な限り温存し、採掘が必要な箇所に適切に割り振る、というムーブが求められる点が難しいポイントでした。また、攻略のカギとなる、下記点にも気付くのに時間がかかりました。

  • 時間の制約上、左下のアオケダタラは倒さないのが正解。運搬時のみ、主人公でヘイトを逸らせば良い
  • 実は採掘が一番早いのはホリホリ習得のオッチン
  • 高台のピクミンは崖下からヒッコヌキ笛で引っこ抜ける

他に、デコボコした地形も嫌らしいポイント。地面の傾斜のせいでオッチンのトッシンが目標からズレやすく、リセットが嵩みました。

 

クリア方法メモ

  1. スタート地点周囲のピクミンをヒッコヌキ笛で呼び、トビカブリとオオガネモチをトッシンで排除。
  2. 崖上への抜け道は最速で開通。ピクミン55匹を集め切り、メロンをピクミンで高台から落とす。運搬役はオッチンに切り替え、残りのピクミンを連れて左上で。
  3. 左上の水場を凍らせ、黄ピクミン中心に採掘をさせる。
  4. 左下のアオケダタラは倒さず、主人公で引き付けておき、運搬を阻害されないようにする。
  5. 残ったスタート地点周囲のオタカラを回収して終了。

 

2位:ダンドリ海館

1分残しゴールでプラチナメダルが与えられるステージが多い中、プラチナ条件として2分半残しを要求される鬼畜ステージ。

また、青ピクミンと羽ピクミンのみという低火力パーティで、土壁の破壊やミズブタ・マロガエルの処理といった力仕事をこなす必要があるのも難しい点。

また、ボス然として居座るデメジャコは、倒さないのが正解。これまでと異なり、デメジャコ周囲を最大で8個のオタカラが通過するマップ構成のため、ヘイト管理は至難の技です。主人公でデメジャコの気を引いて運搬をサポートする必要がありますが、少しでもミスするとピクミンが捕食されてしまいます。

その上、マップも広くて地形も複雑。狂気の高難易度ステージでした。

 

クリア方法メモ

  1. スタート地点付近の土壁をそれぞれオッチンのトッシン2回で壊し、青と羽ピクミンを集める。
  2. 最初に左上のサクランボを回収しつつ、反時計回りに巡回。
  3. ゲキカラでデメジャコを倒し、付近のマロガエルとミズブタを全ピクミンで撃破。
  4. 寿司は羽ピクミン 、水没したフルーツはオッチンと青ピクミン中心で運搬。

 

1位:一網打尽の庭

たった60秒で敵100体を倒すという神業ステージ。

このステージに関しては、全くプラチナメダル取得の兆しが見えないどころか、現在銅メダルしか取れておりません。トッシンや衝撃波を駆使しても、60秒で90体撃破が関の山。最高難易度のステージだと感じました。

 

まとめ

ピクミン4の各チャレンジ中で、特にプラチナメダル獲得が難しいのは、下記のようなステージでしょう。

  1. 倒さないのが正解の敵がいる、というデザインのステージ
  2. アクションが難しいステージ

特に厄介に感じたのは、上記の1です。もし10体の原生生物が存在すれば、その内のどれを倒さないのが正解か、総当たりで10回の検証が必要になりますからね。

ただ、難しいとは言え、ピクミン4の各チャレンジは、ピクミン3ミッションモードと比べてだいぶ攻略がしやすくなった印象です。適度にメッセージでヒントが与えられるため、それに従うことでダンドリアップを体感でき、上達の実感が得られました。ステージごとの特色が豊かで、あまり使わなかったピクミンの特性を活用できるのも新鮮味があります。

次回作以降も、やり応えのあるチャレンジステージの実装に引き続き期待したいところです。

ピクミン4 全ピクミン有用度評価

ピクミン4」には個性豊かな能力を持ったピクミンたちが登場します。今作では、地上で同時に連れ歩けるピクミンが3種類に制限されたため、8種のピクミンからどれを選出すべきかが悩ましい所です。「おすすめピクミン」という形で大まかに選出の方針は示されるものの、これに従うのが必ずしも最適とは限りません。アタッカーや運搬役など、それぞれに担わせたい役割をしっかり考慮した上で、隊列の編成を考えたいものです。

そこで、各ピクミンのゲーム中の有用度を、SABCDの5段階で評価しました。評価が高いほど、他のピクミンより優先して隊列に採用する価値が高いと言えます。

なお、評価を決定する際は、ピクミンの下記3観点の性能を考慮しています。

  • 攻撃面:原生生物やオブジェクトの耐久力を削る上で役立つ能力
  • 移動面:自分の移動、他ピクミンの移動補助、オタカラの運搬に役立つ能力
  • 守備面:敵の攻撃を凌いだり阻止したりするのに役立つ能力

 

ピクミンB

性能
攻撃面 DPS=30
移動面 種火を持って移動可能
守備面 火耐性

 

火に強く攻撃力も高い、基本的なピクミン

入手が容易で攻撃力も高いのが有難い所。DPS*1は黄ピクミンの1.5倍と高く、全ピクミン中トップタイ。かつ、死者が出ても容易に補充できるため、多少の犠牲は前提で原生生物にトツゲキさせることができ、敵の速攻排除に貢献してくれます。

また、火耐性も要所要所で役立ちます。カジオコシやヤキチャッピーといった原生生物には、平地だと他のピクミンでは触れることすらできないため、赤ピクミンに一定の需要があります。

また今作では、火種の持ち運びという、新たな役目も増えました。パーティの鉄砲玉として、安定的な活躍が期待できるピクミンです。

 

ピクミンC

性能
攻撃面 DPS=20、発掘速度が高い
移動面 投げ時の高度が高い
守備面 電気耐性

 

シリーズ作品ごとに様々な個性を与えられているものの、今作では活躍機会の乏しいピクミン

まず、電気耐性という能力は、火・水・毒・氷などの他の属性耐性に比べ必要性が薄め。というのも、黄でしか触れられない原生生物というのが存在しないからです。今作の電気系原生生物であるビリー・シビレオオバン・エレキムシ等は、電気を纏っていないタイミングなら他のピクミンでも攻撃できてしまいます。加えて、電気系ギミックの存在感も薄め。「3」で登場した電球は本作では削除され、電気ゲートは低耐久のためオッチンのトッシンで破壊可能で、電気トラップもほとんど出現しません。

高く飛ぶという能力も、羽ピクミンが居れば代替可能。羽は空中戦闘や運搬の面で優れるため、枠争いでは黄は不利となります。

結果として、黄ピクミンが必須となる状況が少なく、出番のあまりないピクミンとなりがち。ピクミンの種類の揃わない序盤や、ダンドリチャレンジで力を振るってもらいましょう。

 

ピクミンB

性能
攻撃面 DPS=20
移動面 水中移動可能
守備面 水耐性

 

水場対策用ピクミン。作品を追うごとにライバルが増えているものの、独自の役割を保ち続けているピクミンです。

本作での水場対策要員は、水面を移動可能な氷ピクミンや、水上を移動可能な羽ピクミンとの選択になります。そういったライバルに対する青ピクミンの強みは、水中に潜れること。特に、ウオノコやトビハゼといった水中の敵を排除したり、水底に沈んだオタカラを回収したりできるのは青ピクミン特有の強みです。本作では遭難者が海底に吐き出される場合もあり、回収には青ピクミンが必須です。

また、水場の無いステージでも、放水のギミックがある場合があり、青ピクミン以外では突破できません。根強い需要の残るピクミンです。

 

ピクミンA

性能
攻撃面 DPS=30、着地時衝撃波発生
移動面 ピクミンの約0.9倍の移動速度、運搬力10倍
守備面

 

隊列の攻撃面を下支えしてくれるピクミン

「2」では着地時に敵をスタンさせる能力がありましたが、今作では衝撃波で周囲にダメージを与える能力に変更。大型の原生生物1体を相手にするケースでは死に能力であるため、この変更はナーフと言えるでしょう。

一方で、トップタイの高いDPSは健在。タフな敵を相手にする際には頼もしいピクミンです。

また、運搬力はピクミン10体分あり、大概のオタカラは2〜3体で運んでくれます。今作の探索では、マップを進みながら、見つけたオタカラに運搬役を割り当て、残りのピクミンで先に進む、という流れになりなりがち。この際、オタカラ発見ごとに隊列のピクミンが削がれ、徐々に隊列全体の攻撃性能が低下していきます。こんな時、紫ピクミンが居れば、攻撃性能の低下幅を1/10に抑制できるという魅力があります。

このように、パーティのアタッカーとして採用の価値が高いピクミンと言えます。但し、耐性はゼロかつ、鈍重で逃げ遅れやすいため、運用には注意が必要です。

 

ピクミンD

性能
攻撃面 DPS=10、捕食時にダメージ
移動面 ピクミンの1.2倍の移動速度
守備面 毒耐性

 

毒を扱うという面白い性能を持っているものの、使い所の難しいピクミン

捕食された際に敵に毒ダメージを与えるという能力が最大の特色なのですが、これがかなり死にスキル気味。というのも、そもそも白ピクミン自体の入手タイミングが限定的で、入手数も少なめだからです。折角手に入れた貴重品をわざわざ死なせてまで、捕食時ダメージを発動させたいケースは稀です。その上、

  • 敵の捕食を待つ戦法は時間がかかりがち
  • 強敵ほど、捕食させる必要のある白ピクミンの数が多く、準備が大変
  • 毒系の敵には、捕食ダメージを無効化されてしまう
  • 捕食以外の方法で攻撃してくる敵には無力
  • 捕食されたぶん隊列の運搬力が落ち、他の仕事に悪影響

といった数多の弱点もあり、運用は困難を極めます。

また、毒耐性という能力も魅力ですが、他の属性への耐性より優先度は低め。というのも、カビコチャッピーやカビフラシといった毒系の敵は耐久が低めであり、ポイズン・クリーナを付けたオッチンのトッシンで十分対策できる場合が多いからです。

その上、攻撃力が黄の半分というデメリットまであるため、救いようがありません。運搬速度は他の1.2倍と早いものの、空路で運搬経路をショートカット可能な羽ピクミンには敵いません。こんなに不遇なのに、「2」での登場時と比べ、地中のオタカラを発見するという能力を失うナーフまで受けている、悲しきピクミンです。

 

ピクミンC

性能
攻撃面 DPS=15
移動面
守備面 物理耐性(刺突・圧迫)

 

鉄壁の物理耐性を有するピクミン

ピクミンの攻撃はやや特殊で、投擲時の単発ダメージは40と強力であるものの、敵に張り付くことができないため継続ダメージはたったの15、というものです。ピクミンの数が少ない序盤は投擲が有効ですが、大軍を率いる終盤は投擲している時間でトツゲキやトッシンをした方が効果的。結果として、攻撃面はパッとしません。

守備面では独自の耐性を有しています。特に、ダマグモやフタクチドックリ等の広範囲踏み潰し攻撃に耐性があるのがポイント。しかし、敵に踏み潰されてから、地面に埋まった岩ピクミンを回収し、再度投擲・・・、といった持久戦法は時間が非常にかかるのが難点。安全に敵を撃破できても、他の作業の時間が減ってしまいます。

総評すると、少数精鋭で持久戦に持ち込むのが得意なピクミン。大群で電撃戦を仕掛けてダンドリアップ、という本作のコンセプトに今一つマッチしていないピクミンです。

 

ピクミンS

性能
攻撃面 DPS=10、高所にトツゲキ可能
移動面 空中移動可能(羽専用の空中運搬経路あり)
守備面 落下耐性

 

空飛ぶ非力な軽量級ピクミン・・・、と見せかけ、実は攻速守に優れた万能選手。

攻撃面では、高所にトツゲキ可能という長所が光ります。今作の強敵は、ダマグモキャノン、デメジャコ、ヘビガラスなど、攻撃部位が高所にある敵が多数存在。こういった敵には、赤ピクミンや紫ピクミンをチマチマ投げるより、羽をトツゲキさせた方が有効です。実際、紫は1体投げるごとにDPSは30ですが、その間に羽50体をトツゲキさせればDPSは500。ゲキカラスプレー*2を使用するのであれば、ダメージの伸び率も大きいため、敵を一瞬で粉砕できます。

また、オタカラ運搬においては、羽ピクミンのみが使用可能な空路が設定されているのも嬉しい点。コンベアなどの妨害地形も無視でき、最速で運搬が可能です。空路なら地上の敵の攻撃も受けづらく、安心して運搬を任せられます。

その他、落下耐性があるのも有り難く、地下洞窟では奈落への誤投や敵による振り払いにも怯えなくて済みます。総合的に見て、他のおすすめピクミンを押し除けてでも選出する価値があるピクミンです。

 

ピクミンA

性能
攻撃面 DPS=10、水こんにゃく破壊可能
移動面 水上移動可能、水場凍結可能
守備面 氷耐性、敵に凍結付与

 

サポート能力を中心に、公式から多くの仕事を割り当てられている、今作の優遇ピクミン

攻撃時や被捕食時に敵を凍結させられる能力が強く、相手の動きを止めて味方の安全を保障できます。また、オオマンマンなど空中の敵は、凍結させると落下して即死させられるのも強力。

また、水こんにゃくを凍らせるのも重要な仕事。今作のギミックは、対策用ピクミンが居なくても、オッチンやバクダンで破壊できるものが大半です。そんな中、水こんにゃくだけは氷ピクミンでしか対策できまないため、隊列から外せない必須の存在となります。

他に、水場を凍らせてオタカラ運搬をサポートしたり、氷系の敵に安全に攻撃したりと、役割は多様。隊列に入れておいて腐ることはありません。

 

(特別枠)ヒカリピクミン

性能
攻撃面 DPS=20、フラッシュバースト使用可能
移動面 仕事終了時に隊列に自動ワープ帰還
守備面 火・電気・水・毒・氷耐性

 

全属性耐性に自動ワープ能力持ちと、破格の性能を有するピクミン

夜探索と洞窟でしか使用できないため、今回は評価の対象外です。

 

まとめ

以上をまとめると、ピクミンの評価は下記の通りです。

  • S:羽
  • A:紫、氷
  • B:赤、青
  • C:黄、岩
  • D:白

色とりどりのピクミンの使い分けが楽しい本作。ダンドリチャレンジや地下洞窟では特定のピクミンがクローズアップされ、色々な個性に深く触れることができます。

一方で、シリーズが進んでピクミンの種類が増えるごとに、性能の格差も拡大しているように感じられます。次回作以降では徐々に調整が進んでいくのか、今後もチェックを続けたい所です。

*1:敵を叩く継続ダメージの大きさの指標。黄・青ピクミンの20を基準として、一定時間に与えられるダメージを数値化したもの。こちらの記事を参考に記載。

*2:ピクミンのDPSを一律で40にするバフ効果を持つ

ファイアーエムブレムエンゲージのストーリーが物足りない理由

FEシリーズの新作、「ファイアーエムブレム エンゲージ」。前作「風花雪月」とはテイストがガラッと変わったストーリーが特長の作品です。

クリアしてみて、少年漫画のようなバトル物としては非常に盛り上がるストーリーだと感じました。一方で、前作のような硬派な戦記物を期待すると、作り込みの物足りなさに肩透かしを食らってしまいます。

そこで、本作のストーリーの戦記物として物足りないのはどういう所なのか、下記で書いていきたいと思います。バトル物としての面白さは、前回の記事で書いています。

なお、本記事はストーリーのネタバレを大いに含みますので、未プレイの方は先に作品をプレイしていただければと思います。

 

作り込み不足な各国のバックグラウンド

『FE エンゲージ』国へ投資すると育成が便利に!? ソラネルの掲示板や実績、ブロディア王国のシトリニカ(声:長谷川育美さん)などの情報も公開【ファイアーエムブレム】

戦記物が面白くなるために必要な要素は、プレイヤー自身が、まるでその国の国民になったかのように物語に没入できることだと思います。

私たちは日本国民です。国民ですから、自分の国について説明できます。日本は東京を首都とする民主国家であり、工業やITで外貨を獲得しており、軍隊は他国へは派遣しません。

同様に、戦記物として完成度の高い、前作「FE無双 風花雪月」の「黄燎の章」を考えてみましょう。プレイヤーは、まるでレスターの国民であるかのように、国のことを説明できるはずです。レスターは、デアドラを中心とする連邦制国家です。商業で外貨を獲得しています。小国であるがゆえ、三国鼎立の体制を維持すべく、他国にも出兵します。ここまで説明できるプレイヤーなら、レスターが戦争に勝利すれば、まるで自分の国が勝利したかのように喜び、物語を存分に楽しむことができます。

では、「エンゲージ」ではどうでしょうか。フィレネやイルシオンといった国家の、政治・経済・軍事について説明できるでしょうか? いいえ、できないはずです。ゲーム内で、そのようなバックグラウンドは説明されていませんからね。これでは、物語の世界に没入することはできません。

 

上記に挙げた要素の内、物語に没入する上で特に重要なのは政治体制でしょう。

「FE無双 風花雪月」では、政治体制を説明するため、イベントシーンで各国の為政者と重臣たちをセットで登場させていました。例えば、エーデルガルトが居城で会話をするシーンでは、エーギル公、アランデル公、ヴァーリ伯、ヘヴリング伯、ベルグリーズ伯といった貴族たちが同席するのが常です。彼らの顔ぶれを見れば、内政担当、外交担当、軍事担当といった国家運営の役割が分かり、政治体制が理解できます。また、主君の出征中も政治を代行できる家臣が居ることや、必ずしも全員が主君の意見に賛同していないこと、といった人間模様も見えてきます。

一方で、「エンゲージ」の為政者はどうでしょうか。作中では、イヴ女王・スフォリア女王・ハイアシンス王・モリオン王といった王たちは、往々にして重臣の一人も従えず登場します。特にイヴ女王に至っては、兵士の一人すら帯同させない潔さ。これでは、国家運営の様子が読み取れません。

 

また、「FE無双 風花雪月」では、各国の王族だけでなく貴族階級もクローズアップすることで、政治・経済・軍事を緻密に描写していました。

例えば、「黄燎の章」には、グロスタール伯爵家やエドマンド辺境伯家をはじめとする五大諸侯が登場。グロスタール家は国境沿いに領地を持つため帝国の干渉を受けやすく、エドマンド家は重商主義ゆえ軍事力は低い、といったお家事情も描かれています。

対して、「エンゲージ」では、各国の貴族についての描写はほぼ皆無。唯一あるのは、シトリニカがブロディアの大公家の娘という程度でしょう。他に、爵位について言及があるのは、クロエ(公爵家出身)とブシュロン(伯爵家出身)程度。家名や領地の位置についての設定もありません。

 

戦う必然性に欠ける戦争

FEは、戦争をするゲーム。命を賭して戦うからには、相応の理由が必要です。

前作「FE無双 風花雪月」の「青燐の章」では、ファーガス軍は祖国を守るために戦いました。敗戦すれば帝国によって祖国が蹂躙され、自分たちの命はありません。ですから、死に物狂いで戦うのです。

一方で、「エンゲージ」の主人公リュールはどうでしょうか。フィレネやブロディアに肩入れしてイルシオンと戦争をしますが、命を懸けて戦う理由はありません。敗戦しても、自分はリトスに撤退すれば良いのですから。

上の画像は、フィレネ城に侵攻してきたイルシオン軍と戦うシーンです。「許せません」と怒りを露にするリュールですが、本当に許せないのでしょうか。神竜族は、1000年に渡って各国の興亡を横目に見てきた種族のはずです。その歴史に照らし合わせれば、今また一つの軍事的弱小国家が、強者生存の原理に基づいて滅びようとしているだけです。それが、どのように「許せない」のでしょうか?

この辺りの戦う理由付けが弱く、本作はプレイしていてあまり燃えませんでした。

 

リュールが各国と戦う理由が無いのは当然。真の敵は、邪竜ソンブルだからです。しかし、その宿敵ソンブルとすら、実は戦う理由が無いのです。

終盤、ソンブルは異界への侵攻という野望を実現するため、異界への扉を開きます。扉が開いたままでは、異界のエネルギーが吹き荒れ、エレオスが滅びかねません。リュールは世界を救うため、扉の中へと飛び込みます。ソンブルを倒して扉を閉じるために。

しかし、リュールと出会ったソンブルは言います。自分はこれから異界へ行くから、リュールとは二度と会う事もない。扉は閉めてやるから、リュールはエレオスに戻れ。そうすれば、エレオスは平和に保たれる、と。

非常に現実的で平和的な提案です。そもそも、リュールはソンブルとは異なる世界で産まれた存在。ソンブルからは微塵も興味を持たれていません。この取り決めを受け入れれば、当初の目的であった世界平和は実現されます。

しかし、リュールはこの提案を足蹴にし、「いつかソンブルがエレオスに再度侵攻してこないとは言い切れない」という事実無根の言い掛かりで、ソンブルに最後の戦いを挑みます。このように、行動原理の説明が不完全であるせいで、最後まで戦う意味に疑問符が付くゲームでした。

 

こういう事態を招いたのは、「異界」という設定を安易に導入したからでしょう。異界出身の者同士は利害関係が薄く、宿敵同士にはなり得ません。

そもそも、FE初期の作品である「暗黒竜と光の剣」~「トラキア776」までは、各大陸は全て同じ世界にあるという設定でした。しかし、「烈火の剣」以降、原作者の退社や登場大陸の増加があり、同世界という設定を維持するのが困難になってきました。これを解決するため、「覚醒」にて導入されたのが、空間的・時間的な矛盾を一発解消できる魔法のワード「異界」です。

異界設定は、その後のifやFEHにおいても受け継がれ、今なおエンゲージに登場しています。しかし、そろそろこの設定を撤廃すべき時期が来たように思います。異界出身者同士が戦っても、FEの得意としてきた戦記物的なドラマは生まれません。

 

物語への没入を阻害する不自然なストーリー

今作では、章頭や章末のストーリー運びにもツッコミ所が多く、物語に感情移入するのが難しいです。

例えば、上の画像は、主人公リュールと四狗のメンバーが、イルシオンの港町で鉢合わせするシーンです。これから命のやり取りをする仇敵と、目と鼻の先の距離で世間話をする主人公。これでは、戦闘の緊張感も何も生まれません。

前作「風花雪月」の章頭会話はプレイヤーの心に火を付けるものが多かったですが、今作の章頭会話は逆にプレイヤーを脱力させるものもあります。

 

この画像は、序盤の山場である、敵国イルシオンの王が拠点を置く、デスタン大教会に進軍するシーンです。敵軍の居城を寡兵で攻めるのですから、奇襲、火攻め、寝返り工作など、様々な策が考えられます。しかし、主人公リュールが取った行動は、教会の扉を開けて正面からこんにちは。結果として、建物内で敵兵に襲われ、絶体絶命のピンチに。ツッコミどころ満載のストーリーです。

 

他にも、プレイヤーを脱力させる不自然なストーリー展開は色々あります。

  • [5章] イルシオン軍に一瞬で王都を陥落させられるフィレネ王国。まともな国防が機能しているのか?
  • [7章] 仮にも一国の王子であるスタルークが、ジャンピング土下座。その情けない姿を見てなお、何故か好意を寄せるラピス。
  • [8章] イルシオンとの戦争にて、総大将なのに無闇に前線に出たがるモリオン王。結果として討ち死にし、ブロディア王国を混乱に陥れることに。
  • [9章] 作戦に失敗したアイビーを殺す決断を下すハイアシンス。一方、17章ではアイビーに対し「お前を愛していた」と語っており、何を考えているのか不明。
  • [11章] デスタン大教会で神竜軍を袋のネズミとすべく、入り口を守るように登場する四狗。しかし次のシーンでは、神竜軍はイルシオン南部に脱走している。
  • [13章] 仮にも王位継承者であるミスティラの趣味が野宿。いずれ野盗に襲われて命を落とすのでは?*1
  • [18章] 自国の王女2人を迷いも無く殺そうとするイルシオン軍。説得に応じたリンデン以外は、何のために戦っているのか不明。

 

内面的成長の乏しいキャラクター

FEエンゲージ】支援会話を見るのがめんどくさい 支援レベルを上げるメリット|GameFoliage

本作に登場するキャラクターは、どれも魅力的なものばかり。女キャラはビジュアルも声も可愛く、男キャラは愉快でカッコいい人物ばかりです。こんなキャラを何十人も生み出すとは、ISの仕事ぶりは天才的です。それだけに、キャラクター面で一つだけ惜しい点があります。それは、キャラクターの成長によるドラマ性が薄いことです。

前作「風花雪月」では、様々な問題や悩みを抱えるキャラクターが、戦いを通して心身ともに成長していく過程が見所でした。例えば、マリアンヌは「獣の紋章」を身に宿すがゆえ、人との関わりを避ける、自責的な性格のキャラクターです。しかし、外伝マップで「獣の紋章」の真相を突き止めてからは、精神的に吹っ切れ、後日談ではフォドラのために活躍する弁舌家になります。

それに対し、本作では、登場時からクリアまでで大きな精神的成長があったキャラクターはほとんど居ないように思います。この点が、風花雪月と比べて物足りなく感じてしまいます。

 

使い古された、容易に予測可能な展開

記憶喪失のリュール。マルスも思わず口をつぐむような彼の過去とは一体何なのか。この謎が、本作のストーリーの再序盤で提示されます。

神竜を象徴する青と邪竜を象徴する赤のツートンカラーのデザインを見て、「多分邪竜の血を引いてるんだろうな」と思ったプレイヤーも多かったことでしょう。そして、実際にリュールは邪竜ソンブルの子でした。こういった、容易に予想可能なストーリー展開は、本作の残念な点です。

確かに、親殺しが最終目標だというのは、バトル物としては熱い展開です。しかし、「主人公が実はラスボスの竜の血を引いていた」というのは、ISが直近でシナリオを手掛けたFE作品である覚醒・ifと全く同じです。この点がワンパターンで惜しく感じました。できれば次回作では、今までにない斬新なストーリー展開を期待したい所です。

 

また、作中での重要キャラの死も、非常に予測しやすいものとなっています。

例えば、四狗のマロン。神竜軍に指輪を奪われ続けた失態を、たまたまソンブルに咎められなかった時の反応が上の画像です。自分の立場を過信し、失敗の責任を追及されることのない特権的身分であると豪語するマロン。「その内やらかして殺されるな」、と誰もが思う事でしょう。実際、この次の章で更に指輪を2つ奪われる大失態を犯し、3章後に殺されます。

本作の重要人物は必ず、死を迎える前に、火を見るより明らかな死亡フラグを立てます。

  • [3章] 千年ぶりに目覚めたリュールを見て、「話したいことが沢山ある」と喜ぶルミエル。しかしそれが叶わぬまま、直後に邪竜軍の夜襲を受け絶命。
  • [9章] 周囲の制止を振り切り、イルシオン軍の見え見えの罠に、無策で突撃するモリオン王。予想通り、敗戦し死人となる。
  • [10章] 邪竜ソンブルの復活を目にし、狂気に満ちた高笑いを上げるハイアシンス王。直後に、ソンブルの養分として食い殺される。

 

しかし、この「分かりやすい死」には評価点もあります。第一に、死がリュールや王族たちを奮起させたり、「異形のモリオン」や「異形のルミエル」といった強敵を生み出したりと、ストーリー上のギミックとしての働きは有効です。

第二に、過去作「if」では、ストーリー上でメインキャラが何の予兆もなく突然死する違和感満載の展開が多く、問題視されていました。リリス・スズカゼ・クリムゾンといったキャラが突如として犠牲になり、主人公カムイが嘆き哀しむのですが、プレイヤーは呆気に取られ、今一つ共感できません。それに対し、「エンゲージ」では分かりやすい死亡予告があるため、こういった違和感が軽減されています。

 

明かされないまま終わった謎

ファイアーエムブレム エンゲージ』紋章士 総覧 – Nintendo DREAM WEB

本作においては、謎が謎のまま終わってしまっている部分が存在するのも、残念な点です。

例えば、ゲームを遊んで真っ先に湧く疑問の一つが、「紋章士とは一体何者なのか」という点です。これに関して、作中で明かされている情報は下記の通りです。

  • 紋章士は指輪から顕現される精神体であり、物体に触れることはできない
  • 異界には、それぞれの紋章士の元になった英雄が存在する。但し、その英雄自身と紋章士とは同一の存在ではない
  • ソンブルの居た異界では、エレオスとは別の紋章士の指輪が存在していた
  • 千年に一度、12の指輪を揃えた者は、1つ願いを叶えることができる

結局のところ、異界で活躍した英雄がどのような経緯で紋章士となったのかは不明のままです。制作陣も、これに関する確固たるな設定は定められなかったのでしょう。

 

また、ソンブルが王の血を求めている、という設定も謎深いです。

千年前の神竜族との戦争で失った力を取り戻すため、モリオンやハイアシンスといった王を餌食にするソンブル。10章では、同じ部屋に居たアルフレッドやディアマンドら王子王女グループには見向きもせず、ハイアシンスだけを丸飲みにしました。一般人でも王子でもなく、王だけからのみ復活のエネルギーを摂取できるというのは、一体どういう原理なのでしょうか。

こういった謎設定に関しては、しっかりフォローが欲しい所です。

 

まとめ

コーエーテクモゲームズが担当した風花雪月のシナリオは、緻密な完成度を誇っていました。それと同じクオリティを本作のシナリオにも期待していると、肩透かしを喰らってしまいます。国家背景の作り込みやキャラの内面的成長など、様々な角度から見て、戦記物としての物足りなさが目立ちます。

もちろん、ISが担当した「if」のシナリオと比較すると、当時の不評ポイントは大幅に改善されています。しかし、やはり外注のクオリティには遠く及びません。次回作では、IS側がゲームシステム構築やレベルデザインを担当し、コーエーテクモゲームズがシナリオを担当すれば、神ゲーが誕生するのではないでしょうか。

*1:事実、神竜軍が偶然来なければ、テッツィ&トッツィに勝てていない

ファイアーエムブレムエンゲージのストーリーが盛り上がる理由

FEシリーズの新作、「ファイアーエムブレム エンゲージ」。前作「風花雪月」とはテイストがガラッと変わったストーリーが特長の作品です。

クリアしてみて、少年漫画のようなバトル物としては非常に盛り上がるストーリーだと感じました。一方で、前作のような硬派な戦記物を期待すると、作り込みの物足りなさに肩透かしを食らってしまいます。

そこで、本作のストーリーのバトル物としての面白いのはどういう所なのか、下記で書いていきたいと思います。戦記物としての物足りなさは、次回以降の記事で書きたいと思います。

なお、本記事はストーリーのネタバレを大いに含みますので、未プレイの方は先に作品をプレイしていただければと思います。

 

思い入れ深い歴代キャラの集結

ファイアーエムブレム エンゲージ プレイ動画26【エンディング】 - YouTube

今までFEの歴史を刻んできた過去作から、主人公たちが集結する。これが本作も最もアツいポイントでしょう。過去作主人公たちの性格や経歴は本作で忠実に再現されており、彼らを目にするだけでノスタルジーが沸き起こります。不気味な異形の敵との戦いに、信頼と実績のキャラたちが手を貸してくれるというのは、非常に心強いものです。

また、彼らの性能やスキルが原作のシステムを反映している、というのも嬉しいファンサービス。例えばセリカのスキル「大好物」はエコーズの食事システムの再現ですし、カムイのスキル「スキンシップ」はifのキャラクター撫でシステムのオマージュであるなど、過去作プレイ者ならクスッと来る原作要素が散りばめられています。ストーリーを進める中でも、次はどの過去作主人公が仲間になるんだろうとワクワクします。

加えて、外伝では、各紋章士が原作で特に思い入れを持つマップが再現されています。紋章士のパーソナリティが掘り下げられるとともに、プレイヤーも思い出に浸れます。

 

主人公サイドだけに留まらず、終章では過去作のラスボスたちが「闇の紋章士」として集結するのも胸熱です。アスタルテやドーマといった各大陸の上位存在を交えてのボスラッシュはインパクト抜群。その上、彼らの戦闘会話も原作の散り際のセリフの再現であり、懐かしさ満点です。FE30周年の作品に相応しい、ニクい演出です。

 

意外性のある終盤の展開と伏線

本作の終盤である20章以降は、意外性のある怒涛のストーリーが展開され、思わず唸らされました。特に驚いたのは、主人公リュールが死ののちに異形兵となり、更に紋章士として復活する、という点。新作主人公が過去主人公たちと肩を並べてともに紋章士となる、という展開は予想だにしていませんでした。死後の存在として戦う主人公、というのはFEでも前代未聞であり、仰天の展開です。

 

また、主人公リュールが紋章士を顕現する際には、独特の呪文を発します。「竜穿ろ」と書いて「ほえろ」と読ませるなど、謎の厨二ワードセンスがプレイヤーを当惑させます。最初は、てっきりISのシナリオライター中二病なのかと誤解していました。

しかし、実はこの呪文こそ、主人公リュールが邪竜族の血を引く証なのでした。ストーリー中では、神竜王ルミエルは祈りによって紋章士を顕現し、邪竜ソンブルは呪文によって紋章士を顕現します。そして、ソンブルと同じ顕現方法を有するリュールは、邪竜の血族であると判明します。この伏線がチュートリアルから張られていたことに終盤で気付かされ、思わず感銘を受けました。こういうストーリーが、今までのFEに存在したでしょうか。

この紋章士の顕現システムは、ストーリーで最大限に有効活用されています。例えば、22章で異形兵と化したリュールが呪文で紋章士を顕現すると、ソンブルが顕現したのと同様に「闇エンゲージ」状態となってしまい愕然とする、というのは面白い展開だと思いました。指輪の能力発動のルールを探り、そのルールの裏側を突くことが、戦いを有利に進める上で不可欠となります。能力バトル物の少年漫画を読んでいるかのように、引き込まれるストーリーでした。

 

同情の余地ある悪役

本作のラスボスである、大陸最強の力を有する邪竜ソンブル。本作プレイ前は、無条件で悪と断定できる「邪竜」という存在が登場するストーリーに、不安を煽られました。FEの生みの親である加賀氏曰く、「絶対悪を登場させないことが物語の深みを生む」そうだからです。実際、邪竜ギムレーがラスボスとして登場する「覚醒」では、主人公があまり自分の頭で善悪を考えない、軽薄短小なストーリーが展開されました。

そんなギムレーとは違って、邪竜ソンブルには確固たる戦いの動機が設定されています。彼は、戦いで親族を皆殺しにされ、生まれ育った世界を追放され、唯一の知己にも見放された*1、悲しき過去があります。その復讐を成し遂げるため、エレオスを犠牲に、元の世界への侵攻を試みているのです。ラスボスに同情の余地があるというのは、ストーリーの評価点です。

FE過去作のラスボスは、ネルガルやハイドラのように正気を失った者や、アスタルテやフォデスのように人の心を持たぬ者たちでした。それと比べれば、人間との話し合いや交渉が可能なソンブルは、新感覚のラスボスです。

 

邪竜軍の幹部である四狗にも、戦う動機が設定されていたのは良い点でした。一見冷血漢に見えるセピアや、戦闘狂に見えるグリにも、「家族が欲しい」という共通の願望がありました。孤独に育った幼少期を埋め合わせるため、愛するものを欲していたのです。

プレイヤーが四狗から受けた暴行は数知れず、指輪を奪われた状態で追い回されたり、暗闇からワープライナで襲撃されたりと、理不尽な仕打ちに晒されてきました。そんなヘイトの溜まった四狗ですら、死に際は哀れに思えてしまう、良い演出でした。

ただ、「孤児なので寂しかった」というキャラ付けは使い古されており、もう一捻り欲しかった所です。

 

テンポ良好なストーリー展開

本作では、主人公リュールが指輪を求めて各国を巡る、諸国遍歴のストーリーが展開されます。こういった大陸周遊型のストーリーは、展開が遅くなりがちなのが過去作の課題でした。

例えば「if 暗夜王国」では、敵軍の本拠地であるシラサギ城に24章で到着した後、終章である28章まで5マップも城での戦いが続きます。変わり映えのしない風景には、さすがに飽きが来ます。

また、「蒼炎の軌跡」では、18章でクリミア対デインの全面戦争が始まって以降、29章まで12マップの祖国奪還戦が繰り広げられます。その間、クリミアが徐々に戦線を押し上げるのに対し、デインは有効な手立てを打てず、じわじわ戦力を削られるのみ。2国間の有利不利は逆転せず、やや退屈です。

それに対し本作では、フィレネ→ブロディア→イルシオン→ソルムと、3マップほどのスパンでバトルフィールドが切り替わり、視覚的にプレイヤーを飽きさせません。加えて、神竜軍有利な戦況と邪竜軍有利な戦況がコロコロ入れ替わり、展開もダイナミックです。

テンポの良さでプレイヤーを楽しませてくれる、優秀なストーリーだと感じました。

 

まとめ

FEエンゲージは、特に下記の点で面白いストーリーだと感じました。

  • 歴代キャラが集結する胸熱展開
  • あっと言わされる終盤の展開と伏線回収
  • 話が分かり同情の余地があるラスボスと敵幹部
  • プレイヤーを退屈させないテンポの良さ

緻密な設定が売りであった風花雪月とは路線が異なり、能力バトル系少年漫画のような盛り上がりのあるストーリーだと思いました。

*1:礎の紋章士に見捨てられたと思い込んでいる。真相は不明