一般的には貴族のみが持つとされている「紋章」ですが、ハンネマンの研究に協力した主人公は、自らの身に何らかの紋章を宿していることを知ります。貴族ではない主人公が、なぜ紋章を宿しているのでしょうか? #FE風花雪月 pic.twitter.com/t6KmVqg1ck
— 『ファイアーエムブレム』総合 (@FireEmblemJP) May 18, 2019
「ファイアーエムブレム 風花雪月」の主人公は、謎の紋章を身に宿しているようです。この紋章は、セイロス教のレリーフに描かれる21の紋章のどれとも一致しません。
一体、この紋章は何で、主人公は何者なのか。紋章の力で、主人公は何を成し遂げるのか。気になったので、紋章の正体と、主人公の果たす役割について予想してみました。
主人公と同じ紋章を背負う老人の存在
PVを見回すと、主人公と全く同じ紋章を背に纏った一人の老人が存在することが分かります。聖者セイロスらしき女性と戦いを繰り広げる老人。おそらく、彼は英雄戦争でセイロスに敗れた解放王ネメシスでしょう。
ゲーム紹介ページの説明にも、こうあります。
フォドラの大地に根づくセイロス教は、聖者セイロスを開祖とする。遠い昔に起こった英雄戦争と呼ばれる戦いで“解放王”ネメシスを倒し、フォドラに安寧をもたらした人物だ。
英雄戦争時代の戦士たちの子孫に現れるという紋章。つまり、主人公はネメシスの子孫という事なのでしょう。平民と見られていた主人公が実は古の王の末裔という事であれば、超重要人物です。主人公の命の価値をソティスが高く評価するのも頷けます。
しかし、それほど重要な紋章ならば、なぜ存在が世間に認知されていないのでしょうか。少なくとも、主人公の父ジェラルドを始めとする親族にも、紋章が発現して然るべきでは無いのでしょうか?
これに関して、ゲーム紹介ページには、以下のようにあります。
登場する貴族の多くは英雄戦争の時代における“フォドラ十傑”の子孫であり、受け継いだ紋章を宿す家系にある。紋章は血脈によって受け継がれるが、その子孫が必ず紋章を宿すわけではなく、限られた者だけが能力を引き出すことができる。紋章は、その力を強く発現させる“大紋章”と、少しだけ力の劣る“小紋章”に大別される。一般的には英雄の血が濃いほど大紋章を宿しやすいと言われるが、突発的に大紋章を持つ子が産まれることもあり、原理はまだ解明されていない。
英雄の子孫に紋章が現れるかは運次第。おそらく、ネメシスの紋章は、限りなく発現率が低いのでしょう。そして、突発的に主人公にだけ紋章が現れたのでしょう。世界でオンリーワン、主人公だけの能力、という事なのかもしれません。
・・・しかし、PVを見てみると、主人公以外にももう一人、解放王ネメシスの紋章を持つ者が確認できます。
ソティス持つ紋章と剣
ソティスの腹部分の飾りを見ると、ネメシスの紋章が刻まれているのが見えます。彼女も、主人公やネメシスの血縁者という事なのでしょうか。
また、ソティスの持っている剣は、ネメシスの使用する剣に酷似。柄の形は同じですし、刀身がバラバラに分解できるような横方向の切れ込みも確認できます。つまり、ソティスはネメシスの子孫であり、彼の剣を受け継いでいる、という事なのかもしれません。
逆に、ソティスの方がネメシスより上位に立っている、という可能性も考えられます。ソティスの緑髪、尖った耳、金のサークレットなどは、神竜であるチキを彷彿とさせます。ソティスはフォドラの神祖竜で、その力を与えられた王がネメシス、という予想もできます。
このような由緒ある紋章が存在し、その紋章を宿して生まれた主人公。では、彼はどんな運命を持ち、作中でどのような役割を果たすのでしょうか。
「覚醒」と類似したストーリー?
謎の紋章を持ったFEの主人公と言えば、真っ先に思い付くのが覚醒のルフレです。右手の甲に「邪痕」を宿しているルフレ。これは、邪竜ギムレーの血を引く一族に現れる紋章です。
作中でルフレは、邪痕に目を付けられ、ギムレーと一体化させられてしまいます。どんな攻撃でも倒し切ることのできない無敵のギムレー。その唯一の打倒法は、ギムレー自身がギムレーを殺す事でした。それを聞いたルフレは、自分がギムレー自身であることを利用し、ギムレーにとどめを刺します。そして、ギムレーであるルフレ自身もまた、命を落としてしまうのでした。
このように、神竜と敵対するギムレーの血を引いていたばかりに、悲運に翻弄されたルフレ。これは、聖者と敵対するネメシスの血を引くベレトとよく似ています。ベレトも、ルフレと似たような道を辿る可能性は少なくないでしょう。例えば、ネメシスの化身や眷属と戦って相打ちになる、といった結末は予想できます。
しかし、解放王ネメシスが敵役と考えると、やや違和感があります。FEで「解放」と言えば、主人公側が掲げる正義の言葉。「ネメシス」という言葉自体にも、「義憤」や「神罰の執行者」といった正義的意味がります。敵役のネーミングとしては、相応しくありません。
「暁の女神」と類似したストーリー?
逆に、ネメシスと敵対している聖者セイロス、またはセイロスに福音を与えた女神こそが敵役である、と考えるとどうでしょうか。
聖者や女神が敵に回る前例として、「暁の女神」が挙げられます。人間を滅ぼそうとする女神アスタルテに対し、主人公に取り憑く女神ユンヌの力で対抗する、というストーリーです。幼女系女神に取り憑かれる主人公、という意味では風花雪月も全く同じ。ここから、ソティスと協力して女神に対抗する、というストーリーも予想できます。
女神の与えた紋章には、明らかに負の側面も存在します。まず、先天的に発現した紋章によって人生が左右される、という社会構造は不健全です。また、女神が人に紋章を自由に与えられるという事は、人間が女神に生殺与奪を握られているという事でもあります。加えて、他大陸のように女神が神竜であった場合、加齢で狂気に蝕まれ、紋章の力が暴走する可能性もあります。こう考えれば、女神を倒して紋章の支配から人々を解放する、というストーリーも現実味を帯びます。
まとめ
風花雪月の主人公は解放王ネメシスの末裔であると考えられます。ソティスもネメシスの子孫、あるいはネメシスに力を与えた者と予想します。その紋章の力を活かし、「覚醒」のように祖先と戦うか、「暁の女神」のように神と戦う、とのストーリーが考えられます。
しかし、このような予測通りになってしまうシナリオであれば、それは単なる過去作の焼き直しに他なりません。できれば、新作には、予想を裏切る斬新なストーリー展開を期待したい所です。