【FEH】大物悪役キャラの戦闘時セリフ出典考察

ファイアーエムブレム ヒーローズ(FEH)には最近、原作の悪役キャラがプレイアブルユニットとして続々と追加されています。驚くべきは、彼らの原作再現度が思ったより高いという事。特に、キャラが奥義発動時や被弾時に発するセリフは、原作での印象深いシーンより引用されたものとなっています。

大物悪役のセリフは、大胆で壮大かつパワフルであり、プレイヤーの心に深く残ります。そんなセリフを最新作にも引っ張ってくるとは、非常に嬉しいファンサービスです。そこで、大ボスたちの戦闘時セリフの出典を調査し、まとめてみました。

 

 

ハーディン

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まずは、FEにおける悪役の源流とも言える、ハーディンから見ていきます。

原作「紋章の謎」でのハーディンの登場シーンは、8章と20章の2回のみ。FEHでのハーディンのセリフは、全て20章の会話から抜粋されているようです。

 

奥義セリフ

「すべて殺す!」

逆らうものは全て殺す。ミディア、お前もだ!!

奥義発動時のセリフ『すべて殺す!』は、20章のオープニングイベントから取られているようです。王都パレスでクーデターを起こしたミディアを捕えたハーディン。彼女を威嚇するように放った一言です。

 

「つけあがるな!」

貴様など、俺の協力がなければとっくの昔に死んでいた。
つけあがるなよ、マルス!!

セリフ『つけあがるな!』は、20章で玉座付近に進軍した際に起こるイベントでの会話が出典。マルスを挑発するハーディンの台詞です。

 

「貫いてやろう!」

マルスよ! 俺の傍へこい。
このグラディウスの槍でその胸を貫いてやる!!
この小さな大陸に、英雄は俺一人でたくさんだ!

こちらのセリフも、玉座付近に進軍した際のイベントより引用。非常に力強いセリフであり、さすがは悪役です。

 

「死にに来たか!」

反乱兵ども…わざわざ死にに来たか!
グラディウスの恐ろしさ、思い知らせてくれる!!

一般ユニットでハーディンと交戦した際の戦闘会話。8章・20章ともに、この会話が使用されます。

 

行動開始時セリフ

「滅べ…」

この世界は、腐っている。つまらぬ人間ばかりだ。
こんな世界になんの価値がある。
いっそ滅んだ方が良いのかも知れぬぞ。

マップ上でハーディンをタップした際のセリフ『滅べ…』ですが、恐らくハーディンとミディアとの会話が出典でしょう。多くの人間を犠牲にした事を糾弾するミディアに対し、終末論的な切り返しをするハーディン。

 

「憎い…」

俺はその頃から貴様が憎かった。
ニーナのために我慢していたが、貴様とは、いずれ決着をつけねばらぬと思っていた。
このオーブなど関係ないわ!!

マルスを憎むハーディン。しかし、本当に憎いのは恋敵のカミュなのでは…?

 

通常攻撃時セリフ

「馬鹿め!」

前の戦いではアンリの子孫であると言うだけで、
ニーナからエムブレムを託され盟主にまつりあげられた。
光の王子だと…馬鹿め!

攻撃時のセリフ『馬鹿め!』ですが、マルスとのやり取りから引用されている様子。行く先々で不自然なほど厚遇されるマルスに対し、プレイヤーのみならずハーディンも異常だと感じていたようです。

 

死亡時セリフ

マルス王子、許せ…」

王子…許せ…
私は、自分の中にある恐ろしい悪魔と戦っていた。
だが、私は弱すぎた…
必死に逆らったが… 勝てなかった…

FEHでの死に際のセリフは、原作でハーディンを撃破した時の会話より引用。闇のオーブの支配が解け、正気に返ったハーディンが、死に際に真実を告げるという名シーンです。このシーンの台詞をFEHにも使用するとは、任天堂は良い趣味をしています。

 

ギムレー

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原作でギムレーが台詞を発するシーンは、「覚醒」の終章のみ。FEHでのセリフも、調べた限りでは、全て覚醒終章の会話から引用されていました。

一応、「エコーズ」にもギムレーは登場するのですが、幼体ゆえなのか台詞は一言もありません。

 

奥義セリフ

「おしまいだよ」

おしまいだよ、もう一人の僕。
君が信じた絆、仲間……
なんて脆い。なんて儚い。

終章開始時のイベントより引用。マップ兵器での強力な一撃を浴びせられ、HPを残り1まで削られるルフレたち。何でも「絆」で解決しようとする主人公に対し、ギムレーが圧倒的な力を見せつけるシーンです。

 

「消えるかい?」

だが、もう遅い。
こうして我が内に取り込まれた以上、抗うことはできない。
君の自我は消え、僕と一つになる…

「消える」という表現は、どうやらルフレがギムレーに取り込まれるシーンを指しているようです。ギムレーがルフレを接収し、更なる力を得ようとするシーンです。

 

 

「食い殺してあげるよ」

やれやれ…手間をかけさせてくれるね。
でも、結果は同じことなんだよ。
暴れる獲物を食い殺すより無抵抗な獲物のほうが楽…
そう思って譲歩してあげただけだ。
食い殺すことに何も変わりはない!

大人しくギムレーに取り込まれるか? …という問いかけに対し、「いいえ」を選択した際のギムレーの反応。

 

「我はギムレー」

ワレハ…ギムレー…
ワレハ…ゼツボウ…

ギムレーと一般ユニットとの戦闘会話。原作でのギムレーの台詞の中では、まともな言語になっているのはこれが最後。これ以降は、「ググ…」とか「ア…アァ…」などとしか喋りません。

 

行動開始時セリフ

「選ばせてあげよう」

選ばせてあげるよ。
この僕と同化すれば、仲間の命は助けてやる。
断れば、皆殺しだ。

ルフレに脅しをかけるギムレー。ここで「はい」と答えるか「いいえ」と答えるかによって、会話内容が分岐します。

 

「誰から殺す?」

君がが諦めようと諦めなかろうと、
僕は君の大切な仲間を殺す……

マップ上でタップした際のセリフ「誰から殺す?」に関しては、今一つ近いものが原作の会話に見当たりませんでした。一応、上の台詞が一番似ているのではないかと思います。

 

被弾時セリフ

「面倒だね」

まだ刃向かうんだね?
面倒な奴……先に消える?

同化に抵抗するルフレに対し、ギムレーが攻撃を放つシーンより。

 

死亡時セリフ

「こんな…虫けらに!」

やめろ…!耳障りだ!
やめろ! 無力な…… 矮小な! 脆弱な!
この虫けら共がああああああっ!

ギムレーに取り込まれそうになったルフレに、仲間たちが一斉に激励の声を届けるシーン。ギムレーは悶え苦しみ、ルフレは奇跡の生還を果たします。

 

眷属タクミ

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弟でありライバルでありヒロインでありラスボス、という八面六臂の活躍を見せる名キャラクター。出番が非常に多く、セリフも原作ゲームの随所から引用されています。

 

奥義セリフ

「調子に乗るな…」
 暗夜5章「母と子」

調子に乗るなよ…?
僕は、あんたたち二人を信用していないからな。

貴重なタクミの生前の台詞。カムイを歓迎する白夜王族たちの中で、ただ一人カムイを敵視するタクミの発言です。

「if」のタクミの奥義セリフでもあります。

 

「目障りだ…」
 暗夜13章「反乱鎮圧」

目障りなんだけど…
さっさと死んでくれないかな?
僕やクリムゾンが望んでいるのは、
この国を暗夜王国から解放すること…

「if」のタクミの奥義セリフであり、13章では会話文としても使われています。シュヴァリエ公国を暗夜王国から解放するために戦うタクミですが、この時点で既に水の眷属と化しています。

 

「殺してやる…」
 暗夜23章「囚われし瞳」

カムイ…
お前はこの僕が倒してみせる。
例え刺し違えても、必ず殺してやる…!
必ず…!

 暗夜27章「虚ろな王」

お前なんか、殺してやる…
殺してやる、殺してやる、殺してやる…

原作のタクミの口癖、「殺してやる」。本編のシナリオだけで少なくとも10回はこの台詞を発しています。タクミを代表する台詞と考えられたのか、遂にFEHの奥義セリフとして採用されました。

 

「皆殺しだ…」
 暗夜終章「光去り行く黄昏」

僕が、本物の、白夜王子タクミだ…
僕がこの国を守る…
白夜王国のために闘う…
暗夜の者は皆殺しだ…
死ね…みんな死ねええええっっっ!!!!!

風神弓に裏切られ、激昂する眷属タクミ。

 

行動開始時セリフ

「僕がやる…」
 暗夜23章「囚われし瞳」

僕がやる…
救いの刀など無くても…
僕がこの白夜王国を救ってみせる…
お前たちに、僕を捕えることなんてできないさ…
ほら…
逃げる道なら…
ここに……

スサノオ長城での戦いに敗れたタクミが、城壁から身を投げる直前の台詞。

「if」のタクミの奥義セリフでもあります。

 

被弾時セリフ

「僕の邪魔を!」
 暗夜終章「光去り行く黄昏」

ぐっ…!?
この歌は、いったい…!?
力が…奪われる…
どうして…!!
どうしてみんな、
僕の邪魔をするんだあああああああ!

アクアが歌の力でタクミの力を弱めるシーン。

…のはずが、タクミは力を奪われた風もなく、その直後に元気にマップ兵器をぶっ放してきます。加えて、歌の反動で命を落としてしまうアクア。なぜ命懸けで歌を歌う必要があったのかと、突っ込みの絶えないシーンです。

 

死亡時セリフ

「僕は…僕…は…」
 暗夜終章「光去り行く黄昏」

僕は…
僕…は……

眷属タクミ撃破時の戦闘会話。この直後、タクミは今際の際に正気に戻ります。何とも切ないシーンです。

 

漆黒の騎士

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「しっこくハウス」「この剣を使われよ」などの数々のネタを提供してきた、FE界の人気者。そのセリフはシリアスながら非常に煽り性能が高く、インパクトは抜群です。

 

奥義セリフ

「来ないのか?」
 蒼炎7章「漆黒の魔手」

【グレイル】……やめろ。おまえの勝てる相手じゃない……
【アイク】 しかし……!
【グレイル】アイクっ!!
【漆黒】  来ないのか? ならば、こちらから……

グレイルを死の淵に追いやった漆黒の騎士が、今またアイクをも手に掛けようとするシーンより抜粋された奥義セリフ。

 

「愚か者め」
 蒼炎11章「流れる血の色は」

【漆黒】 何故、仕掛けてくる? おまえでは私の敵にはならん。 全力で逃げるべきではないのか?
【アイク】うっ… うおおおおおお!
【漆黒】 …愚か者め。

 蒼炎24章「戦場の再会」

……愚かな。
すぐに逃げれば、見逃したものを。

 暁1部9章「闇よりの生還者」

愚かな……
では、くるがいい。

漆黒の騎士から見れば、周りの人間はすべて愚か者。彼の口癖が、FEHの奥義セリフとして採用されたようです。

 

「身の程をわきまえよ」
 暁1部9章「闇よりの生還者」

…貴様ごときに
私の相手が務まると思ったか?
身の程をわきまえよ。

漆黒の騎士のセリフの中でも屈指の名言。第1部のボスであるジェルドを歯牙にも掛けない態度で、格の違いを見せつけます。

 

「死力を尽くせ」

出典不明のセリフ。一体どこから引用してきたのでしょうか?

 

行動開始時セリフ

「気遣いは無用」
 暁4部3章「さまざまな歪み」

…無用だ。乙女の守護こそ我が役目なれば……

色々探した中で最も近かったのは、暁4部3章での漆黒の騎士の台詞です。

砂漠マップに、突如友軍として出現する漆黒の騎士。破竹の勢いで敵軍を倒し、貴重な経験値を次々と消滅させていきます。漆黒の動きを止めるべく、騎兵などで救出しようとした際に投げ掛けられるのが、上の台詞。救出を断られてしまうので、結局は漆黒を野放しにするしかありません。

 

被弾時セリフ

「かなり、やる」
 蒼炎11章「流れる血の色は」

【ライ】…っ…なぜだ… オレの攻撃が…きかない…?
【漆黒】かなり、やる。だが、私の敵ではないな。

「女神の加護」の効果でライの攻撃を無効化した直後に、「かなり、やる。」の一言。謎の語感と上から目線が好評を博したのか、漆黒の台詞としては非常に有名になっている1フレーズです。

 

死亡時セリフ

「体が動かん…」
 蒼炎27章「宿命の刻」

なんだと!?
まさかこの城ごと、私を……
くっ か、体が動かん…
…まさか……こんなことが……

死亡時のセリフは、漆黒の騎士が城の崩落に巻き込まれるシーンから抜粋されています。竜鱗族であるナーシルの攻撃で大きなダメージを負い、そのまま崩れる城の下敷きになる漆黒の騎士。無敵とも思えた漆黒の騎士に対し、主人公陣営が一矢報いたシーンです。

 

ゼフィール

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第2のハーディンとでも言うべき、世界を破滅に誘う国王。

原作「封印の剣」ではストーリー中盤に顔見せとして登場します。その際のセシリアとの戦闘イベントは、ネタとして高い人気を誇ります。FEHでの奥義セリフも、多くはその戦闘イベントから引用されたものとなっています。

 

奥義セリフ

「よい座興だ」
 封印13章「救出作戦」

【イドゥン】 陛下おん自らが戦われなくとも…
【ゼフィール】かまわぬ、よい座興だ。 ナーシェン、案内をいたせ

エトルリアの反クーデター派を、ミスル半島の西端にまで追い詰めたナーシェン。しかし、反クーデター派のリーダーであるセシリアの立てこもる古城を、なかなか攻め落とせずに居ます。そこに颯爽と現れたゼフィール。国王自らセシリアを葬りに向かう、というシーンです。

 

「相手をしてくれよう」
 封印13章「救出作戦」

【ゼフィール】ほう、貴様が『魔道軍将』セシリアか
【セシリア】 !! …ベルン国王ゼフィール
【ゼフィール】貴様の戦いぶりに免じて、わし自らが相手をしてくれよう

ゼフィール対セシリアの直接対決のシーンから引用された奥義セリフ。

 

「フン」
 封印13章「救出作戦」

【セシリア】 つ つよすぎる…
【ゼフィール】気を失ったか。 フン たわいもない

回転攻撃でセシリアを即死させた後のゼフィールの台詞です。

因みに、この戦いでのセシリアの台詞『つ つよすぎる…』『近づけば死にます』は、FEHのセシリアの戦闘セリフに採用されています。

 

「邪魔はさせん」
 封印22章「見果てぬ夢」

きさまらに わしの行く道を
邪魔させはせん!

一般ユニットとゼフィールとの戦闘会話。ゼフィールには彼なりの信念があるのです。

 

死亡時セリフ

「わしの…負けか…」
 封印22章「見果てぬ夢」

むうっ…
わしの…負けか…
だが おぼえておけ…
わしの…志が…負けたわけ…ではない…
人が人を…支配している以上
悲劇は…くり返されるのだ…

死亡時セリフは、原作でのゼフィール撃破時の会話から抜粋されています。

このような含みのある辞世の句は、大ボスの特権。「暗黒竜と光の剣」のメディウス撃破時の台詞とも、大いに共通するものがあります。

 

まとめ

悪役たちの台詞は、非常に力強くて印象的。パワフルなセリフとボイスに、思わずスマホを握る手にも力が入ります。

このような魅力的なキャラを、今後も是非FEHに登場させて欲しい所です。