マリオパーティ ミニゲーム博物学

マリオパーティシリーズのミニゲームは、毎作似たような物が多いなあ、と思う今日この頃。同じようなジャンルのゲームを、手を変え品を変え、毎作使い回しているように感じます。

そこで、マリオパーティミニゲームにはどのようなジャンルがあるのかを考え、以下にまとめてみました。大きく分けて、①連打、②バトルロイヤル、③反射神経、④タイミング、⑤回避、⑥パズル、⑦アイテム回収、⑧アスレチック、⑨記憶力、⑩レース、の10個にカテゴライズできると思います。以下では、各々のカテゴリの詳細を紹介していきます。

 

1:連打

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制限時間内のボタン入力回数を競うゲーム。マリオパーティの代名詞と言っても過言ではなく、殆どのシリーズ作品に登場しています。入力形式も、同時押しや交互押しなど様々。

 

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マンネリ回避のためか、最近では連打ゲームの変化球が多くなっています。例えば、4つのボタンを一周するように押させるゲームや、早すぎず遅すぎない連打を要求するゲームなど。

 

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入力デバイスの変化に応じて、入力速度を競うゲームは増えています。マリオパーティ8では、wiiリモコンを回す速度を競うゲームが登場。DSや3DS系列の作品には、画面をこする速度を競うミニゲームが収録されています。これらも、連打ゲームの一種と考えて良いでしょう。

 

2:バトルロイヤル

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殴る・蹴るなどの行為により、ライバルを突き落として勝ち残る事を目的としたゲーム。こちらも単純で分かりやすく、多くのシリーズ作品に収録されています。

 

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操作の難しい乗り物に乗せられたまま戦うケースも多々あります。玉乗り状態で戦う、勝手に弾んでしまう乗り物で戦う、といったように、開発者もゲームに色々と変化を付けてきます。

 

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生き残り形式ではなく、所定のキル数を稼いだプレイヤーが勝ち抜けとなるルールのゲームもあります。左の「ドカドカ!ホバーバトル」はTPS、右の「ねらえシャッターチャンス」はFPSをモチーフとしたミニゲームです。

 

3:反射神経

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表示されたボタンを押すスピードを競うゲーム。最も早くボタンを押せたプレイヤーに得点が入ります。左の「はやおしガンマン」のようにボタンをそのまま押せば良いゲームもあれば、右の「はやおしゲート」のようにキャラクターを覚えておかなくてはならないパターンも。

 

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入力に制限時間が設けられており、時間をオーバーすると死亡扱いになる、サバイバル形式のゲームもあります。制限時間が徐々に短縮されたり、お題が難しくなったりと、生き残りがだんだん困難になります。

 

4:タイミング

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ボタン入力のタイミングの良さで勝負するゲーム。最も良くあるのがヒップドロップのタイミングを競うゲームです。ジャンプの頂点でヒップドロップを出せるほど効率が良く、またペアで同時にヒップドロップができると更に効果的、といった具合です。

 

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流れてくる音符をタイミング良く叩く、音ゲー形式のミニゲームもあります。音ゲーとして見た場合の難易度は限りなく低いのですが、入力デバイスの感度が微妙なので、思ったほど高得点は出せません。

 

5:回避

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ギミックや敵キャラの攻撃をひたすら回避し続けるゲーム。例として挙げられるのは、倒れてくるページに押し潰されないよう回避する「ぱらぱらブック」、電撃をジャンプで避ける「ビリビリサバイバル」、ペンギンに押し流されないように回避を続ける「ペンギンだいこうしん」、床に空いた穴に落ちないよう耐久する「ガツガツサバイバル」など。他のジャンルと違って非常にバラエティに富んでおり、作品ごとに全く異なるタイプのゲームが収録されています。

1vs3のゲームでも、1人側がギミックを操り、3人側が制限時間まで回避を続ける、という形式が多く見られます。

 

6:パズル

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落ちモノ系パズルで対戦し、相手全員を窒息させるか、所定のポイントを最速で達成した人が勝ち、というゲーム。任天堂の考えるパズルは意外にもバラエティ豊かであり、プレイヤーを飽きさせません。

 

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全員で迷路に挑戦し、ゴールまでの時間を競うというゲームもあります。こちらもパズルゲームの一種と言えるでしょう。

 

7:アイテム回収

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花やハチミツなど、降ってくるアイテムを集め、その数を競います。ほぼ毎作登場するゲームですが、何を集めるにせよ、あまり変わり映えのしないゲームとなります。

 

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最近では、アイテムではなくキャラクターを集めるタイプのゲームも増えています。静止しているアイテムに比べ、動き回るキャラクターを捕まえるのは難しく、ゲーム性の向上に一役買っています。

 

8:アスレチック

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横スクロール式のアスレチックステージを全員でプレイするゲーム。操作性が悪い上に、ゲームによっては1ミスで即死であり、かなりの緊張感が伴います。全員が落下して勝者無し、などという事態もままある鬼畜ゲームです。

 

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3Dアスレチックに比べ、2Dアスレチックは難易度がマイルドです。落下死の危険性も少なく、肩の力を抜いてプレイできます。

 

9:記憶力

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表示されたオブジェクトをどれだけ覚えられるかを競うゲーム。良くあるのは、他のプレイヤーのボタン入力を暗記しておき、自分もそれを繰り返す、というゲームです。

 

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同様にありがちなのが、アイテムの位置がシャッフルされた状態で、目的のアイテムを見つけ出す、というもの。覚えるアイテムの数が多く、高い集中力が求められるゲームです。

 

10:レース

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所定の周回数を達成するまでの時間や、所定のゴールに到達する速さを競うゲーム。F1、ボート、競馬、バギー、スケート、スノーボードボブスレーなど、ありとあらゆる乗り物やスポーツがテーマとなります。どのゲームでも、自機は非常に扱いづらく、すぐにスリップやクラッシュをしてしまいます。クセのある自機をいかにコントロールできるかがゲームのカギとなります。

 

その他:マイナーなジャンル

上にあげた他にも、数は少ないながら定期的に登場するジャンルが存在します。

 

陣取り

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領土を自分の色に塗っていき、最終的な面積を競うゲーム。「マリオパーティ4」の頃から出現し、その後徐々に勢いを伸ばしつつあるジャンルです。

 

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スプラトゥーンの影響を受けたのか、近年はキャンバスとインクを使った陣取りゲームも多数見受けられます。

 

チキンレース

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崖に落ちないように車を走らせる「ギリギリストップ」、爆発させないように風船を膨らませる「マイクでフーフーフー」など。運ゲー覚えゲーの色が濃いジャンルです。

 

精密操作

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僅かなスティックさばきを競う、コアなジャンル。お手本と全く同じ表情を作る「クッパひゃくめんそう」、ガイドラインと同じ線を引く「なぞってクレヨン」などがその例です。64やGCの時代に流行したタイプのゲームであり、現在は下火となっています。

 

運ゲー 

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左の「クッパばくだん」は、乱数によって勝者が決まる、完全な運ゲーです。弱者を救済するゲームとして、運任せのゲームは初代から根強く残り続けてきました。

右の「ちがってアップ」は、 他のプレイヤーと重複しないボタンを入力したプレイヤーに得点が与えられるゲームです。他のプレイヤーの行動は殆ど予測不可能ですので、これも運ゲーの一種と言えます。但し、「俺はAを押したぜ!」などと画面の前のプレイヤー同士で揺さぶりを掛け合うことはできますので、多少の駆け引き要素も存在します。このゲームの登場以降、運ゲーに一握の駆け引き要素をプラスしたゲームが続々と作られていきます。

 

駆け引き

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相手より高い点数のカードを場に出す「かけひきカードバトル」、全員で同じベルトコンベアを操作してリンゴを獲得する「かけひきアップル」など。ランダム要素が強く、「乱数に依存しない運ゲー」としての役割を担っています。

 

まとめ

マリパシリーズでは、新作の度に既存のジャンルから新しいミニゲームが作られます。そのため、定型的で既視感の強いゲームばかりになってしまうのも仕方ないと言えましょう。

一方で、近年のマリパシリーズは新ジャンルの開拓にも意欲的です。陣取りや駆け引きといった、新たな要素を前面に押し出した良作ミニゲームが次々と生まれています。今後も、新しいジャンルのミニゲームの製作に挑戦し続けてほしいところです。