多くの漫画家は、作品に登場するヒロインや女主人公に対して優しいものです。
いたいけな少女に重傷を負わせる訳にはいきませんので、なるべく危険な戦いからは遠ざけ、後衛でのサポートの任務に就かせる場合が多い気がします。
しかし、漫画「ポケットモンスター SPECIAL」は例外です。
この漫画では、積極的に前線に出たり、悪の組織に食って掛かったりするアグレッシブなヒロインが多数登場。
彼女らが肉体的・精神的にハードな戦いを繰り広げる様を、山本サトシ氏が迫力ある作画で書き上げるという、大変魅力的な作品です。
特に、
- 普段強気なヒロインが、ダメージを負ってしおらしい一面を見せる
- 多大なダメージを負いながらも、いじらしく健気に戦う
といったところが、本作のダメージシーンの最大の見どころでしょう。
以下では、作品に登場する様々なヒロインの肉体的・精神的なダメージシーンをまとめたいと思います。
クリス
悪の組織の幹部や伝説のポケモンとの戦いで傷を負い、戦闘不能となるヒロイン。
布切れのように枝にぶら下がっているシーンや、身を捩って上体を起こすシーンなど、彼女の負ったダメージの深さが伺えます。
加えて、こんな極限状態にありながらも、仲間のシルバー君のダメージの方を心配するという健気さに、心をくすぐられます。
彼女がこんなにダメージを負っているのは、敵と真っ向勝負をする機会が多いからでしょう。
彼女の同僚である男2人が奇襲や偵察を得意としているため、白兵戦は自然と彼女の役目になりますからね。
守備力低めのゴールドとシルバーを守る盾となるクリス・・・
面倒見が良く頼れる女の子であるクリスは最高ですね。
サファイア
クリス以上の武闘派少女であるサファイア。
戦闘力がある分、割と高い頻度で酷い目に遭っている気がします。
このシーンでは、悪の組織の幹部に視力を封じられています。
絶体絶命かと思いきや、目が見えなくても野生の勘で戦い続けられるのが彼女の凄いところです。
視力に引き続き、言語能力まで封じられるサファイア(左)。
そんな厳しい状況に苦しみながらも、強敵を撃退していくサファイアは可愛いですね。
その右の画像は、ルビー君を庇った傷で倒れてしまうサファイア。
この子は常に苦しい展開に立たされている印象があります。
プラチナ
今までのヒロインとは異なり、戦闘に関しては素人なプラチナ。
彼女の仕事は、戦闘外での精神的な攻撃を打ち破ることです。
特に、敵対者だらけのアウェーな状況下でポケモンコンテストに出場するシーンでは、彼女の持ち味が最大限に発揮されています。
観衆たちに敵意を向けられようが、堂々とした態度を崩さず、むしろ気高さを滲ませるプラチナ。
可愛いくも頼もしいヒロインです。
信じていた主人公たちに裏切られ、失意の中で眠りにつくプラチナ(左)、そして悪夢で目が覚める彼女(右)。
普段はツンツンしている彼女のしどけない姿に、保護欲を掻き立てられるシーンです。
プラチナが水責めに遭っているシーンもあります。
上の画像は、割と虚弱なはずのお嬢様が、水場に落ちてしまうという困難をものともせず、その状況を反撃に活かしていく場面です。
苦境でも健気に頑張るヒロインというのは、素晴らしいものです。
ホワイト
普段はしっかり者の敏腕実業家であるホワイトが、心に傷を負ってすっかり塞ぎ込んでしまうシーン。
いじらしくしおらしい一面を見せる彼女に、心を射抜かれます。
彼女も一人の女の子だったんだな・・・、という印象を受ける、素晴らしいダメージシーンです。
塞ぎ込んだホワイトからは、謎のセクシーさを感じます。
か細い肩を露出させている上のコマなんかも素晴らしいです。
ファイツ
怖い男に詰め寄られ、犯罪者呼ばわりされるヒロイン。
口数も少なく大人しい彼女が、血の気の多い男に怯まされながらも、勇気を振り絞って反論するシーンです。
こんなすぐ泣いちゃうヒロインは前代未聞ですが、それでも健気に戦う意思を見せる彼女に、好感度が高まります。
ワイ
アクションスター系ヒロインのワイちゃん。
酷いダメージを負っているにも関わらず、ピンチのエックス君をサポートし、強敵に対して臆することなく切り込んでいく強気さに、胸を打たれます。
「腕ずくで返してもらう!」・・・などという、歴代のヒロインには珍しい、威勢の良い態度もGood。
ムーン
主人公に向かって高圧的な態度を取る下衆な悪役に対して、強気に論破しに掛かる、頼もしいヒロイン。
結果的に、キレた悪役からダイレクトアタックを受けてしまいます。
ダメージを受けて地に這いつくばる様子からは、謎の艶っぽさを感じます。
まとめ
ヒロインのダメージシーンが描かれると、
- ヒロインの普段とは違う様子が垣間見える
- 健気なヒロインを応援したくなる
- どことなく色っぽい
といった利点がもたらされます。
結果として、ヒロインが可愛く魅力的に見えてきます。
個人的には、ポケスペヒロインの可愛らしさを語る上では、ダメージシーンは見逃せないのではないかと思います。
今後も、作者である日下先生や山本先生が、魅力的なヒロインを描かれることを願っております。