世界樹の迷宮における植物モンスターの造形

世界樹の迷宮」シリーズは植物系モンスターのデザインがかなり練られているな、と感じるこの頃。

気になったので、植物系モンスターの造形について調べてみました。

 

世界樹の迷宮シリーズは、難攻不落の樹海を勇敢な冒険者たちが踏破していくというゲームで、森が舞台という性質上、手強い植物系モンスターが多数登場します。

しかし、植物をモンスターにするというのは結構難しいもので、純然たる手強そうな植物モンスターを作ることは困難です。

その手頃な例がポケモンシリーズです。

ポケモンで顕著なのが、植物系モンスターのマスコット化です。

例えば、次のようなモンスターを見てみてください。

チェリンボスボミーチュリネ

いずれも、植物に対して不用意に目・口・手・足といったパーツを付け加えたがゆえに、何だかゆるキャラなようなモンスターができてしまっています。

安易なマスコット化は、ファンシーなゲームなら許されますが、世界樹の迷宮のようにモンスターと極限の命のやり取りを迫られるゲームには全く適していません。

 

 

マスコット化を避ける方法として、これまたポケモンでありがちなのが動物化です。

例えば、次のようなモンスターを見てみてください。

ジュカインドダイトスドレディア

ジュカインはトカゲ、ドダイトスはカメ、ドレディアは人間らしき何かをモチーフにしたモンスターです。

この系統のモンスターは、マスコット系モンスターよりいくぶん強そうに見えますが、これでは植物モンスターというより、動物に植物がちょこっとくっ付いただけの生命体と言えるでしょう。

こういうのもファンシーなゲームなら許されますが、世界樹の迷宮シリーズのようなゲームでは、動物系モンスターとの差別化ができていないためNGです。

 

 

世界樹の迷宮シリーズでは、植物モンスターを動物化もマスコット化もさせないようにかなり工夫がされているようです。

その例を、以下でいくつか見ていきたいと思います。

 

 

ラフレシア

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マスコットらしくも動物らしくも無く、純粋に植物として強そうなモンスターとして真っ先に挙げられるのが、このラフレシアです。

モンスターのデザイン上の工夫としては、

  • 安易に目や口を付けない
  • 代わりに花を顔っぽく見せる
  • 棘と毒々しい配色で危険性をアピール

といった方法でマスコット化や動物化を防いでいるようです。

 

螺旋の水泡樹

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正体不明の植物系モンスター。

世界樹の迷宮においては、行動の予測ができないモンスターというのは本当に危険です。

得体の知れない外見にすることで、プレイヤーに戦法を予測させないようにし、手強く見えるように工夫されているモンスターと言えるでしょう。

また、例によって目・口・手・足といったパーツを省くことにより、マスコット化が回避されています。

一方、水泡の中で燃える火が目のように見え、また枝が手のように見える、といったデザインとなっています。

 

ヤシの木お化け

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やはり目や口を省くスタイルですが、一応、葉っぱの集合が顔っぽくは見えます。

名前と外見から何となくネタっぽい雰囲気が漂いますが、実際はスキル「ヤシの実アタック」が痛い強敵です。

デザイナーのコメントによると「オーダーされると困る種類のお題のモンスター」だそうです。

確かに、ヤシの木をモンスターにしろという注文が来れば困るでしょうね。

 

危険な花びら

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ラフレシアと同じく、棘と毒々しい配色で危険性をアピールし、顔のパーツを排除することでマスコット化を回避しています。

花びらが顔っぽく見えるのもラフレシアと同じです。

世界樹の迷宮1では、花弁に入ったスジが目のように見え、より危険な感じの見た目となっていました。

 

ニチリンソウ

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デザイナーの長澤氏によると、ヤシの木お化けと同じぐらいデザインの難易度が高かったモンスターとのことです。

確かに、ニチリンソウは他のモンスターと違って顔っぽい部分や手っぽい部分を持たず、かなり特異な造形となっており、作るのに苦労するというのも頷けます。

デザインとしては、向日葵の花を下に向け、その上に向日葵のタネっぽいパーツを配置し、さらにその上に葉を2枚を配置するという奇抜なもの。

植物系モンスターにお馴染みの、毒々しい色の棘も確認できます。

ニチリンソウは最も弱い部類のモンスターですが、デザインも危険性の薄さをうまく表現している気がします。

 

人食い草

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物騒な名前のモンスター。

今までのモンスターと違って口が存在しますが、これはハエトリソウが原型となっているからでしょう。

口はあれども目は無い、という点が不気味さを醸し出しており、迷宮に棲むに相応しいモンスターとなっています。

 

うごめく毒樹

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目も口も手も足もあるのに、マスコット化も動物化もしていない稀有な例。

これは、うごめく毒樹のモチーフとなっている枯れ木お化けが、目・口・手・足を持っているからでしょう。

このように、モデルに正当な理由があれば、植物系モンスターに顔や体のパーツを持たせても良いことが分かります。

 

迎え撃つ覇王樹 / 幻惑の飛南瓜

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こちらも、目・口・手・足が存在するパターン。

但し、うごめく毒樹と違い、マスコット化に片足を突っ込んでいるように見えます。

これは、サボテンやカボチャに手足が生えていることを正当化する根拠が存在しないことが原因でしょう。

 

マンドレイク / トリップマッシュ / 爆弾カズラ

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完全にマスコット化している例。

マンドレイクなどは、世界樹の迷宮43DSホーム上でのアイコン選択時に出てくるキャラですので、文字通りマスコットであると言えます。

これらのモンスターがマスコットっぽく見えるのは、目・口・手・足のうち2つ以上のパーツを保持していることと、1頭身であることが要因でしょう。

(但し、爆弾カズラの表面にあるのはただの窪みだそうなので、目や口があると言うと語弊がありますが…)

 

アルルーナ

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こちらは動物化している例。

モンスターの体と人間の頭が突然接続するデザインは世界樹のお家芸です。

 

まとめ

以上より分かる、迫力ある植物系モンスターをデザインするための必要条件は、次のようになります。

  • 目や口は極力省かなくてはならない。
  • 顔・手・足といった構造も存在しないほうが良い。但し、花弁や枝が顔や手に見える、という程度ならセーフ。
  • 1頭身にしてはならない。

 

次回作である世界樹の迷宮5でも、魅力的な植物モンスターが登場することを願っています。