なぜポケダンは難しいのか?

ポケモン不思議のダンジョン」シリーズをプレイしていると、本家ポケモンには無いような理不尽な理由で敗北を喫することが多いような気がします。本家ではなかなかパーティ全滅の機会というのは無いものですが、ポケダンでは常に全滅の危機と隣り合わせなんですよね。

どうしてポケダンは本家と違って難しいのか、あまりに気になったので、理由をいくつか考えてみました。因みに、風来のシレンシリーズは未プレイなので、以下に挙げるのは本家ポケモンとの比較事項になります。

 

トレーナーが居ない

本家ポケモンであれば、ポケモンが眠れば即座に「ねむけざまし」を使えますし、ポケモンが凍れば即座に「こおりなおし」を使えます。こちらが相手より素早ければ、敵に「さいみんじゅつ」を撃たれても即座に薬を投与することで、互いに1ターンのロスで済みますので、状態異常技は何ら脅威にはなりません。

一方で、ポケダンでは主人公が眠ったり凍ったりすればとんでもない時間のロスを強いられます。その間は他のポケモンに指示は出せませんし、最悪の場合、敵に一方的に殴られて全滅です。本家ポケモンであれば、トレーナーに直接「さいみんじゅつ」が飛んでくるようなものです。

 

ポケモンチェンジができない

「あやしいひかり」「メロメロ」「いやなおと」といったような、本来ポケモンチェンジですぐに打ち消せるような技がポケダンでは猛威を振るいます。この仕様で特に強化されているのが「ほろびのうた」。もともとポケモンチェンジでしか対抗のしようが無い技なので、ポケダンにおいては必然的に余命3ターンの宣告となります。

 

逃げ場が無い

本家ポケモンであれば、相性の悪い相手が出てきた場合、ポケモンをベンチに引っ込めるという選択肢が存在します。例えば、敵がトロピウスを繰り出してくるなら、自分はミジュマルを引っ込めるべきでしょう。

しかし、ポケダンではそうもいきません。どこまで逃げても、トロピウスリーフストームを撃たれれば終わりなのです。モンスターボールの中という安全圏が存在しないのは、とてもきついものです。敵にもハイドロポンプや粉雪など射程の長い技を持ったものが多いので、相性の悪い味方ポケモンを守り切るのは至難の業です。

 

敵が複数同時に襲ってくる

本家ポケモンでは、どれだけ強い敵も、バトルの場には同時に1体ずつしか出ることができません。しかし、ポケダンには数の暴力が存在します。特に、主人公やパートナーは敵に集中攻撃されれば一瞬で消し飛ぶ程度の耐久力しか持たない事が多いので、彼らを守り抜くのはとても難しいものです。

 

明らかに強すぎる技がある

敵を一切行動させない「ふういん」、全く攻撃を受け付けなくなる「オウムがえし」、部屋全体が倍速行動を開始する「こうそくいどう」、敵全体を全能力アップさせる「ぎんいろのかぜ」など、明らかに調整をミスっている技が多数存在します。味方がこれを使用できれば強いのですが、残念ながら大抵は敵の専売特許となります。

また、「つっぱり」「おうふくビンタ」といった連続攻撃技も鬼畜。複数回ヒットするかわりに一撃の威力は低め、というのが連続攻撃技の本来の立ち位置なのですが、ポケダンでは何故か1回あたりの威力が他の技とさして変わらないため、食らえば即死の危険性もあるトンデモ技と化しています。「つららばり」「タネマシンガン」に至っては遠隔攻撃であるため、即死技が画面外から飛んでくるという鬼畜っぷり。「ころがる」「アイスボール」も何故か1ターンに複数回ヒットします。

 

技使用回数の格差が大きい

ポケモンは強力な技を使い放題、対して味方はPPを節約しながら進まなければならない、という点もゲームを難しくする要因となっています。いつでもポケモンセンターに帰れる本家と同じような感覚でプレイすることはできません。

これは特に、DS時代のポケダンに顕著な事項です。最近のポケダンでは、PP回復アイテムが割と豊富に手に入るため、PP枯渇の問題はやや薄らいでいます。

 

説明が曖昧すぎる

本家とシステムの違いの多いゲームなのに、どう違うのかという説明は曖昧な本作。敵の持つ技の威力や命中率は近づいてみるまで分かりませんし、効果も「相手の防御を下げることがある」「自分もダメージを受ける」と曖昧です。何割の確率で防御を下げ、何割のダメージが跳ね返るのか? 確かに本家でも割合に関する記述はありませんが、ポケダンに関しては攻略サイトですらこれらの情報を得られないので、とにかく作戦が立てづらいです。

他にも、眠りは何ターンで解けるのか? 連続技が5回ヒットする確率はいくらか? サイコウェーブのダメージの振れ幅は? 草結びの威力の計算方法は本家と同じか? 「いりょくアップX」は威力を何%アップしてくれるのか? …といったように、謎の尽きない部分は多いです。効果抜群・今一つの倍率が本家と違うことを説明してくれないのも質が悪いですね。このような大味な説明が、本作の難易度を引き上げている部分も大きいと思います。

 

本家の知識が邪魔をする

本家で警戒すべきポケモンポケダンで警戒すべきポケモンは全く異なります。2回行動するフワライド、連続攻撃と全体攻撃が危険なレディアン、死刑宣告のニョロトノ、味方を全員混乱させるドレディア、やたらと能力値の高いナマケロなどは、ポケダン特有の強敵と言えます。そして厄介なのが、ポケダンで強い敵は本家では大して強くない、ということ。つまり、どの敵が警戒すべき敵なのかは、倒されて初めて分かるということなのです。ここに至っては、本家の知識が役に立たないどころか、寧ろ「このポケモンが強いということはあり得ないだろう」という先入観が攻略の邪魔をするということになります。製作者も、そういう意外性を狙っているのかもしれません。