大逆転裁判をクリア

カプコンの「大逆転裁判」をクリアしました。

 

今作のウリである、明治時代ならではのレトロな雰囲気や、ホームズとの共同推理はとても良かったと思います。逆転裁判というゲームの一番の武器は、法廷バトルという新ジャンルを切り開いたように新規性だと思いますので、今回のようにマンネリ打破に向けて目新しい要素を盛り込んでいくのは良い方向性だと思います。

ゲームのシステムとしては、外伝的作品である「レイトン教授VS逆転裁判」に近いところがあります。群衆裁判、証言同士を突きつける操作、科学捜査が通用しない点、などは同作に近いところがありますね。加えて、陪審員のデフォルメっぷりはレイトンキャラに近いところがありますし、バンジークス検事はジーケン・バーンロッド卿に近く、ホームズはレイトンに近い立ち位置です。個人的には「レイトンVS逆転裁判」は結構好きな作品なので、その要素が受け継がれているのは嬉しいところです。

 

一方で、本作の消化不良っぷりはやや困ったところ。話を詰め込み過ぎたせいか、頑張って張った伏線を回収しきれていません。思いつくだけでも、次のような点は最後まで謎のままです。

  • 1章の犯人であるジェゼールの動機は何か?
  • アイリスの原稿「バスカビル家の犬」が未発表にされているのは何故か?
  • スサトはなぜ「バスカビル家の犬」の存在を知っていたか?
  • 極秘通信に名前が挙げられた4人にどのような繋がりがあるのか?
  • バンジークス検事が日本人をここまで嫌う理由は?

こういった伏線を回収しようと思えば、ストーリーをもう1話追加して、「すべて過去の事件が原因だったんだよ!」的な展開にすれば丸く収まったと思うのですが… 個人的には、伏線回収の章を最後に加える代わりに、1~3話を統合すれば良かったのではないかと思います。そもそも、1話は既存システムのチュートリアル、2話は共同推理のチュートリアル、3話は陪審員制度のチュートリアルですので、くっ付けても問題ないように思えます。今作では、5話が前作までの3~4話付近のノリで展開されていますので、なおさら序盤を圧縮した方が自然な感じになります。

このように伏線を放置しておくということは、次回作で回収するという予定なのでしょうか。仮に大逆転裁判2が出たとしても、「前作をプレイしていないと訳が分からない逆転裁判」というのはややプレイヤーに厳しい気がしますけどね…